今週の武装錬金

ついに、ブラボー対カズキ、決着のときです。まあ、結論から言うと、己の負けを認め、一樹が元に戻る可能性に彼も賭ける事になったのですが、カズキの最後の一撃で、横っ面を思いっきり叩かれたのではなかったかと思うのです。これまで、再三、書いてたように、彼、防人護は、昔はもうちょっと、カズキ寄りの人間で、カズキの様に、僅かな可能性にかけた行動によって、七年前の犠牲を出してしまった。

その過去から、彼は戦うスタイルを変えてしまった。

しかし、経験による学習によって、慎重なやり方を身に付けるというのではなく、おそらくは、極端な反動で、そのやり方を己のものにしたのだと思われますので、結局、それは不自然な状態なわけです。
人間なんて、20数年間培ってきた息方をばっさり切り捨てるなんてことは出来ないわけですし、そんなことをしたって、全力疾走で生きてきた人間が、一歩一歩、スローペースで歩き続けたままでい続けられるというのは、無理な相談です。

それは何故か?

自分のやり方では、より多くの人たちの命を守れなかった。また、同じ過ちを犯すわけには行かない。よって、より確実に、より、多くの人間を守れるやり方を選ぶ。

人間・防人護ならば、また、同じ過ちを犯す恐れがある。だからこそ、その名前を、その名前の人間が、生まれてから、今までの人生で得てきた生き方、そして、それによって、得た信条、戦い方、を名前とともに捨てて、常に、より多くの人間を救うためにブラボーな道を選び続ける戦士ブラボーとなる(キャプテンは戦士長に昇格した時につけたものだと思われる)。

それは生まれ変わったように見えても、結局は、人間防人護という人間を殻で覆い尽くし、その失踪を妨げるための空でしかありません。もっとも、これまた、再三言ってたように、彼をこういう風にしてしまったのは、戦いの中で、ホムンクルス仁食われた一般の人たちの命、そして、ともに戦い、その中で倒れていった人たちの命だと思われます。

確かに、少ない可能性にかけて、なおかつ、より多くの命を救えるとしたら、これほど、すばらしいことはありません。しかし、現実はそんなに甘くなく、一歩間違えれば、より多くの命が失われることもしばしばなのも確か。

だからこそ、シルバースキンに身を包み、己の名を捨て、非情に徹し、その果てに、己が育てた若き戦士すら、おのが手にかけようとした。

しかし、己の体を極限まで鍛え上げ、陽の当たる場所で、怪物を倒したことによって、人々から賞賛されることもなしに、怪物から人々を守り続ける。戦うことに快楽を見出さない限り、何かしら、ホムンクルスを憎むような理由があったりデモしない限り、そういった行動を、一生涯繰り返し続ける、その行動の原点は、人を守るため。

まあ、言ってみれば、大ばか者の行動ですな(ほめ言葉)。

そして、防人護はその中でも、筋金入りの大ばか者。おそらくはそういう生き方しか出来ないはずです。

そんな男が、過去の過ちが理由とはいえ、意に添わぬ生き方を続け、己の手を血で染め上げた挙句、最愛の教え子を、そうせねばならないという理由があるとはいえ、手にかける。

大ばか者が、己の生き方を無理やり切り捨てて、利口な生き方を一足飛びに身に付けて、それを七年間続けてきた。少し考えただけでも、この生き方が、どれだけ、大変かは、想像に難くありません。

おそらく、彼の心は限界だったのではないか? そして、全てを精算させるというよりかは、解放のために、己の命に終止符を打つのではなかったか? と思うのだ。

こういう場合、生きて責任をとるのが筋で、ある程度、割り切った方が、いいのかもしれない。
だが、彼は多分、まじめすぎたのだろう、良くも悪くも。

だから、一人で、何もかも背負い込んで、犠牲になった命にも、真正面から、どっぷりと目をそむけずに、向き合い続けたのだと思う。つまりは、過去の方を向いて、生きてきたわけで、命の重みを知って、まじめに向かい合おうとする人間が、はまりやすい、落とし穴だと思うのですよ。

そして、本来、防人護も、現在と未来を切り開くために、生きてきた人間のはずだと思いますから、それは不自然な状態が長く続いているわけです。

対してカズキは、現在と未来を生きようと必死で、前を進んでいきます。そして、その前に立ちはだかろうとする、ブラボ―をそのために、乗り越えようとするわけです。過去を向いて、立ち止まっているブラボーが、いつまでも優位に立てる相手ではありません。

最後まで生きることを諦めなかったカズキの懇親の一撃が、ずっと、らしくない生き方をしていた、ブラボーの横っ面を叩いて、人間・防人護の目を覚まさしたのではないかと思います。

まあ、作者の和月氏も言ってたように、ブラボーはカズキが超えなければいけない相手。それをなしてしまえば、その先に待っているのは別れだと思ってましたが、それはとんでもない間違いだったと、気がつきました。

過去を向いたままだとは言え、彼は苦い過去を知っている。そして、それを二度と誰に味合わせたくないと思っているわけで、つまりは防人護の生き方、カズキと同じ、現在と未来への道を切り開くために、前に進む生き方を貫き、なおかつ、より多くの命を助ける。
彼が過去に失われた命の責任をとるのには、そのやり方が、適していると、私は思いますから。
そして、自分が躓いて、立ち上がった人間だから、カズキ達に、同じ過ちに陥らないように、その助けができるわけで、別れるには、逝くには、まだまだ、早すぎるわけで、むしろ、これから、といえるでしょう。

そして、防人護の名を取り戻したであろう彼の前には、おそらくは、七年前の一件で、剛速球のストレートから、変化球を投げる男へと変貌を遂げた火渡が立ちはだかります。

おそらく、来週は、カズキたちを先に行かせて、復活の大ばか者、つまりはブラボーと火渡の一対一のバトルになるのではないでしょうか?

「不条理に対抗するには同じ不条理しかない」と言った彼の信条も、おそらくは七年前の一件が大きく影響しているわけで、そのやり方は、対処療法の域を出てません。不条理に対して、力のある常識と言うか正論で、真っ向からぶつかって、その不条理を砕くこともできるわけで、かつての経験から、火渡は、からめ手には、からめ手で対抗するようになっていったのだと思われます。防人ほどではないにしても、気にならないわけが無いのでしょう、彼らが負った過去の傷は。
だとしたら、かつての仲間として、(意図しているか、していないかはともかくとして、)カズキが自分にしたのと同じようにブラボーが、火渡の横っ面を叩こうとする可能性が強いわけで、カズキたちを先に行かせて、防人対火渡、そして、火渡にやられそうな防人、そこへ、防人のことが気になって戻ってきたカズキが、間に入って、選手交代という流れになりそうな気がしますが、どうなることやら。
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by kwanp | 2005-02-21 18:30 | コミックス
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