少女マンガの描き方 65

月刊少女野崎くん 第65号感想

天気の悪い金曜の放課後、部活も休みだし、久しぶりに早く帰ろうと一つの教室の前を通り過ぎた時、

後輩達が何か変な儀式をしていた。

このあたりのモノローグが、アニメ向けの描写っぽいのは気のせいでしょうか? 

ズズズズズズズズ、と机で向い合せに座って、こっくりさんをやっている佐倉と鹿島。

はあ!? コックリさんをやってたぁ? なんでまた、と話を聴く堀。
いやー、どんなのだっけ? って話になりまして、ちょっとやってみようって、と鹿島。

ただ、二人とも知識が曖昧で・・・、これで合ってるのかな?と佐倉。

子供の時にやったものをうろ覚えでやるなら、そんな感じでしょうか?

ん? どれ・・・、確か、こんなんだっけか、とこっくりさんの紙を思い出しながら覗き込む堀。

どうでしょうか?と佐倉が見せたのは、

油揚げを持って、はじまるよ、といってるキツネが書かれたコックリさん、おいでませ、と書かれた紙を見て、

おい、曖昧ってレベルじゃねーぞ、題名書いて、ごまかすな、と突っ込みを入れる堀。

YES ややYES どちらとも言えない ややNO NO
という解答欄を見せて、

あれ? でも、こんなのでしたよね、と鹿島。

なんで、キツネの返答まで、曖昧になってんだよ。どちらとも言えねーなら、黙ってろと堀。

それにしても本当に動くのか、これ?と堀。
えー、ちゃんと動きますよ、と鹿島。
見ててくださいね、と佐倉。

コックリさん、コックリさん、今日は天気悪いですか?と問いかけて、二人の指が、スススススとYESの方に動く。

絶対、こいつら動かしてる、と心の中で突っ込みを入れる堀。

これから、雨は降りそうですか?というと、

ガタガタガタ、とどっちの方にするかで動きかねて、

意見分かれた、と突っ込みを入れる堀。

どちらとも言えないに動き、

そこで折り合いつけんなと突っ込みを入れる堀。

ほらーっ、コックリさんの力はすごいんですよ、先輩!! 動いてる、動いてる!!!と鹿島。
へー、俺もう帰るわ、戸締りちゃんとしてけよ、と興味なさそうに言う堀。
あっ、信じてませんね!!!といってから、じゃあ、先輩が質問してくださいよ、と鹿島。

質問・・・、じゃあ、三年の数学の問題を、と堀。

「る、う、と、さ、ん、ぷ、ら、す」
10円玉を動かす鹿島。

わかんのかよ!!! すげぇな、お前!!!と堀。

先輩! ほら! 勝手に動いてますよ! 私、力入れてませんからね!! ほらほらほら、と佐倉。
それは知ってる。嬉しそうな顔すんな、と堀。

でも、こういうのtって、好きな人とか聞くんじゃないの?と佐倉。
あー、じゃあ、堀先輩が好きなのはぁー、か、と鹿島。
ばっ、と割り込む堀。

堀「かくに 角煮!!!」
鹿島「かしま、鹿島!!!」

それぞれ、自分好みの答えに誘導しようと、10だまを動かそうとする二人。

すごい・・・!!! 10円玉がピクリともしない!!!と気圧される佐倉。
じゃあ、コックリさん、コックリさん。私の好きな人は誰ですか?と佐倉が聞くと・・、

「ちょっ、待っ、速っ!!!」
ざ・・・ざ・・・ざざざ、と電光石火の速さで動く10円玉。

もっと「知っててビックリー!」みたいな方が楽しくないですか?と鹿島。
じゃあ、コックリさん、コックリさん。鹿島の恥ずかしい秘密を教えてください、と堀。

え!? どうするの、鹿島くん!!!と佐倉。

「実は今」「ノーパンです」

10円玉を動かす鹿島。
サラリと嫌な嘘ぶっこんできた!!! 確かめようがないけどさぁ!と佐倉。

穿いてんじゃねぇか、短パンとスカートをめくる堀。
確かめた!!!と佐倉。

待ってください!!! ノーパンというのは短パンの下に下着をつけていないということで、と鹿島。
もうわかったから、どっちか、引いて!!!と佐倉。

もしかして、堀先輩、本気にしたんですか?と佐倉。
いや、なんか、こいつの、「ビックリした!?」、って、顔にイラっとして、と堀。
えー、私が悪いんですかー?と鹿島。

ううん、今のは堀先輩が悪いよね・・・。本当だったら、さっきのシーンは、はぁ!? ノーパン!? な、何言ってんだよ!?

・・・となるべきだよ、と佐倉。

これは鹿島が悪い気がする。
ノーパンという嘘をぶっこんできたのはともかく、それだけで、建前上、コックリさんにノーパンという事実をぶちまけられたことになってるはずなのに、
多少なりとも恥ずかしがるようなそぶりも見せないで、「びっくりした?」みたいな態度で、自分を見ているわけで。
ノーパン云々よりも、ノーパンという言葉のインパクトに頼り切っていて、本当にノーパンであるかのようにふるまうようなそぶりをかけらも見せていない。
驚かすことが目的であったとしても、本当にノーパンであるかのようにふるまっていないで、ドヤ顔でノーパンですよ、驚いてくださいよと言わんばかりの態度をとっている。

御子柴なら、その言葉のインパクトだけで顔が真っ赤になって、本当に慌てふためくかもしれませんが。

堀は演技に関しては常に真剣勝負。

前に御子柴の偽彼女の話でも、彼女のふりをする演技がうまくなかったことに怒っていたので、ノーパンというなら、ノーパンだと本当に思わせるだけの
演技を見せないから、ノーパンなら、隠すそぶりくらい見せてみろよ、と衝動的にスカートめくってみたのだと思いますが。

ノーパンという言葉のインパクトに頼り切って、相手を驚かす創意工夫を怠っているわけだから、堀が起こるのも無理はありません。

これが結月がいったことなら、たぶん、ここまで怒らない。


堀からすれば、鹿島がその気になれば、本当にノーパンだと思わせるような演技はできると確信しているはず。

それがノーパンという言葉のインパクトだけに頼り切って、相手を驚かして、ドヤ顔でいる。


それっぽい場面も、そこで発せられるセリフは、それ単体でも盛り上がることも確かですし、そのことを否定はしない。

しかし、それらのセリフと場面も、登場人物の行動心情、それらが組み合わさった結果の流れが、見ている人間から、納得できる、もしくは、納得してしまうものであれば、
それらは何倍にもなって効果を発する。おざなりな使い方をすれば、その逆もしかり。

そして、堀は、それをやるために、常に真剣勝負で劇をやっている。

それをわかっているはずの鹿島がノーパンという言葉のインパクトに胡坐をかいたようなことをして、へらへら笑っている。


怒ります。これは堀だったら、絶対に怒って、ふざけんな、とスカートをめくります。

たとえこれが公衆の面前で、警察にしょっ引かれても、堀はやるはずです。
そして、怒らなければ、彼にとって、それは嘘になってしまうのですよ。
たとえ、99人がそれを怒らなくても、堀は怒らずにはいられないはずです。

こいつは話づくりにもいえることで、ちょっと、作中の登場人物の設定とかで、それをクリアできそうなピンチとかがあるのに、どういうわけだか、それをつかわないでピンチを演出するとか、
常識的に見ても、気を付けないといけない部分をおざなりにして、話を進めるとか。

例を挙げるなら、堀が鹿島に暴力をふるうということや、20号で御子柴が出てこなかったことなどで、前者は、親指からロマンスで、三姫が後輩の了が女だと気が付かないで、物のはずみで殴って
しまったというネタ、了は、普段はジャージ、男っぽく見える容姿で、三姫が女だと気が付かなかった、制服を着ていたときに
気が付かなかったというのを、そのまま、パターンとして、安直に定着させようとしたためで、鹿島は誰がどう見ても女の子で、スカートはいていたのに、その差をどうにかしなかったのがまずかった
わけで、俺様ティーチャーでは、中高生が小学生の女の子を怪我させた描写があったけど、こっちは、けがさせた頭が残念な女の子になつかれてしまったという描写のために必要だったわけですし。


そして、
ノーパンなのかよ、というドキドキが、いつしか、恋のドキドキに変わっていって、付き合ったきkっかけは? って聞かれたら、
「ノーパンです」
って、ところまでイメージしてから

なんで、あんなウソついたの!!! 最悪だよ!!!と机をバンとたたく佐倉。

これは作り手の意識と、受け手の意識の隔たりみたいなものはある、ということでしょうけど、
作り手としては、ジャンルのお約束とか、現状から予想できる流れから、期待してしまう話の流れみたいなものはありますから。
必ずしも、作り手の意図が必ず正しいというものではなく、
場合によっては、一事が万事、先ほどの鹿島のどや顔みたいな姿勢で、話づくりに臨んでいたりすれば、作り手自身が作品にとって、異物になってしまうケースも、往々にして存在するものです。

どんなジャンルの作品にも、お約束みたいな要素や話の流れみたいなものは存在して、そいつをがん無視して、自分のやりたいことをぶっこんだり、とかですね。
それを絶対にやっちゃいけない、というのではなく、それをやるなら見ている人間をきっちりと納得させないといけないわけで、お約束とか、そういうの無視したうえで、それができるってのは、
実力を要するわけです。

野崎が最初に思いつく内容なんかも、作り手のドヤ顔がちらつくような作品そのものでしょうけど、野崎はそれをわかったうえで、ああじゃない、こうじゃないといろいろな人間の言葉に
耳を向けて、試行錯誤を繰り返して、最終s的に面白いといわれるものを作り上げているわけです。

ひどいのになると、そういうドヤ顔が見える作品で、野崎みたいな手直しをしないで、完成品として出し、さらには、なんでそれで批判が出るのかわからないということのほうが多かったり
します。

びくっ、となる佐倉。
お・・・、おい、そこまで怒らなくても。俺も悪かったから・・、と仲裁に入る堀。

そこへ、
あれ?何やってんだ? 堀先輩まで、と野崎。

あっ、野崎くん!! 今ねー、コックリさんやってるんだよー!と佐倉。
え!? コックリさん!? 俺も入れてもらっていいか!? やりたい!! ばっ、と身を乗り出す野崎。
予想外の食いつきだ!!!と佐倉。

実は小学校のとき、クラスの男子に入れてもらえなくてな・・・。当たるんだろう? これ?とそわそわして聞く野崎。

うん、小学生の女の子がコックリさんやってるところに、クラスで上位に入るくらいの図体のでかい男子が、興味を持って覗き込んでくる。
これは怖がられるのも、無理はないですね。

ちなみに、最近の高坂は野崎っぽい言動が多くなっていたりする。

う・・・うん!? そう・・・かな?と佐倉。
そうか!! まずは俺の誕生日、聞いてみてもいいか? わくわくわくと効いてくる野崎。

堀「コックリさん、コックリさん」
鹿島「よろしくお願い致します」

あ・・・、これ、私に一任の流れだ・・・!!!と佐倉。

・・・・・・・これは佐倉以外に誰に任せられるというのやら(汗

コックリさん、コックリさん。俺の誕生日はいつですか?と野崎。

6月6日です、ススス、と10円玉を動かす佐倉。

コックリさん、コックリさん。俺の好物はなんですか?と野崎。

白米です、固めが特に好きですね。ススススス、と10円玉を動かす佐倉。

さすが、千代ちゃんですね。まさに野崎専用コックリさん。こそっと話す鹿島。
ああ、これで野崎の夢は守られたな・・・。・・・ただ・・、と堀。

コックリさん、コックリさん。髪を切りたいんですけど、どうですか?と野崎。

頭の形がキレイなので、坊主頭でも似合うと思いますが、そうそう、一年の秋ごろに一度、伸ばした時も、あれはあれで大変格好良くて、ススススススススス、と10円玉を動かす佐倉。

長え!!!と突っ込みを入れる堀。
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by kwanp | 2015-06-23 22:38 | コミックス
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