彼らの求めるもの

俺様ティーチャー102話において、百地瑠奈から聞いた会長の話と忍者から聞いた会長の話が食い違っていた事に関して、疑問を持ち、自らの目で確かめようとする真冬。

しかし、会長が理事長に関して語ったのは、作中において、7巻で忍者にかけの真相?を語ったとき、と出会った頃くらいだが、それにしたって、すべてを語っていないのでは、という疑惑が
ついてまわる。

理由としては、既に知っていた、真冬が番長で、喧嘩が理由で、前の学校を退学になって、緑ヶ丘にやってきたことを忍者や生徒会メンバーに告げていない。

これは、そういうことを知らせておいたら、ゲームが生徒会に有利に傾くという理由から知らせなかった、という解釈も出来るので、わからなくもないが、

7巻で賭けの真相を語ったときに、

会長「だからさ、僕の父さん、元々、この学校には興味はないんだ。学校探検をしたなら、見ただろう? あの雑な学校を」

忍者「・・・・っ、雅様、知って・・・!?」

会長「そりゃそうだよ。あれは父がやったんだ。やる気がないにも程がある。なんとも杜撰な経営だね」


忍者「・・・では、この学校が5年前と違うのも・・・?」

会長「これを見てごらん」

緑ヶ丘のミニチュアを見せる。

会長「いい所だとは思わないか? 山の上に建っている学校ってさ。そして、その山全部が一つの学校のものだとしたら、一体、売ったらいくらになるんだろうね?」

忍者「は?」

会長「ボクの父はこの土地がほしかった。だから、元の理事長、佐伯先生のお祖父さんに近づいたんだ」

人のいい顔をした五条と書かれた鷹臣の祖父の人形の前に、あくどい顔をした花房とかかれた人形を置く。

会長「良い人のフリをして、少しずつ信用させて。さて、どうなったと思う?」

忍者「・・・まさか、
乗っ取ったのですか?」

会長「・・・すぐに人を信じる人間は損だよね。父がこの土地目当てに近づいたにも気付かず、うその契約書にも判を押している事
にも気付かず、家族が怪しんだ時には、この学校は既に父のもの」

忍者
「・・・しかし、それでは変です。ならば、佐伯先生と」

会長「賭けをする必要はないね。しかし、父は重大なミスを犯してしまったんだ。気付いたときにはもう遅かった。やられたんだよ。何者かに学校の金庫にあった重要なものを一晩の内に全部隠されてしまったんだ。その所為で学校の土地まで奪えなくてね。結局手に入ったのは、この学校の経営権だけだった。
これじゃあ、話にならない。でも、手放すのも惜しい。
それで今、理事長として、学校を運営しているわけだけど、当時いた教師を全員辞めさせた上、父は学校経営に関してはズブの素人。

まぁ、教育への情熱もないし、当然といえば、当然なんだけどあっという間に、今の現状だ。

どうしようか、考えあぐねていた時に、佐伯先生の登場だ。手には欲しかった土地の権利書を持ってね。

賭けをしようともちかけた佐伯先生は、3年間でケリをつけようと言い出した。

賭けたものは土地の所有権と学校の経営権、勝ったものは両方を手にする。

つまり実質、この学校を賭けた戦いだ」

ぱっと聞いた感じにはもっともらしい学校をめぐる賭けの経緯の真相を打ち明けた言葉に聞こえるが、振り返ってみると、腑に落ちない部分があちこちに見受けられる。

一つは、前にも書いたように、理事長が鷹臣に怨恨を抱いている様子がない。
人の良い爺さんをだまして、土地を巻き上げれたと思ったら、高校生の孫に寝首をかかれて、土地の権利書取れませんでした。

人をだます人間の大半は、だます相手を見下す手合いがほとんどで、そうでなかったにしても、最後の最後で、コンナ無様な醜態をさらしているわけで、自分がやっていることを棚に上げて、恥をかかされたとか逆恨みを抱いてもおかしくはないはずなのに、これまでの連載で、そういった恨みを感じさせるような描写はない。

ましてや、この話が出るまでの理事長の出番といえば、
一巻の終わりごろと、三巻で、会長と話しているシーンで、人の良い爺さんをだまして、土地を巻き上げるような
人間というには、毒気がなさ過ぎるという印象が強い。

もちろん、虫も殺さない顔をして、という手合いも居るには居るが、賭けをする相手の出した条件
にあからさまに、これでいいのか、と逆に問いただしたり、息子の前で、そんな適当では困るんだ、父さんの人生がかかってるんだよ、ということを言ったり、気弱な人間という印象でそういうことをしでかすようなエネルギーがあるようには見受けられなかったし。

おまけに、鷹臣が現れるまで、土地の権利書を手に入れようと手を尽くすようなそぶりなみせていないようだし。
華房家がどれだけの規模の家かは知らないが、その気になれば、鷹臣から、強引な手段で取り上げることも出来たはずだし、血の気の多いヤツだったら、恥をかかされた恨みを晴らそうと、行動しているはずである。

まあ、気弱な姿もすべて演技で、鷹臣がいずれ、何か行動を起こすのは目に見えているから、鷹臣の監視だけは、やっておいて、何があっても対処できるように準備を整えておけば良い、恨みはそのときに、何倍にもして返せば良いと思っていただけかもしれないが。

それに、話している最中に、善人っぽい五条、鷹臣のおじいさんの人形、いかにも、悪人っぽい会長の父親の人形を取り出して、話を進めていたり、父親が、あくどいまねをして、人の良い爺さんから、土地を騙し取ったとか、緑ヶ丘の現状が一目瞭然とはいえ、契約は成立しているわけだから、鷹臣が余計な行動をして、土地の権利まで手に入らなかったとか、取り繕いようはあったはずなのに、それをせずに、父親が人から騙し取ったことを話している。

忍者は、フェロモン体質を使わないでも、会長大好き人間で、本人も言っている様に、何を考えているのかと、会長の言葉を疑いもしないのは明らかだから、過去にあったことを、それっぽく話して、しかも、騙し取ったことを正直に話すというのは、信頼されていると思わせる手段としても、効果はあるはず。

つまり、百地瑠奈の言葉と食い違いがあったとしても、どちらかの言葉が間違いというわけではなく、大抵の人間がそうであるように、その相手に何を見せているのか、ということだと思うが。

それを確かめるために、忍者の会長語りを延々聞かされるよりかは、会長本人に当たってみようという気にはなるよね。

それに、忍者や
若菜の過去の回想では、いつも学校での出来事を語っていて、会長の家に忍者や若菜が遊びに来るというような描写は一個もない。

前作の親指では、部長の家に夏江が上がりこんでいるような描写はあったのに、会長にいたっては、妹らしき人物とのやり取りくらいで、ほかに実家ガ出てくるような描写は少ないし、理事長の出番も三巻のシーン以来ない。

会長に付き従って、海外の旅行に出かけたことはあるが、屋敷に招かれたことはないのではないか?

会長と理事長の関係を会長の口からしか
、知らないのではないか、という疑惑が出てくるが、かつての、主に忠実な忍びの役割を奈の疑いもなく果たしていた姿勢からすると、会長の言う友人関係からすれば、妙に思える部分も、何の疑いもなく、忍者は受け入れていた可能性が高い。


なにしろ、若菜が同じクラスで隣の席だった、ということすら、気が付いていないし、嫌われていたとか、思い込んでいたわけだから、忍者の口から出てきた言葉を、そのまま信用するのも、それはそれで危険のような気がするが。
会長はニンジャのことを友人と思っていたようだし、出会った状況を考えれば、本当に沿う思っている可能性は高い。

そういう相手に、プライベートで、屋敷に招いて、使用人と大差ない
態度をとられるのはつらいというのもあるのかもしれないが、見せたくない側面が、そこにあると思っていいのかも。

忍者編で、退部した後の会長や忍者の視点
から、真冬たちの行動を追いかけていたエピソードでも、忍者の罪悪感や、未練を刺激するような言動を会長があえて、とっていたようなフシもあるし。

風紀部に戻った忍者の普段の言動から、その話を聞きたくないと思わせておいて、格好の情報源から、情報を得るチャンスを活かし切れないことも、会長は計算済みなのかも、と思えてくるように、忍者や風紀部の面々の言動から、どういう行動に出るのか、をわかった上で、振舞っているようなこと路が会長にはあるようで、百地瑠奈
が真冬に言った、

「雅様のお家は、少し複雑なお家でね、ずっとご両親とは離れて育ったそうよ。だから、きっと父親に誉めて貰いたかったんじゃないかしら」

ということばも、まるっきりでたらめではないと思う。

私個人は百地瑠奈は、猛獣使いになりそこねたダメンズの可能性が高いと見ているが、すくなくとも、忍者よりかは、会長を見て、会長がどういう人間で、何を思っているのか、ということを、
自分の見聞きした情報から、分析して、理解している。

ある意味では、現時点で、忍者より会長のことを理解している可能性が高いのである。
まあ、真冬に対しても、情報操作して伝えているのは間違いないわけで、

忍者は、
付き合いは長いが、会長に関する理解は、当てにならない部分があり、会長のことを知ろうとすれば、忍者から話を聞いて、そこから、分析する必要がある。

逆に百地瑠奈は、会長に関する理解は忍者よりも深いが、当然、付き合いはないに等しく、忍者やあやべんから聞いた話を元に、どういう人間かを分析する必要がある。


真冬たちからすれば、どちらも一長一短。

直接確かめたとしても、それで真実がつかめるとは限らない(ンなことが出来るのは、よっぽど、人間真理に長けた人間か、多くの人間を見てきた人間くらい)。

真冬に見せる角度が、忍者や百地瑠奈と異なるというだけ。

何も考えずに走れという言葉もあり、漫画やアニメの場合は、往々にして、それで事態を切り開くケースが多いが、それだけだと、会長の素顔には迫れないような気がする。

とはいえ、忍者の会長語りを聞きたくないから、会長に直接会いに行ったり、生徒会メンバーに話を聞きに行ったりしているわけで、真実への大きな手がかりがあるのに、それができない、というのは、ある意味、物語を勧めていく上での基本だと思うのだが、それが出来ないという意味での説得力は申し分がないと思う。

そこから解ってくるのは、会長が、特に指示を出していないという事実。

最初は自主性に任せてやっているのか、とも思ったものの、
本当にアドバイスするべきことを知らないのではないか?と思えてきましたし。

忍者が居た中学に転校して、常識知らずな行動を繰り返し、すぐに珍獣というか危険人物扱いされていたので、フェロモン体質を抑えていたのではないか、と前に書きましたが、あれらの常識知らずの行動の数々は、

演技ではなく、完全な
素であったのではないか?と。


フェロモン体質で、多くの人間が
自分に従って、言うとおりに動いてくれるわけですから、自分が何か口にしたことを、他人が実現してくれることになりやすいわけです。

つまり、小鞠の上位互換バージョン。

そりゃ、小鞠の実態見抜いたり、「ちゃんと声ださないと本当に話せなくなっちゃうからね」とアドバイス
もできるわけです。

あやべんを生徒会に引きずり込んだのも、自分を好きだといってくれる人間よりも、好ましく思える(すくなくとも、フェロモンなしでも、会長大好き人間な
忍者みたいなのは、そうそう見つからんだろうし)からというのがありそう。

フェロモン体質でどうにでもなるから、風紀部VS生徒会のような、真剣勝負のぶつかり合いとか、こういった自分の体質が通用しない相手との駆け引き
みたいなものに関して、

ノウハウがまったくないから、アドバイスのしようがない。

真冬が思いつくような、
頭のいいやつを前に出さずにそばにおいて、
歌音も、若菜をお目付け役につけるというようなやり方でも、真冬がヤンキーという人種の中で、育ってきたから、思い浮かぶようなもので、そういったことすら、知識としてはあるかもしれないけど、皮膚感覚で、身体に覚えさせるようなことはほとんどなかった。

会長と勝負をしている側は何か考えがあって、そういう行動を取っていると思うのですが、まさか、全然、何も考えていないなんて、想像がつかないはず。
瑠奈「これで5人、思った以上に時間が掛かったわね。一人目はこの子だったかしら。高坂俊太郎」
会長「そうだね、校内の番長争いとなかなかの規模の騒動にはなったんだけど・・・」
瑠奈「考え方が狭くて、浅い。マニュアル人間からの脱却。綾部麗人は日常生活の妨げになる発作の緩和。
野々口歌音は過度の男嫌いの克服。雪岡小鞠が発語機能の回復。そして、北条若菜。彼女だけが本当の貴方のコマね?」

小鞠が失敗したときの会長と百地瑠奈とのやり取りで、生徒会メンバーに対して言ったことって、これはそのまま、会長に対して、ぶつけていた言葉とも
取れるわけですよね。

小鞠に関しては前述しましたが
考え方が狭くて、浅い。マニュアル人間というのは、金持ち名上に、フェロモン体質で周りの人間が何かやってくれるような境遇にいて、知識を自分
の身体に皮膚感覚的になじませるみたいなことって、なかなか出来るとは思えないので、身につけているであろう知識もそれ以上のものにはなりにくい。

過度の男嫌いの克服、これは、人間そのものが苦手だったということで、フェロモン体質で、自分の思い通りに動く人間しかないなら、それは
自分と同じ人間に思えなくても、おかしくはない。
自分と同じ
生き物だ、なんて、
感覚、もちにくくても、不思議じゃあありません。

フェロモン感覚なしで、自分を好きだって言って、全力で、行動してくれる忍者みたいな人間、フェロモン体質押さえたからって、そう簡単に知り合えるモンじゃない。
そりゃあ、友達と思いますよね。

忍者は決められない人間とか強調されているけど、会長を取り巻く状況で、何かを決断しても、
それを自分の意志だと言い張れるような状況ではないですから、そこで、直のこと
、忍者に親近感を抱きやすいはず。

そして、会長はおそらく、この体質そのものに対して、うんざりしていたが、すくなくとも、3巻で、会長が初登場したときに、鷹臣にフェロモン体質が効かないのを見て、興味を覚えた

最近になって、会長は、鷹臣と別のところで他の相手と賭けをしているのではないか?と真冬が推測するに
いたるわけですが、会長の妹のことでしょうか?

まあ、こんな兄貴がいれば、腹が立つでしょうし、自分の居場所は自分で勝ち取るタイプや、会長が体質で手に入れているものが欲しい人からすれば、なおのことでしょうね。

ましてや、作中では語られておりませんが、その賭けにおける、会長の掛け金はかなりの確率でフェロモン体質。会長と賭けをするってのは、あの体質が通用しないような鋼の意志を持っているか、あるいは、それが通用しない、似たような体質の身内ですよね、思い浮かぶのは。

その気になれば、その力の及ぶ範囲において、好き勝手に振舞えるわけですが、会長自身は、それにうんざりしている節がある。
だったら、と思っても無理はないでしょうからネエ。

まさかとは思うけど、

前述した生徒会メンバーの問題点って、会長だけでなく、会長の妹の方がすべて当てはまるとかいうのじゃないだろうなあ
(汗)


会長の妹に関しては、忍者の回想で、おれた両腕を見せられて、驚いた忍者が、兄弟はいるかと聞いて、妹が一人、と答えたときと、真冬たちに自分を拉致させたときに、聞かれたときに中3と答えたことくらいだったと思うが、年齢はいっていない。

会長のフェロモン体質からしたら、双子の妹の可能性もあるかもしれないよなあ。

親指も、ツボーズとか、無音とか、異能バトルものというか、異能マッサージものという見方もできる作品だったが、異能ものとか、伝奇ものでは、双子が陰と陽、片方が陰で、片方が陽の力を、分け持って生まれてくるというケースがあるのだが、、たいていの人間はそれを受けたら会長大好き人間になってしまうというフェロモン体質も、異能ものでいう陽の体質のみを持って生まれてきたから、という推測もできるのではないか?

とすれば、もし、会長と妹が双子の兄妹だったとしたら、会長の妹は、自分にたいていの人間が敵意を持って、接してくるという陰の体質である可能性も出てくる。

舞苑あたりがほしがりそうな能力かもしれないが。

これなら、学業が大幅に遅れて、中3というのもおかしくはないし、特撮では、20歳過ぎても女子高生を実写でやった作品というのも存在するわけだし。

それに前作の親指では、双子という要素を生かしきれずに、話が完結してしまったので、どこかで双子という要素を持ち出して、リベンジを行おうとするのはありえる話で、会長のフェロモン体質とも絡めやすい要素だというのもあったりする。

フェロモン体質に会長がうんざりしていることさえ、彼女からすれば、贅沢な話であり、会長を憎んでいても不思議ではなく、もし、そうだとすれば、会長に向けられる妹の憎悪は尋常ならざるもののはずで、

この推測がもしあたっていれば、そりゃ、あやべんが会長嫌っていても、んなもん、微風にすらなってないレベルでほほえましく見えてるのだろうなあ。

会長が賭けれるものといったら、フェロモン体質であり、それを一番ほしがっているのは妹で、推測が当たっていれば、いらないんだったら、私の言うことにしたがって、動いてくれとか思いたくもなるだろうし。

そういう妹に対して、自分の体質も含めて、彼ら兄妹に向けられる好意や敵意は、極端な体質によるもので、自分の意思でそうなっているのではない。

しかし、中にはまれに、自分の意思で、フェロモン体質やその逆の体質を、ものともせずに打ち破り、自分の意思で彼らに接してくるものもいる。自分たちと同じ人間がそれをやっているということは、
自分たちも、体質に振り回されずに自分の人生を、生きることができるのではないか、という希望を求めて、ということもあるのかもしれないが、忍者の中学に入ってくる以前に、そういった希望を垣間見せられるような出来事でもあったのかな?

それとも、すくなくとも、会長の妹は、自分の体質を受け入れて、前向きに生きようとしているのはいいが、会長の体質をも、あわせてフル活用して、多くの人たちを操るために賭けに勝って、会長を従えようとかもくろんでいるとかいうのじゃないだろうなあ(汗
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by kwanp | 2013-12-21 21:00 | コミックス
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