再び日本へ

日本へ向う船の中、鯨を見かけた蘇芳は、写真を撮ろうとして、その手を止める。
契約者になった? 彼女は、合理的な行動をとるために必要のない行動を好んでとることはないためか?

ただまあ、彼女の場合は、双子が契約者になったわけで、その兆候がシオンのほうに先に現れていたわけだから、場合によっては、黒みたいに、契約者の力を持ちながら、人としての感情を保っているケースになるかもしれないので、契約者のことを詳しく知らない彼女が、彼女の知っている契約者のイメージを己に重ねあてて、それに従って、動いているだけということもありそうだが(前回に言ってた彼女の能力は、イメージや願望の具現化の可能性もあるので)。

彼女は、その手にもっている流星核で、酒瓶を手にもったを見る。

船は、日本へと到着しようとしていた。



三号機間で、「一之瀬弥生 総務省統計局統計調査部第二査察課第三係長補佐」というコードネームの名刺を、ゴルゴな上司から渡される美咲。

それをよどみなく読み上げた美咲に、「かまないで読めるんだ」と茶化す鎮目。それに冷ややかな一瞥で返す美咲。律儀に挨拶する沢崎。ここでは名前など記号みたいなものだという葉月。

鎮目たちと行動してもらうと紹介するゴルゴ。「不満そうな顔、私たちが気に入らない?」という葉月に、「仕事ですから」と受け流す美咲。
じゃあ、これは気に入るか? と蘇芳が書いた黒の人相書きを取り出す鎮目。手にとり、李の名前を口にする美咲。二年前、新宿大久保近辺にしていた留学生、と確認を取るゴルゴ。それに頷く美咲。
東京エクスプロージョン以降、CIAに雇われていたということをかいつまんで説明し、今は、そのCIAもその行方を追っていると語るゴルゴ。
美咲は、BK201の星は消えた、彼は生きているのですか? という問いに、鎮目は、自分たちが戦ったのが亡霊じゃなければといい、詳細は不明で、「真相にたどり着くには、捜査を続けるしかない、そのために君はここへ来たのだから」と語るゴルゴ。

優先すべきは、bk201、シオンの捕獲を口にし、黒がつれている子供だと美咲に説明する。

それを聞いて、考え込む美咲に舌なめずりをする葉月(汗)

斎藤に電話する美咲。いきなり辞表を提出した彼女を問い詰める斎藤なのだが、葉月に人違いだと電話を切られてしまい、弥生の名前で手渡される。さらには、警察公安、軍の情報は昼寝していたって、こっちにまわされると語る葉月に、冷ややかに礼をいう葉月。
葉月は、美咲を抱きしめ、モーションをかけるのだが、いいかげんいして、と逃げ出されてしまい、ガックリと肩を落とす葉月。

トラックの荷台の中で、水に沈んだ、タワー周辺の光景を見て、天国戦争の傷痕で鶴が見られるようになるとは、とひとりご散るマオ。黒は、もう直ぐ街に入る、閉めておけと酒瓶を煽りながら、はき捨てる。
外の光景を見ていた蘇芳は、外の光景を名残惜しそうに見ているが、黒に、「何だその顔は?」といわれて、「別に」とふてくされた顔でシートを締める。

歓楽街で、店の近くで糞をしたネコを怒鳴るオカマのママ。
そこに止まる黒たちを乗せたトラック。黒たち、というか、黒を見て、目を輝かせて、声をかけるオカマ。李の表情になって、挨拶を返す黒。「あーら、おいしそう」と喜ぶオカマ。においますよといわれて、あわてて、分を隠すオカマ。
そのやり取りを、冷ややかに見ている蘇芳とジュライ。
イ・ヒョムスクと名乗る黒。

蘇芳とジュライを妹弟といい、そそくさと去っていく黒を見て、国際色豊かな兄弟というオカマ。

立ち去りながら、「笑え」と蘇芳とジュライの頬を引っ張る黒。笑顔はプログラムにないと返すジュライ。

黒は、どうして、こんなと問う蘇芳に「クライアントの意向だ、エージェントとして、お前に訓練をつける」という。
口答えをする蘇芳に、「口答えをするな、契約者として、生き長らえたければナ」と口元を抑えて、凄みを利かせる。

ライフルの発砲の訓練で、河沿いに浮かぶ瓶に観測霊を飛ばして、蘇芳に狙いの修正を継げるジュライ。
高架下にあばら家を建てて、訓練するための拠点にしているようで。室内には、代価として、折られた折り紙が置かれている。

狙いをつけている蘇芳の背中を踏みつけ、「工場の切れ間に発砲すれば、気付かれる。頭を使え」とどやす黒。

的を変えるといい、鶴に狙いを変えさせて、動く標的だ、という黒。父親と狩をした記憶が蘇り、あのころは撃てなかったと思い出す蘇芳。冷ややかに、距離の修正を告げるジュライ。

「今なら・・・」と狙いを定めるが、つるには当たらないで、逃げられてしまい、「照準がずれた」というのだが、黒には、「契約者なら、もっとマシな嘘をつけ」と見透かされてしまうが、黒の背中に狙いをつけて、「今度は外さない」と蘇芳。
口笛を吹いて、「勇ましいオ嬢ちゃんだ。口うるさいのを殺しておくか?」と嘯くマオ。

「そんなことはしない。得にならないのは解っているから。先に言っておく。僕は東京へ行く。そのためだけに、あんたと来たんだ。もし、変な真似したら・・・・」と言いかけて、ライフルをつかんだ黒に投げ飛ばされてしまい、「お前はただ、俺の指示に従っていればイイ」と言われてしまう。
「契約者といっても、まだ、がきだ。加減しないと死ぬぞ」と忠告するマオ。黒は溜息をついて、食事は勝手に取って置け、とその場を離れようとするが、「お金がないよ」という蘇芳(まあ、お金を換金する暇もなかったわけですしね)に、くしゃくしゃに丸めたお札を投げ捨てる。
「お前は?」というマオに、無言で酒瓶を示し、その場を立ち去る黒。「あんなに大飯ぐらいだったのに、今じゃ、ガソリンは酒だけか」と黒の変わり果てた姿に、肩をすくめるマオ。

商店街跡地で踊る若者たち。トレッドヘアに色眼鏡の若者・ノリオが、お前ら、踊っているつもりで踊らされているんだよと叫ぶが、「また、はじまった」と苦笑する。

そこに蘇芳とジュライが通りがかり、蘇芳を見て、一目ぼれをするノリオ。彼を見て、何かを感じる蘇芳。マオは知り合いか? と訊ねるが、そんなはずはないかとその可能性を否定する。

つぶれたラブホテルに潜伏して、食事をとる蘇芳。彼女は、マオに、「あいつ、なんなの? クライアントって、何? 訓練って、何? あいつ、契約者なんでしょ? なんで、私を?」と問い詰めるが、逆にマオに、何で逃げないといい、「逃げるよ、いつかは」といい、今はお金がないからと直球で答える蘇芳。
食事代を切り詰めて、逃げるお金を蓄えようというつもりらしいが、そういうことはいわない方がいいのでは?

冷蔵庫にあった賞味期限が切れている食べ物を見つける。

ホテルで情報屋と接触し、ウラジオストクのテロ騒ぎの情報を得ようとする美咲。たいした情報を入手できない美咲。
これ以上探るなら、マダムに聞いたほうがいいといわれる。伝説の情報屋だと語る情報屋に、有力情報をありがとう、と皮肉交じりにいい、その場を後にする。

黒の居場所どころか、三号機関の実態すらつかめないなんて、とママならない現状に歯噛みする。

蘇芳に戦闘訓練をつける黒。彼の酒瓶を割るものの、その隙を突かれて、顔に雪球を投げつけられてしまう。
倒れた彼女に、「どんなものでも武器になる」とアドバイスを、割れた酒瓶を突きつけて、する黒。
「状態の動きだけでよけろ。ほかの事は考えるな」とパンチをよける蘇芳に、アシ払いでこかして、臨機応変な
とアドバイスをつけさせたり、逆立ちさせて、バランスを取らせてたりして、訓練をつける黒。

大の字になって、息を切らしている彼女を、壮絶だなと評するマオ。彼女のおなかを、黒がじっと見ているかと思いきや、ダンスの練習をさせて、「インナーマッスルが弱い、腹筋と背筋もナ。それを鍛えるのに、踊りは最適だ」と説明する。踊っているうちにおなかを抑える蘇芳。昨日食べたカップラーメンのせいかもという蘇芳。
そこへノリオたちが現れたのを見て、訓練の成果を見せろと、彼ら相手に喧嘩する事を指示され、中の一人を押さえ込んで、腕を曲げたのを見て、仲間達が殴りかかる。
最初は、よけていた蘇芳だが、おなかの痛みがぶり返し、殴られて、羽交い絞めにされてしまう。

そんな彼女を助けもせずに、酒瓶を煽って、傍観を決め込む黒。

ノリオが仲裁に入るが、仲間達の気は当然、収まるわけはなく、一触即発かと思いきや、パトカーが現れて、
ジュライに逃げ道を指示するようにいうと、「時間を稼げ」とマオを警官に投げつける黒。

一足先に逃げようとする仲間たちではなく、蘇芳を追いかける事を選ぶノリオ。

おなかの痛みを抱えながら、逃げる蘇芳は、ジュライと合流し、パトカーをやり過ごして、彼の案内で脱出する。正体の知れない痛みに戸惑う蘇芳。ノリオと鉢合わせして、なんとか、仲直りしようとするのだが、腹の痛みを抱える蘇芳には、それどころではなくて、「どいて」と言い放ち、能力を使って、ライフルを取り出し、ノリオに威嚇射撃をぶちかます。
腰を抜かしたノリオには目もくれないで、先を急ぐ蘇芳達。

痛みに耐え切れなくて、座り込んだところに、昨日のオカマが現れて、真っ青な顔で笑顔を作り、「悪いもんでも食べた?」と言われてしまう蘇芳と、銀のように手で笑顔を作って、「笑えないわよ」と言われてしまうジュライ。

オカマさんの店のノアの箱舟に連れてこられて、「ノアの箱舟ってさ、えらい不公平だと思わない? 全ての動物、男と女、ペアで乗せていってさ、傲慢よ傲慢。男でも女でもない私らは、どうしろっていうのよね」といいながら、生理の薬を渡す箱舟に乗る資格ができたというオカマさん。

男でも女でもない、というのは、言ってみれば、零れ落ちてしまったものという意味もあるのだと思うが、契約者でもある黒をメインとする、この物語に限らず、異形の力を持ちながら、人には戻れず、かといって、化物にもなりきれない者達を取り扱う物語では、避けては通れない題材ではあるのでしょうね。

中々に、味のありそうな事を言うものですね、この人。と思ったら、ノリオの父親というか母親で、蘇芳と鉢合わせして、顔を真っ赤にするノリオ。
それを見て、ニカに似ていたんだ、と気付く蘇芳。

それを見て、「あらやだ、思春期?」というオカマさん。

一方、路地裏で何故か、猫に追いかけられるマオ(汗) 飛び掛られたのをよけて、蘇芳の顔に飛び込む形で合流する。

ノリオの表情が、ニカがターニャに告白した時のそれに似ていたという蘇芳。
「恋する表情か」というマオに、「でもわからない。ニカが告白した時に、他人のことなのに、胸がきゅんとなった。今度は自分のことなのに、なんとも思わない」と戸惑う蘇芳。
「それは契約者に、女になれば、わかることさ」と教えるマオ。「わたし、もう女だよ」という言葉に、「ハイ!?」と面食らう。

なんとも思わないのは、ニカがターニャに告白したのは、今は戻らない平穏だった日々のことであり、今はそれとは無縁な生活を送っていて、失われた、戻らないものだということなのでしょうね。
とはいえ、契約者になってしまった事を考えると、二年前に、彼女の平穏は失われてしまっていて、今までは、シオンがそれを肩代わりしていたから、モラトリアム的に、平穏で、守られていたのであって、大事な物、家族や、友人、平穏で静かな日常とともに、それは失われてしまい、運命の逆風の中に放り込まれてしまって、もとめることも敵わないものだから、あるいはそう思い込んで、それは今の自分には縁がないものだ、と避けているのかもしれませんね。

能力を使ったことがばれて、黒に殴られてしまう蘇芳。って、酒浸りのオヤジに殴られる子供、そのまんまだな(汗)

まあ、黒からしてみれば、彼女を狙っている勢力はいくつもあるから、目的を遂げるためにも、生き延びるために戦う力を身に付けさせようと思って、のことでしょうけど、蘇芳からしてみれば、そう簡単に感謝するいわれはないわけだから、その意図に気がついて、感謝することがあったとしても、時間が掛かるでしょうけどね。

天文台にやってくる美咲。しかし、容易に扉は開いてしまい、彼女の前に現れたマダムは、美咲の名前を口にする。

夜、ベッドで眠るジュライ。その横にいる蘇芳は、ソファで寝ている黒に、「契約者になったら、感情がなくなるんだよね」といってから、「僕はあなたが嫌いだ」と黒にいい、それをそうか、と受け流す黒。
「嫌いな男と一緒にいても、それでも、僕は、シオンに会わなきゃいけないんだ」と眠りに突く蘇芳。

双子が契約者になって、契約者としての存在を共有しているなのか、感情を失っていない(嫌いだ、シオンに合いたいというのは立派な感情だし)蘇芳は、感情を失って、対価を払っていたシオンが陰で、蘇芳が陽で、その力を流星核で増幅して、顕現しているということか?

ターニャの一件で、自らの日常のもろさ(といっても、契約者がらみでなくても、そういう側面は、だれにでもあるのだけどね、一歩間違えれば、己の日常が失われてしまい、一変してしまうなんてことは)を思い知らされて、父親や失われ、身近な人たち(エイプリル等)も失われ、友達は、父親の作った代物によって、自分の事を忘れてしまい、仲の良かったニカはターニャの手によって殺されてしまった。

シオンしか信じる物がないと思ってしまうのは無理からぬところだし、ノリオが好意を寄せてくれていたとして、ターニャの一件を見た後では、それを受け入れることにも、戸惑いを感じてしまい、振り払いたくなるのは当然なのかも。仮に受け入れたとしても、ターニャや、自らの身に起こった出来事のように、あっさりと崩壊してしまうわけで、それによって、自分になにも残らなくなってしまうのが恐ろしいからでしょうし(あの年頃なら、無理からぬところもあるけど)。

黒の場合は、庇護すべき対象に世話を焼くのはいつものことで、守るべき対象を見つけたことで、徐々に元に戻り始めたということで、大差がないわけですが。
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by kwanp | 2009-10-30 19:32 | アニメ
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