少女漫画の描き方 18

「最近、少し麻痺してきたけど、マンガが雑誌に載るって、スゴイ事だよね」
私の塗ったベタがあるーと喜んでいる佐倉。

「そうだな、どうも慣れると初心を忘れがちになるからなあ」
ちょっと確認しに行くか、と野崎。
「えっ?」
どこ行くの? と佐倉。

「えっ!? あのっ、前野さん!!? もう一匹、タヌキを増やすのはさすがに・・・・、えっ、メス!? 男女カップルで!!?」
都ゆかりが担当(野崎の前担当でもある)前野からムチャ振りを受けて、戸惑っている。

俺は今、ものすごく恵まれている・・・・!!! 拳を握り締める野崎。
何を言って良いのかわからない佐倉。

それで自分の幸福確認するのはどうかと思うというか、これって、傍目には高校生が女子大生の部屋に、定期的に入り浸っているし、しかも前野も仕事とはいえ入り浸ってるけど、近所の格好の噂になりそうなものだけどなあ・・・・。最近は佐倉が一緒の場合が多そうだから、彼氏とか言う誤解はされていないかなあ・・・・。

「都さん、タヌキ二匹って、どうするんですか・・?」
尋ねる佐倉
「そうねえ・・・、一応、考えてはみたんだけど・・・・」
途方にくれている都。

私、A子。学力・頭脳・全てに秀でた美少女よ。男なんか、よりどりみどり(はあと)、とタヌキを連れた美少女。でも、あの人は・・・、他の人と違う気がする・・・、でも・・・、なんで・・・?


(タヌキを連れているからではないでしょうか・・・・)
と身もフタもないツッコミを入れる佐倉。

この私が「一緒にお昼どう?」って、誘ってるのよといって、大人しくついて来なさいよというA子。

は?何様だよ、お前と少年。

その傍らで見詰め合う二匹のタヌキ。

どうして、素直になれないの・・・!? と後悔するA子の傍らでラブレターを描くタヌキ。

彼女できたんだ、という少年の言葉にショックを受けるA子。
ラブレターを渡すタヌキ。

次こそは私・・・、幸せになってやるんだから・・・っ!!! とA子

その傍らでカップル成立のタヌキ2匹


マスコットの分際で出し抜きやがった・・・・!!!

と突っ込みを入れざるをえない佐倉。

まあ、世の中には、恋人出来たのがキント雲だけという西遊記ものもあるからなあ・・・。

「バッドエンドの後味の悪さを緩和してみたのだけど・・・」
と都。

中途半端に後味の悪さを緩和されるなら、バッドエンドのほうがマシという場合もあるし、中途半端な救い、それもタヌキだけがくっつくって、A子から、たまったもんじゃないだろ(汗

「いや・・・、タヌキだけ成功するのはちょっと・・・・」
せめて、平等に、と待ったをかける佐倉。

ウサギの面をかぶった女をあばさせて、オチをつければ、丸く収まるんじゃないか

それはさておき、親指からロマンスでも、山茶花高校の生徒会長がこんな感じのキャラだったっけなあ。マッサージ部の部長の取り巻きとくっついたけど。

「そうかぁー、じゃあ、こういうのはどうかしら?」

少年と少女、その連れのタヌキ2匹の中身が入れ替わってしまう。

「へー、これがスカートかよ」
女の子と入れ替わった男の子。
「やだー、胸がなくて、軽ーい」
男の子と入れ替わる女の子。

どうしよう・・・・・と途方にくれるタヌキ。

「なんで、タヌキの方が深刻そうなの!!?」
見た目かわんねーよ!!!と突っ込みを入れる佐倉。

「都さんって、ものすごく素直ですよね・・・」
大丈夫なんですか? と心配する野崎。

ジャンルが豊富っていうのも、この性格が関係してるんだろうなあ。作者の自己主張がヘタに強すぎると、逆に台無しになるケースもあるし。
自己主張だけが強くて、読者のこと完全に置き去りにする作り手というのも、商業作品の作家としてはアウトだと思うし。
しかし、デリカシーゼロで、何でもかんでもトライ&エラーで挑戦してみる野崎も都のことを心配できる立場じゃないと思うけど・・・・。



「わっ、私だって、ちゃんと戦うときは戦ってますよ!!」
と言い返す都。

「この前も・・・、

「なんか、「ぎゅっと抱きしめて」ってタイトルつまんないですね。たぬ☆ぽんにしましょう」と言い出す前野。

明らかに趣味丸出しでいってるだろ、それ。

まあ、世の中には、女性作家にツンデレ巨乳を描いてくれと、自分の趣味丸出しの注文を、さも、一般読者の要求のように出す編集も存在するから趣味丸出しでも前野レベルだったら、マダマシかもしれない。

えっ!!?と驚く都。

・・・って言われたので、がんばって、意見しました!!!」
がんばった!!!と言い張る都。

都からすれば、がんばった方じゃないか、と思うが。

「・・・それで勝てたんですか?」
と尋ねる野崎に、ハイとうなずいて、
「サブタイトルとして、採用されました!!」
胸を張る都。

たぬ☆ぽん ぎゅっと抱きしめてというタイトルに負けてんじゃねぇか!!!と突っ込みを入れる佐倉。

いや、どういう形でアレ、自己主張強すぎるやつにアイディア通すって、たいしたもんだと思うけど。
都って、綾芽系なわけね。

「そういえば、野崎くんはこういうことなかったよね?」
話を振る佐倉に、
「いや・・、俺もあったぞ」
新人の時、という野崎の言葉に、
「えっ!?」
驚く佐倉。


次の題名は「ふるえる鼓動でお願いします、と電話越しに言う野崎。
ハーイ、ふるえるコドーですねとうなずいてから、
「ふるえるは・・、もっとかわいくふるふるにしちゃおー、あとは「コドー」・・・、ん? コドー? コードー? コードーってなんだ? と後になって、首をかしげる前野。

そして、雑誌に載ったのがコレだ、と
ゆるゆる近藤というタイトルの作品を見せる野崎。

跡形もない!!! と叫ぶ佐倉。

新人のころだから、前野の性格、よくわかってなかったわけね。

「あれも一応、誤植というヤツだったんだろうか・・」
遠い目で見上げる野崎。

前野性格という気がするが。

あー、と
「誤植はよくあるわよねー」
うなずく都。

「み・・、都さんも!?」
驚く佐倉。
「私の場合だと、沽券が股間になっていたり」

そうね、あなたの股間に関わるものという女の子。

女の子に何言わせてるんだと突っ込む佐倉。
「シックスセンスがセックスセンスになっていたり」

オレの第六感(セックスセンス)が働いたってことさ!というメガネの少年の言葉に、セックスセンスだと・・・・!? とおどろく敵。

前野のせいですね、わかります。

「あと、題名の事情が情事に」

大塚くんの情事

なんで全部エロネタなんだよ!!! とつっこむ佐倉。

でも、美川べるのさん曰く、少女マンガ家って、意外と下ネタくいつきが良いという話だからなあ。

「たまには怒って下さい、本当に怒って下さい!!!」
怒ってもいい人が怒ってくれないと、新人さんとか困ります!! と野崎。

作家の性格によっちゃ、血を見てもおかしくはないよな。ただ、世の中には、怒る限界値が高いのか、それとも、綾芽みたいな人生送ってきたのか?

まあ、怒りの限界地が高いから、前のみたいなタイプと組むことになってるのかもしれないが・・・・・。
しかし、実体験かな?

「わ・・・、わかったわ、バシっと言ってみます!」
と電話を取り、
「あのっ、前野さんっ。題名が間違っていたのですけど・・・・・!!」
しっかりしてください!!!という都に、
「えっ、すみません。今回はボクの前面的なミスです!! 言い訳はしません! ・・・しませんけど、・・・都センセーノマンガって、漢字多すぎませんか?」
と言い出す前野。

え・・・? と戸惑う都。

「もっとわかりやすい言葉使うとか、フリ仮名ふるとかしてもらわないとこっちだて困るんですよ。ですから、謝ってください」
といいくるめ、ご・・・、ごめんなさいとおろおろする都。

なんで、都さんが謝ってんの・・・!? と納得がいかない野崎と佐倉。

前野がモノ知らずっぽいのは確かなんだけど、どんな人間が読んでも、内容わかるように描かないといけない側面があるのも確かとはいえ、それで前野の言動がすべて、許容されるわけじゃあないからなあ。訴訟起こした某漫画家のように、堪忍袋の緒が切れて、人気作家に出て行かれてしまうことだってあるわけだし。

どっちに非があろうと、人気作家に出て行かれてしまう時点で、引き止められない編集部のほうが悪いとしかいえないだろ、あれは。

想像力が前野レベルでも人格的に好感をもてる相手だっているけど、そういう相手にはなかなかめぐり合えなかったりする。

理屈の上では、前野みたいなレベルの想像力でも分かる作品を作るってのも、大切なことだけど、前のみたいなタイプが目の前にいたら、その理屈が吹っ飛ぶというのも確かなんだよなあ・・・。

「こうなったら、セリフニ文句でも仕込んでみましょうよ」
少しスッキリしますよという野崎。
「セリフに? どうやって?」
ぴんとこない都。
「こう・・・、普通に原稿を描いて、でも、キャラクターのセリフの頭文字をつなげると・・・、「担当変えて」になる」
手本を示す野崎。

なるほど!!!とうなずいて、

セリフの頭文字がたぬきがいっぱいとかく都に、
「都さん!!! 文句になってない!!!」
それ、ただの事実!!!と突っ込む野崎。

「逆にやりすぎなくらい、タヌキプッシュしてみるのはどうですか?」
提案する野崎。
「あっ、なるほど!! 少し冷静になるかも!!」
逆転の発想だね!! という佐倉。

やってみましょう!と都。

俺はたぬきだポン・・・というたぬきの着ぐるみを着た男。

ひどい!!! これはない!!! 送っちゃいましょう!!! とバカ笑いする野崎たち。

しかし、これで、ヘタに受けて、人気が高くなったら、担当替えてもらうのがますますムリにならないか?

素人考え的に、やりすぎなアイディアのつもりかもしれないけど、そういう場合のやりすぎは、旗から見ると、やりすぎどころか、全然、やりすぎには程遠いというレベルで、安全圏内でちょろちょろやっているのが実際のところなんだよなあ。
ちょこんと、刃物で指を傷つけて、ちょろっと血が出たレベルで、大体、主人公を甘やかしているとか言われる作品で、主人公を大変な目に合わせたとかいっても、このレベルの域を出ないのがほとんどだし、主人公を痛い目にあわせても、主人公を痛い目に合わせれば、それで良いだろうとか、機微をわかていない、痛い目の合わせ方しかしない場合がほとんどだからなあ。
やりすぎよりも、こころもち、ひとつふたつくらいのほうがやりすぎになる場合が多かったりする。

「めちゃくちゃ可愛いじゃないですか!! 僕 今までのヒーローの中で一番好きです!!!」
ノリ気の前野。

冷静になった・・・・。

都センセーと呼んで来る携帯の前で、正座して、我に返る野崎たち。

イヤイヤイヤ、自分の趣味で作家にタヌキを必ず描かせるヤツがタヌキの着ぐるみ着たキャラくらいでドン引きしないから、というか、着ぐるみ着せるとか、二次創作とかではよく使われる手法だから、むしろ、アリガチに見られる危険性が出てくるくらいだし。

自分の感覚と、他者の感覚との違いを考慮しないで、自分の尺度でやりすぎと思っていることが他人から見ると、全然やりすぎじゃないとかいうのも、全然珍しい話じゃなく、その逆もありえる話なんだけどね。

これが市場に出した作品で、とり返しのつかない状況になるよりかはマシかもしれないけど、

前野の喜びようからして、下手すれば、編集部のブログ(実質、前野のブログと化している)にアップしかねないのじゃないか?

「少女マンガの読者の一人として、いわせてもらいますけど、こんなヒーロー見たくないです!」
かっこ良さひとつもない!!! となみだ目で訴える佐倉。

「そうね・・・、このビジュアルだと、着ぐるみが似合ってないわよね・・・。キャラも練り直しましょう」
と真顔で言う都。

「キャラを変えるの!!?」
着ぐるみ脱げよ!!!と突っ込みを入れる佐倉。
「もっと、地味でタヌキが似合うような・・・」
都が考え出したキャラが・・・、

NEWヒーロー たぬき君

目つき鋭く地味顔
感情うすい
インドア
趣味はゲートボール
決め言葉は俺と一緒にしっぽのブラッシングをしようポン

「私も、今までで一番好きです!!」
このヒーローとガシっと都の手を組む佐倉。

佐倉!!? と驚く野崎。

(わかってはいたけど)そういうタイプが好みな訳ね・・・・。
野崎は当然、それに気がつかないから、それが一般的な読者の反応だと思ってしまう。

これが結月だったら、ここまで驚かないはず。

ただ、偶然、佐倉の好みにストライクなたぬき君を描いたのじゃなくて、何度かあっていて、おまけに、野崎とよく一緒にいるわけだし、野崎みたいなのが好みとかいうのは、推測ついている可能性は高いと思うので、佐倉を納得させるために、佐倉の好みそうなたぬきの着ぐるみ男をデザインしたとかいわれても、驚かないけど。

まあ、野崎っぽいデザインのキャラがこの手の着ぐるみ男の設定と相性が良いのも確かだが。

まあ、花とゆめ的には、着ぐるみキャラでお迎えですのナベシマをかかすわけにはいかないが、ほかに着ぐるみキャラというと、ぽにぽにの芹沢茜、つくしまっすぐライフの栗ヶ沢麗羅のところの警備員とか、アクエリオンEVOLのユノハも有る意味着ぐるみキャラだしなあ。
だぶるじぇいもはいるか。
電波女と青春男のコスプレ前川さんとかもそうだし、遠藤淑子さんの退引町シリーズに出てくる作家森胆石とか、フルメタルパニックのボン太くんなんかも欠かせないし、宙のまにまにのヒロイン?の美星も着ぐるみ着ていたことが有るし、アリアンロッドサガのアルも犬の着ぐるみ着せられた事あったからなあ。
ギャラクシーエンジェルのミントブラマンシュとか、銀魂のエリザベスもそうだし、二次創作の怪獣マヤも結構有名だなあ。どっかの大金持ちの遊園地の職員とか、X親分第二部にでてきたかぶりものとか、無敵看板娘の青鮫とか、ニセイカ娘も、このカテゴリーに入るかな?
きるみんずぅって作品もあったけど、あれを着ぐるみというには厳しいものがあるし。
けいおんでも部員獲得のために着ぐるみきていたことがあって、あまつさえ、それが商品化したことがあったっけ。
ハルヒでも、エンドレスエイトで着ぐるみ着た事あったっけ。
エレメンタルジェレイドのシスカもインパクトは強いな。
仮面ライダー龍騎では、真司が編集部を乗っ取られて、弱みを握られて、着ぐるみを着たこともあったし、同じ頃に、松田悟さんが関西ローカルで着ぐるみ着たことがあったっけ。
暗闇の中にヤギをさがして、の風子とか、
あ~るでも春高の光画部のOBが着ぐるみを着ていた面子が何人かいたりするし、金色のガッシュのダルタニアン教授とか、それに比べれば、普通の部類に入るバニキスギーゴーとか、今週のヤングジャンプだと、そのままズバリ、着ぐるみを着て戦う話とかをやってたし、フォンヴォルテール卿グウェンダルも番外編で着ぐるみ来てたな(ユウリ)の夢の中だけど。
コードギアスのミレイも条件に当てはまるか。ペルソナ4のクマも途中から、中身ができちゃったから着ぐるみといえなくもないか。
セイバーライオンは獣という設定らしいから、微妙っぽいか。バトスピ仙人とかもあるし、カードゲームをいれると、結構、数が多くなりそうだ。

着ぐるみキャラというと、怪獣マヤのようなイメージもたれることがおおいけど、職業で着ぐるみ来ているとか、趣味でも一家言あるタイプもいるから、意外と、着ぐるみ着てかっこいいヒーロ-役やるのって、結構おおいんじゃないか?


ダルアニアン教授とかは、アニメで、教授メインでオリジナル話を作ったこともあったし。

中高生の感覚じゃなくても着ぐるみ=ギャグとかイロモノのイメージが強いけど、コスプレと大差ないのに、あっちはポリシーみたいなものを強調できるのに、という気はするが、描きようというか、腕の見せ所で、カッコいいヒーローとして描くのは可能、というより、それをカッコよく見せる技量があってこそ、プロの作家だという気がするし、椿作品は親指はマッサージが題材だし、俺様は埼玉を統一したスケバンの主人公が喧嘩の最中に警察に捕まって、結果退学。
金さえ払えば、入れてくれる学校に転校して、かつての番長で幼馴染の教師に再会、巻き込まれて、理事長とのかけで学校再建に乗り出すことに・・・・、

て、いつの時代だ、と突っ込みいれたくなる内容のストーリーだからなあ。

新作を手がけるに当たって、そうだいなおはなしから、紆余曲折の結果、俺様のストーリーになったけど、それでもよくオーケイでたなあ。
ああ、いとしの番長さまがLALADXだったけど、あれだって、基本は、ゴク普通の女の子が番長に祭り上げられちゃお話だし、オコジョ番長は自称不良の愛玩動物だから(それでもアニメ版の50話のラストは良かったけど)、生粋のヤンキーというかスケ番がケンカで退学になって、転校してきたなんてシチュエーションは、いまどき、少女マンガではそうそうないだろうし。

まあ、北斗の拳を少女マンガでやらかした作家とはいえ、このストーリーで、オーケイと判断するのって、ある意味、スゴイと思うのだが。

椿作品自体、題材を面白く見せるのが描き手の腕の見せ所というのを見事に体現している側面はあるのだよなあ・・・・。

ある意味、野崎くんは、一番、オーソドックスな題材だったりするし。

そういえば、真冬のウサちゃんマンや夏男のコスプレで正体隠していたけど、着ぐるみを着て、正体かくして、暴れまわるとかいうのはやっていないよなあ・・・・。10巻で、忍者に巻き込まれて、着ぐるみ着たことはあったけど、ちょっとだけだったし、しかも顔を出すタイプだからなあ。
実際、着ぐるみ着て、喧嘩するのって、難しいだろうけど。マンガだったら、着ぐるみ着て、暴れまわるとかいうファンタジーはアリなんじゃないか、と思うのだけど、

着ぐるみ着た鷹臣が暴れて、一件落着(?)になっちゃうからNGなんだろうなあ。

「都さん見ちゃうと、確かに今は幸せかもだね」
という佐倉の言葉に、
「ああ、俺は今、幸せだな」
とうなずく野崎。
「それじゃあ、おじゃましましたー」
と帰っていく佐倉。

「うん、オレのマンガは普通でよかった。タヌキもいないし・・・、着くるみも着てないし・・・」
己にいい聞かせるようにいう野崎。

宮前さーん、夢野先生からお電話でーすという編集部の人間。

ハイ、宮前ですが、と電話に出た剣に、
「剣さん・・、俺のマンガ、面白みに欠けますかね・・・、鈴木にも何か、一発芸とかやらせた方が・・・・」
不安にかられる野崎。

何と張り合ってんだよ、一体と剣のツッコミが炸裂する。

たぬきの着ぐるみ来た男が妙にウケが良かったりするから、自分の感覚が変なんじゃないか、という不安に駆られているってわけか。
心配するまでもなく、野崎の感覚はズレてるのだけど、それを読者の感覚とスリあわせようと暗中模索するから、面白い作品が出来ているのだと思うからなあ。

そもそも、作家ごとに求められてるものが違うんだが、自分の周りがたぬきの着ぐるみ男で盛り上がっていて、自分がそれにイマイチ乗れない、その理由がわからないで取り残された気分になってしまうというのは、漫画に限らずに多様なことはいくらでもある。
それにのっかったら、アウトだから、安易に乗っちゃいけないんだけどね。

しかし、都もヘタしたら、当分、前野と組まされるんじゃないか? 前野の注文こなしても、それで力尽きる人の方がおおいだろうし。
前野の注文こなしつつ、面白い作品描けるなら、担当そのままにしようって判断が働くんじゃないのか(汗)?

編集部ブログは実質前野の個人ブログと化していて、それをチェックしている読者には前野の人なりが嫌でもわかるはず。その前野の注文をこなしつつ、見れる作品を描いているって、すごいと思われるだけならまだしも、相性いいんじゃない? とか思われても不思議じゃないはず。
ヘタすれば、前野と都ゆかりは名コンビみたいなイメージがファンの間で広まってるんじゃね?とか、タヌキがなければ、都作品は物足りないとかいう印象もたれてしまってるのじゃないか? とさえ思えてしまう。

前野関係のネタって、個人的経験が入っている可能性高そうだけど、親指のクライマックスの本来の構想(二巻でフェードアウトした清香が絡んでくるとか)とか、俺様ティーチャーに決定したいきさつとかを見ていると、椿いずみさんって、壮大なお話をやりたがって、大やけどするタイプという印象を抱かざるを得ないので(それで迷走した作家何人も見てるから)、編集の方も大変そうだなというイメージを抱いてしまうので、編集さんの誘導がうまかったんじゃないか? と思えてしまうんだけど、前野みたいな性格でそういう誘導していたのなら、素直にそれ納得しろって言うのも難しいかもなあ。
[PR]
by kwanp | 2012-07-27 23:40 | コミックス
<< バイオマン 第20話 感想 バイオマン 第19話 感想 >>