己の信じる道を進むのみ

今週の武装錬金、やはり、身代わりになって、シルバースキンリバースを着る、という戦法に出ましたが、そんな些細なことはさておき(おくな)、

斗貴子さんは、シルバースキン破りの秘策として、ヴィクター化によるダブルランス攻撃を提案しますが、カズキは、それを一蹴。

御前様が、剛太が、斗貴子さんが、覚悟をきめて、カズキに決意を促しても、カズキは、首を横に振ります。

そりゃそうです。

カズキにとっては、体は化け物になっても、心は人間のまま、いや、他人を守ろうと、戦おうとする信念と、それを形作る、馬鹿で、お人よしで、困っている人や苦しんでいる人を見過ごせなくて、体が勝手に動き出してしまう、武藤カズキという人間のパーソナリティだけは、誰にも譲るわけには行かないのです。

確かに、今のブラボーには、カズキは勝てないかもしれません。それでも、一度、ヴィクター化して勝利をえてしまえば、これまで、頑として、守ってきたその信念は崩れてしまう、意味のないものになってしまう。

もっと、直接的にいうと、

武藤カズキは、心までばけものになってしまうのです!!

ただ、勝てばいいのであれば、カズキは、それをとっくの昔にやってるはずです。しかし、それをやらないのは、己がどういう理由で戦っているか、よく知っているから、大事な仲間や、彼らガ住んでいる町の平和を守るために、カズキは勝たねばなりません。ですが、それは、問答無用の破壊によって、築き上げられた屍の上の楽園であってはいけないのです。
確かに戦うことによって、己の手は血塗られる。だが、勝つために、何かを守るために、何をやってもいいのであれば、それはホムンクルスとなんら変わりはありません。そして、勝つために何をやってもいいのであれば、歯止めが利かなくなって、最後には、人として大事な一線をも平気で、飛び越えて、守ろうとしたものまで、己の刃で、傷つけてしまいかねないのです。だからこそ、戦う力を振るうものが、大事な者を守るためには、己を律する掟が必要なのです。そして、それを守るからこそ、素の戦士は己でいられるのです。

そして、御前様が、剛太が、斗貴子さんが気にするな、といったって、それをやるわけには行きません。

守るべきものの範疇には彼女らだって入っているのです。それを一時の勝利のために傷つけるのは、カズキ自身の掟がそれを許しません。

人間・武藤カズキが、どんどんヴィクターⅢに変わっていくのを一番、自覚しているのは、当然のことながら、カズキ本人です。そして、それがどういうものかわかっているからこそ、、それを何とかしようと、逃避行を続けているわけですし、体の全てがヴィクターⅢになったら、命を食らい尽くす化け物になろうとしている中、カズキの信じるものや、武藤カズキという人格を形成している内面的なもの、すべてが、武藤カズキが武藤カズキであり続けるすべてであり、それをなくしてしまったら、彼が存在する意味、そのものも、消失してしまうのです。

ヴィクター化&ダブルランスで、ブラボ―を破るというのはそういう意味を持っているのです。

前回、ブラボー二勝てなかったのは、シルバースキンリバースのためでも、実力差でもなく、無我夢中でヴィクター化してしまったからかもしれませんし、それでブラボーに勝ってしまっていたら、彼は後戻りできない道を進むことになっていたかもしれません。すべては、仮定に過ぎませんが、そんな気がするのです・・・・。

だからこそ、全てを捨てて、カズキとともにあると誓って、付いてきてくれた斗貴子さんのためにも、大事なものたちを、その人たちが住む場所を、それがある世界を守ろうと戦う武藤カズキのまま、勝たねばならないのです。けっして、心まで、全ての命を食らい尽くすヴィクターⅢで、かってはいけないのです。

ですが、それでも、ブラボーは、カズキを倒すのを諦めません。一人でも多くの命を救うために、彼は、カズキを倒す。これもまた、ブラボーが、彼自身に課した掟だからです。

そして、カズキを倒し、ヴィクターを倒した後、部下殺しの責を背負って、自らの命を絶つというのです。

ブラボーは、まじめな人間です。おそらくは、彼が戦ってきた中で、守りきれなかった命、ともに戦いながらも、敵の刃に倒れ、去っていったものたちの命、その全てを、十字架として、彼は背負って、その重みをかみ締めながら、一歩一歩、進んできたのだと思われます。
そして、おそらくはもう、ブラボーが、彼一人で十字架を背負うのも、いっぱいいっぱいなのでしょう。そこへ、一人でも多くの命を守るため、とはいえ、己の大事な部下を殺さねばならないのです。かつて、

「おれはもう、ブラボーな部下たちを一人でも死なせはしない!!」

といってた彼が、です。たとえ、カズキを倒し、ヴィクターを倒せたとしても、そんなもの、平気であるわけがありません。
そして、おそらくは、彼一人では、これまでの十字架の重みには耐えれなくなっているのだと思いますが、素の重みを知ってるからこそ、そんなものは他人に、背負わせたくはない、こんな思いを知るのは、自分だけで十分だ、と一人で背負おうとするのだと、思うのです。

失ったものの重さを知っているからこそ、それを大事に思うからこそ、カズキの決意を聞かされたからといって、多くの人たちが、犠牲になるかもしれない可能性を見過ごすわけにはいかないのです。

とはいえ、時間は短かったとはいえ、大事な部下の命を、自分の手で殺めなければ、いけないという十字架を背負ったら、その重みで彼は、もう進めないかもしれない。

だからこそ、最後に自分の命で、全てを終わりにするつもりなのかもしれません。

しかし、カズキもブラボーも逝くのは、まだ早すぎます。戦いに身をおくものならば、彼らが背負っている重みの大切さを知り、そして、それでもなお、何かを守るために、前へ進むということがどれだけ大事か、それを知っているものこそが、いき続け、戦い続け、それを後に続くものたちに、身を持って教えないといけないと思うのです。

それゆえに、カズキは勝たねばならないのです。武藤カズキのまま、ブラボーに勝って、生きて戦え、と。そして、ヴィクター化をどうにかし、己が己であるために、大事なものを守るために、戦うためにも。この戦いでブラボーがかっても、何一つ、救われないのです。

だからこそ、カズキは勝って、ブラボーが再び立ち上がるために手を差し伸べて、起き上がる手助けをしなければ、いけないと思うのです。

そして、

本当に己の信念を通そうと生きる者なら、己の信念も最善の結果も、すべて、己の手元に引き寄せて、どうにかしてしまうものなのだと、思いますし、今回は、ぜひともそうなって欲しいものだと、思わずにはいられません・・・・・。
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by kwanp | 2005-02-07 12:16 | コミックス
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