少女マンガの描き方37

学校帰りに野崎の家に寄った。

野崎ー、おーい、野崎ー?
ピンポーン、ピンポーンと呼び鈴を鳴らす御子柴。しかし、返事は返ってこない。

兄さんなら、まだ帰ってきてませんよ。一時間待ってますけど、
と家の前で待っていた真由が声をかける。

うおっ!!! いたのかよ、弟!!!と驚く御子柴。

っつーか、よくこんな所で待ってられたな。今日もあっちーぜと御子柴。
・・・ここに来るまでに、20分電車に乗って、10分も歩いたんです。
このまま帰る無駄な体力を考えると、一歩も歩きたくない!!!と力説する真由に、
お前は根性あるのか、ねぇのか、どっちなんだよと突っ込みを入れてから、しかし、このまま、放っておいて倒れられても困るな、と真由の隣に座って、考える御子柴。

まあ、最近の猛暑とかなら、無駄足だったとしても、すぐ帰る気にならないというのはわからなくもないか・・。

何かに気がつく真由。


そうだ、この状況で、真由(こいつ)が頼れるのは俺だけ・・・。

ゆかりに声をかける真由。

年上として、俺が何とかしてやらねえとな、
と御子柴。

ゆかりと話す真由。

実琴さん、麦茶と緑茶、どっちがいいですか?とゆかりの部屋で御子柴に尋ねる真由。

・・・・・・麦茶、とどこか納得のいかない表情で答える御子柴。

なんとかして、やらねば、と意気込んでいる横で、あっさりと近所の顔見知りの家に転がり込んで、あっさりと問題解決しちゃってるわけだから、納得いかないのは無理もないか・・・。
兄の住んでいるマンション内に住んでいる近所なのは間違いないし、作中ではそういう描写もないけど、兄のご近所ということで、顔くらいあわせたこともあったでしょうから、顔見知りでも不思議じゃない。
まあ、後のページで御子柴とも作中では顔をあわせた描写はないけど、野崎と仲がいいわけだし、顔合わせたことはあるだろうから、顔見知りでもおかしくはないでしょうけど。

まあ、顔見知りでも、兄から話を聞いただけでも、同じマンションに住んでいる女性の漫画家と仲がいいということは知っててもおかしくないんだし、兄が不在なんだから、兄のご近所さんに兄がどこに行ったか、知らないか、レベルの話はするだろうし。
そのやり取り聞いていれば、お兄さんが戻ってくるまで、うちでゆっくりしていったら?くらいのことはいうだろうしなあ。


す・・・・、すいません、お邪魔しちゃって・・・、とびくびくした態度の御子柴。
いいえ、と答えながら、
御子柴くん、もう何回も会うのに、未だに慣れないなぁ、なんだかアレね、
猫みたいと、フー、
と毛を逆立てている猫を連想するゆかり。

クッションに横たわっている真由を見て、丸くなって、寝ている猫を連想するゆかり。

どっちかというと、今度アニメ化が決まった鬼灯の冷徹の鬼灯が、部下の獄卒の家(なすびの方ね)にお邪魔したときの態度を連想してしまいますね。

そういえば、真由くんは野崎くんのマンガとか読むの? とたずねるゆかり。
勿論です、ちゃんと全部覚えています、とこくりとうなずく真由。
初めて描いたマンガは・・・、女の人が出てきて、男の人が出てきて、くっつく話でした。
2作目は、
女の人と男の人がくっつく話・・・、3作目は男の人が・・、女の人とくっつく話でしたね。
どれも違っていて、とても面白かったですと真由。

汗を流して、
なんと言っていいのかわからないゆかりと、全く伝わってこねぇ
・・・・・!!!と心の中で突っ込む御子柴。

まあ、見ている、
わかってはいるけど、それを伝える術を持たない人っていうのは、確かにいますし、それを語る人の感覚とかセンスが独特すぎる場合とかは、特にねえ・・・・。

前述の鬼灯の冷徹には、白澤がライバルキャラで出てくるわけですが、万物を知る霊獣なのに、絵が壊滅的に下手、なおかつ、その壊滅的に下手な
絵が動き出すという
しゃれにならない能力の持ち主(汗)
なんてのもいますからねえ。

椿作品だと、
クライマックスでは、千愛の双子の明佳
が出張ってくる予定だったけど、2巻でフェードアウトしておいて、なぜ、今更って感じだしなあ。

まあ、それはまだかわいいほうだとしても、アニメやゲームでも、なんでそうなるとか、いいたいこと、やろうとしていることは、なんとなくこれだろうと察することはできる。
でも、ほかに伝え方なかったのかと突っ込みいれたくなるものとかありますしね。

たとえば、ガンダムAGEなどもこの典型ですよね。

っていうか、恋愛マンガ省略したら、大体一緒になっちまうだろうが!! 例えば、この都さんのマンガだってなあ、

たぬき

ゆかりのマンガを見て、思い浮かんだ特徴を口にできない御子柴。

まあ、何かの特徴とか、傾向とか、キーワードとか、アイテムでイメージできてしまう作家って、確かにいますよね。

実琴さん?と声をかける真由。

あぁっ、
いやっ!? えーっと、省略するとアレだ!! と
取り繕おうとするも、
女が・・・・、あー、女が出てきて・・・、たぬきがいた。男が・・・、うん? 男いたっけ・・・・? あっ、たぬきは
いた!! としどろもどろな御子柴。

人見知りな御子柴に、たぬき以外で、うまいこと、ゆかりのマンガを語れるようなアドリブがあるわけもなく(汗

でも、少女マンガって、思わずきゅんとくるセリフ多くて、いいですよね、としげしげと雑誌(コミックス)?を見る真由のセリフに、

!! 意外とまともな感覚あったんだな、こいつ・・・と驚愕する御子柴。

『君はなにもいしなくていいっ!! ただっ、傍にいてくれるだけで、俺は幸せなんだ・・・っ』
ヒロインに向かって叫ぶ相手役の男性。

『うふふ・・、あなたはもう、ここから
逃げられない・・・・。一生ここで過ごすのよ』
オーホホホホホホとジャマな相手を閉じ込めて、高笑いする女性。

きゅんとくる真由。

別に「養ってやる」って、言ってる訳じゃねえからな、それと突っ込みを入れる御子柴。

俺様ティーチャー7巻の「女の子泣かせる奴ぁ」「それだけで大罪だ!!!」のセリフや、「やっぱり、心残りはあちゃ
ダメだよ」
も、結構、ツボにくるセリフでしたが、こういうツボにクルというか、キュンと繰るようなセリフを初期のエピソードとかにあると、その作品を追いかける
原動力になりますからねえ。

よさそうなセリフだけ、口走らせても、それが心に残るというわけでもなく、その作品が積み重ねてきたものとかが、それをうなずかせるものだと思うので、名セリフっぽいセリフをねらっていっても、
それが必ず、キュンと来るわけじゃあないわけで。

一巻では、そういうキュンと来るセリフとか、
行動とかを見せていなくても、話を追ううちにそういう行動やセリフを
見せるキャラも出てきたりして、見る目が変わるケースもありますからねえ。

早坂VS忍者以外でも、別の作品で、「バカってすげえ」と素直に感心せざるを得なかったキャラもいますし。

少女マンガじゃないけど、見る目が変わったアニメとはいえば、勇者指令ダグオン21話、仲間が捕まって、敵はこっちの手の内を知り尽くしている。それでも助けに行こうとするゲキの「後悔しとうないんじゃ」というセリフでしたかねえ。

スーパーロボット大戦l33話のシン・アスカの
「お前は、レイ・ザ・バレル。
オレの友達だ」とかね。

話をおっていくうちにキュンと来るセリフが出てくるのはいいですが、第一話で必要以上にきゅんと来るセリフが多い場合は、逆に要注意なケースがほとんどです。

マンガにしろ、アニメにしろ、なににしろ、第一話が必要以上に面白い、魅力的なセリフが出てきている場合、後の話がそれを超えることって、ほとんどありませんから、自分的には、第一話が70点を越えたら、ヤバいと思うことにしておりますね。

それにしても、女の子の部屋なんて、初めて入ったな・・・・。同じマンガ家でも、野崎と違って、やっぱり華やかだと御子柴。

あ・・、
でも、あの本、野崎の家にもあったな。
花の図鑑、背景資料 学校編、配色ガイドブック、筋肉のしくみと書かれた本に目が行く御子柴。

1、2、
7巻の背景をかこう!というシリーズと、1、2、5巻だけのマンガのかきかた
を見て、あー、シリーズ全部そろわねえんだよなー、
とうなずく御子柴。

すげぇ・・・!!! 全部揃ってる!!! と全巻揃ってる男のヌードに驚愕する御子柴。

別に女性が男の裸を描くのにこだわってるのも、身体の動きを正確に把握するのって、どういうジャンルにおいても、決して、無関係な話ではないですし、マンガでも、上手い人のペンを描くときの身体の動かし方とか、ゆかりはファンタジーも現代も描く意欲的なタイプなので、
ファンタジーは、キャラのアクションが不可欠になりますしね。


そこは前述のキュンと来るセリフとも無関係ではないですからねえ。

ゆかりって、ファンタジーも現代もこなすって、現役女子大生って事を除けば、ハガレンの作者の荒川弘さん、そのまんまだからなあ・・・・・(同じガンガンだし)。
03年のアニメ化の際には、筋肉がちゃんとかけていれば、満足みたいなことを言ってたからなあ。

男の裸の本がしっかり揃っているというネタも、そこからか?

前野だって、サンデーで10年近く前にマンガ描いたときは、担当がいい加減だったみたいな話をしていたし、
それだって、ハガレンの焼き直しみたいな話だったけど、数年前からやっているのは農業高校の話。

しかも別の雑誌で描いている、百姓貴族というエッセイマンガをストレートに連想させる話だからなあ。

ケーキまでもらって、すみませんと恐縮する御子柴。
すみません、ゆかりさん、とケーキを食べている真由。

そういえば、荒川弘
さんの子供って、銀のさじのコミックスに小学館漫画賞のパーティで目を放した隙に、藤田氏や高橋留美子さんとか、サンデーで大御所系の作家さんたちにお世話になってたとか、語ってたような・・・・・。

ある意味、今回の真由の行動そのまんま。

いえいえ、気にしないでとゆかり。

そんな訳にはいかねえよ。そうだな・・、じゃあ、礼は体で払ってやるよ・・、という御子柴の言葉に、
えっ?と驚くゆかり。

花描くの手伝ってやるってことだよ、と原稿とペンを持ち、ドキっとしただろ?と御子柴。
ああ! そういうことね! ビックリしたーとゆかり。

花がかけらも登場しない作品だったら、どうする気だったのだろう(汗

じゃあ、俺も身体で
支払います。がばっ、とシャツを脱ぐ真由に、直球はやめろ!!!と突っ込みを入れる御子柴。

モデルの方が楽なのに・・・、と真由。
教えてやるから、大人しく手ぇ動かせ。お礼したいんだろ?と御子柴。

ベタ塗り潰しが一番簡単だな。いいか? まず周りをこう囲って・・・、その後、中身を埋める感じで・・、
と説明する御子柴。

・・・・・、と無言の真由に、どうした? 考え込んで。わかんねえ所でもあったか、と声をかける御子柴だが、どうすれば、この作業をボイコットできるのか、考えてますと真由。
もう、寝てろよ、おまえ、と御子柴。

ちょっとトイレ行くけど、何もすんなよ。真由と席を立つ御子柴。
ハイ、と真由。

しかし、少しでも目を離すと、何するかわかんねぇな、あいつ・・。都さんがしっかりしてるから、ちょっとは安心だけど・・、と手を洗う御子柴がトイレから出ると、

シャツを脱いでいる真由とそれをスケッチしているゆかり。

ごっ、ごめんなさいとばつが悪そうに謝るゆかり。
あんたもかよ!!! と突っ込みを入れる御子柴。

まぁ、都さんがいいなら、別に止めはしませんけど・・、と作業に戻る御子柴。
あっ、すごーい!!! お花本当に上手なんだね、御子柴くんとゆかり。
!! まっ、まぁ、
細かい作業は嫌いじゃないんで、とテレながらいう御子柴。

クッションに寝そべっている真由をスケッチするゆかり。

あっ、じゃあ、次の表紙も・・・!! そう!
 そのポーズで!!! わー、いいねいいね!! というゆかり。

なんだろう・・・、すごく納得いかねえ・・・・。
釈然としない御子柴。

需要と供給があってるとはいえ、作業めんどうくさいとかいう真由のようなタイプは、おとなしく人の好意をうけていればいいというか、こういうタイプが下手に恩返ししようとすると裏目に出ることって少なくないから、ムリに恩返しさせることはないとは思いますからねえ。

適材適所という意味では、前回の野崎とついになっているのかもしれませんが、野崎の場合は、わからないことがあっても、それを体当たりでぶつかっていって、自分の力で知ろうとする(逆効果の場合もあるけど)わけで、それでもできない場合は、どうすれば、苦手なことに労力を使わなくて済むか、ということをやっているわけですからねえ。
それだから、嫌悪感を抱かないのだと思いますが。

真由と系統が同じであろう小鞠は黙っているという選択自体は、間違いじゃないわけですし(いくら、小動物系美少女でも、異性の身体によだれたらしまくる発言は、万人に受け入れられるわけではないし)。

そういう意味じゃ、自分じゃ何もしないくせに、
すぐ、人に頼る傾向の主人公とは違うとは思いますが。

しまった!!! 御子柴からメール
来てた!! 都さんの所にいるらしいと野崎。

わぁ、みこりん人見知りだけど、大丈夫かなあ、と佐倉。
画材のセールの紙袋を抱えて、帰途を急ぐ野崎と佐倉。

要するに、この二人、
画材店のセールで、一緒に画材を買い込んでいたということですが、よく一緒にいるのに、
この二人をカップル扱いして、騒ぐ奴は、この作品世界には、一人もいないのでしょうか?


この年頃だったら、事実はどうあれ、女の子となかよく、四六時中一緒にいるだけで、カップル扱いして、騒ぐ奴なんて、どこの学校どこの学年にもいると思うのですが。

2号の二人乗り自転車とか、結月が初登場の4号の時点で、結月からみても、佐倉とよく一緒にいると認識されているわけですし、野崎は同性からは、女子からチョコをもらってもおかしくないと思われる程度には、見た目がいいというか、モテる雰囲気を漂わせているのですから、よく、一緒にいるのを見て、カップル扱いして、大騒ぎする奴って、いてもおかしくないと思うのですが、たまにボロボロに怪我して、学校に来ることがあった(腱鞘炎や肩こりなど)から、怖がって、騒ぐ奴がいなかったということか?

この間なんか、
駅前で、一緒に買い物していたわけだからなあ。まあ、買っていたのが食べ物だったし、カップルっぽい雰囲気がたとえ、見ている側の錯覚でも、それを全然感じさせないとかいうのであれば、

あれっ? 開いている? とゆかりの家のドアを開けて入る佐倉と野崎。
ん? この靴・・、と真由のクツに気がつく野崎。

ふざけんなよ!! それなら・・・っという御子柴の声が聞こえてきて、
俺だって脱いでやるよ!!! ばっ、と服を脱いで、ほらっ、よく見やがれ・・・、といったところで、部屋に入ってくる野崎と佐倉。

我にかえる御子柴。

真由みたいな、表面上おとなしそうで、場合によっては薄幸の美男子で、そのイメージで受け入れられていて、その実態である
面倒くさがりがばれないで、まわりにいいように受け取られて、それが上手く回っているtってのも、他の人から見れば、面白くないのは無理もないけど、御子柴も、見た目とギャップが激しいけど、本人はそれを取り繕えていると思っているのかなあ? まあ、取り繕おうとして、気苦労しているとは思うけど。
そういう御子柴から見れば、地をさらして、すき放題やっていて、それを受け入れてもらっている真由の姿は
面白くないと思ってもおかしくはないか。
世話になる一方じゃ心苦しいから、手伝うことで返そうとしたら、それが面倒くさいやつがモデルになるほうが重宝がられて、
逆切れしたら、濡れ衣着せられて。
ある意味、踏んだりけったり。

まあ、御子柴も、ムリに恩を返そうとしないでもいいのでは、と思うが、人見知りの御子柴がタイミング逃したら、恩を返しそびれる可能性も高いからなあ。
[PR]
by kwanp | 2013-08-11 20:38 | コミックス
<< 燃やせ!! 太古の魂25 少女マンガの描き方 36 >>