偽ウサちゃんマン騒動は何を意味しているのか?

いつものように、野崎くんの感想でついでに言及するのには、長くなるので。


俺様ティーチャーで、真冬が鷹臣の言っていたピーターパンとネバーランドのたとえを会長に話して、自分のネバーランドの話を聞かせることになったのだが、

会長は、小さいころから家で過ごしていて、学校に通っていなかった。
父親の仕事に協力するのを口実に、高校に通って、楽しもうとしていた。

全生徒会長に相談員を置くことを相談されたが、理事長は余計な出費を嫌がったということで却下される。

そのあとすぐ、全生徒会長はやめて、会長が後釜に。

会長になってから、百地瑠奈のことに気が付く(河内が子分に指示を出して、彼女の行動をマークしている姿を見かける〉。

百地瑠奈はわざとやっているのかと思うくらい、あからさまに、目を付けた生徒を次々と退学に追い込んでいた。

教師に注意を促すも、成績争いのライバルを蹴落としたい程度にしか思われていなくて、どうにもならず。

それなら、自分が守り切ろうと行動を開始して、とりあえず一年間はそれでしのげた。

二年になって、鷹臣と理事長の賭けが始まり、さらには心配な生徒たちも次々と見つかって、生徒会に入れることで、隠す。

会長曰く、自分の本質は先延ばし。

とあるものの期間延長のため。

百地に対する対処もそれ。

生徒会では、守られはするけど、何も変われない。

真冬の登場がきっかけで、生徒会メンバーが変わりつつある。

ちゃんと、学校生活を楽しんで終わらせたいので、真冬に手を貸して、と頼む。

今回の話は、こんな流れだが、

たぶん、会長は真実をすべて語っていないはず。というのも、

http://kwan.exblog.jp/21690773/

二年近く前の記事だが、会長が忍者に語った、賭けの真相について、結構、ごまかして、説明していたということを指摘した。

今回のことも、大まかな出来事自体は、うそを言っていないのだと思うが、かといって、すべて真実か?といえば、おそらくはそうでなく、ウソではないが、真実をすべて語っていないというところだろう。

とはいえ、

前生徒会長が、相談員を置くことを提案するも、それを却下される。
その後退学、会長が後釜に。

百地瑠奈の不審な行動に気が付く。

そのことで教員に退学にしてくれというが、聞き入れてもらえず。

それならば、と百地瑠奈が目を付けた相手を守るように行動する。

という流れは、おそらく事実だろうし、調べて、わかりそうなこおてゃ嘘はついていないはず。
なにしろ、河内とか、当時を知る人間もまだ残っているわけですし。

とすれば、会長の心情を語っている部分は、多少なりとも、脚色めいたことはされている可能性がある。

というか、ぶっちゃけた話、

会長の心情というか、感覚そのまま理解できるやつ、まったくと言っていいほど作中にいないはず

ということになりかねないからなあ。

まあ、これは、会長のあの能力が先天的、もしくは、かなり前から身についていたという前提があっての話だが、すくなくとも、6年位前から、あの力は身に着けていたはず。
これに関しては、このこと自体が答えているようなものだが、後述する。

身もふたもない話をすれば、会長にとって、自分と自分以外の人間が同じ人間という生き物であると思っていなかった、とか打ち明けられても、さほど、驚くような話ではなと思っている。

何せ、あの能力の前には、大抵の人間は、抵抗しきれずに会長大好き人間になってしまうし、その能力も
日々エスカレートしていっているのではないか、と思わせる節がある。
会長の前では、彼以外の人間の意志というのは、ないも同然という認識をしても驚くような話ではない。

それに加えて、彼の家はお金持ちであるわけだから、その力と財産の及ぶ範囲内であれば、その気になれば、神のごとくふるまおうとすれば、できるとは思う。

ただまあ、緑ヶ丘の現状、会長曰くずさんな学校を見る限りでは、華房家も幸せというか、楽しい毎日を送れるような環境ではないのは、容易に想像がつくわけで、中学を外の私学、高校を緑ヶ丘に選んだのも、そのあたりが一因なのだと思うが、

ただ、前述したような環境下だと、そいつを享受して、好き勝手にふるまうか、その状況に納得がいかなくてもあきらめて受け入れざるを得ないという態度に分かれやすくなるはず。
ちょっとやそっとの努力で覆せるようなものではないですからね。

彼を取り巻く環境は変わらないし、事実、その通りの日々が続いていき、表面上、どういう態度を取ろうが、その根底には、自分を取り巻く環境がそう簡単に変わらないという認識があり、よっぽどのこと、
たとえば、彼の能力が通用しない人間が現れ、彼では思いもよらない選択肢を選び取り、結果を出す、そうはいかなくても、その選択肢事態を選び取った行為そのものが、魅力的に映ればいい。

すくなくとも、会長の能力と、父親の用意した環境下で、その光景を目にすること自体が、非常にまれで、まずお目にかかることができないはずだからだ。

そいつを目にして、外の学校に行けば、ああいう人間がごろごろしていると思って、外の学校に編入する選択をしたのであれば、その衝撃を与えた出来事は、会長が、学校に編入した時期を踏まえると、少なくとも作中の4~5年前に起きたはず。

おそらくは緑ヶ丘乗っ取りの際にそれを見て、それをやったのが鷹臣の可能性が高い。
先天的、もしくは後天的に目覚めたにしても、6年位前から、この力を身についていたといったのは、会長自身が、緑ヶ丘乗っ取りに加担していたからではないか、と思うからだ。

まあ、彼の能力を父親あたりが家の商売に利用していたといったところだとは思うし、商売をやっている父親が子供の強力なフェロモン体質を知って、商売に利用するという選択肢を取る可能性は高いだろうし、会長の言うタイムリミットの一つは、会長が高校を卒業したら、その力をビジネスでも利用しようというわかりやすい思惑もあるのかも。

3巻では、力技で自分の術を解いた人、初めて見ましたといってるわけだから、この時に、会長と鷹臣があっていても、そう矛盾する話ではない。
もっとも、鷹臣の方は、土地の権利書を手に入れ、隠すために素性を隠して行動していた
はずで、

素性を隠す方法として、

ウサちゃんマンのウサギのお面をかぶっていたのかもしれないが(笑一高校生が、不動産会社を経営している金持ちを相手取り、その動機は爺さんが大事な学校を取り戻すため、という当時の会長には理解できない他者のために、自ら、体を張って、行動しているわけですし(会長を守るために行動する人はいたでしょうが、それはたいてい仕事か、あるいは、会長の力で操られていたにんげんでしょうし〉、何らかの形で相対していたとすれば、自分の力が通用しないうえに、その動機が当時の会長には理解できないもの、

得体のしれない未知の存在を相手にしているわけですから、多少なりとも混乱したはずですが、

自分の力に抵抗しきれず、人形になるような人間ばかりではなく、外の世界には、力が通用しない、自分の知らないものがいくらでもあるという事実を教えられたわけで、そういったものに興味を持ち、もっと知りたいとか思ったとしてもおかしくはないはず。

しかも会長の前任者の前生徒会長とのやり取りも描かれていたけど、彼もみんなの、というか、ほかの人間のためにいろいろと頑張っていて、そのうえ、前の緑ヶ丘はよかtった、みたいなことを言っていたわけで、

もし、実際に鷹臣に相対していたなり、報告でその存在を知ったなりで、興味を持っていれば、

鷹臣をほうふつとさせる人間なわけで、ますますもって、彼らが取り戻そうとするかつての緑ヶ丘、自分の置かれた環境では見出すことのできない何かを生み出すそれに、興味を覚えたのかも。

百地瑠奈のやっていることを見過ごせなかった理由としては、自分が選ばなかった選択肢、稚拙なやり方とはいえ、他人を思いのままに操り、好き勝手に生きるという、自らのダークサイドを常時、それも下手すれば3年間、目の前で見せつけられるわけで、

それは心穏やかではいられなるのも無理はないし、彼が見たいものがどんどん遠ざかっていくのだから、
心配そうな子を生徒会に引き入れて、というやり方で守ろうとしたのも、それが一因だったのかも。

教員たちというか、おとなたちに関しても、百地瑠奈のやっていることに気が付かないで、ということで快く思っていないような心情を語っていたが、理事長は、余計な出費を嫌がって、相談員を雇うことをしなかったようだし、話半分にしても、理事長が、学校経営に積極的ではなく、余計なお金を使いたくないという心情は確かだろうから、雇っている教員も、その意思に従って、余計なことをしない人間を選んでいるはず。

鷹臣のような学校改革に乗り出せば、まず間違いなく首が飛ぶ。

そりゃ、鷹臣にしても、土地の権利書を片手に、無謀ともいえる賭けを提案しようって、気にもなるわけだ。

過去に相対していなくても、賭けを持ち出し、学校改革というか、かつての緑ヶ丘を取り戻そうと、真っ向から挑戦してきているから、この時点で、会長のできなかったことをやってのけているわけだし。

なんで、そんなことをするのか、気になって調べてみたら、かつて、学校の敬遠権をだまし取った相手の孫で、土地の権利書を持ち去られて、出し抜かれた相手。

調べていけば、その動機も、ある程度は洗い出せる。

そこへさらに、鷹臣とつながりのある真冬が転校してきて、自分ができなかった、心配そうな子をどんどん変えていって、会長は知ってるかどうかは知らないが、真冬は、鷹臣をビビらせている。
得体の知れなさで言うなら、ある意味、鷹臣よりも上である。

その彼女と組んで、チーム裏切り者を結成することになった会長は、

僕の三年間、ちゃんと終わらせたい。君の手を貸してくれないか、と頼むわけだが・・・、

まさか、卒業してすぐに、新理事長として、学校に君臨し続けるとかいう落ちじゃあないだろうなあ・・・。

自分のやっていることは先延ばしでしかない、とか言っているように、基本、会長の姿勢というのは受け身のようだし、その原因が、あの力に起因しているなら、そういう考え方になったのもわからなくはない。

しかし、自分の力が通じない鷹臣が、かつての緑ヶ丘を取り戻そうとして、奮闘しているように、自分の力が通じなくて、自分の思いもよらないことをやってのける相手がいる。

そして、それは先延ばしや受け身でいては、手に入れることはできない。

大事なものやほしいものは、自ら行動を起こして、時には傷ついてでも、前に進んで、手に入れないといけない。

チーム裏切り者として、真冬と行動を共にすることで、その認識を強くして、

ならば、それを求めて、行動するだけ、という結論に至った会長が、強引に両親を隠居させ、華房の後を継ぐという選択肢をとっても、華房や華房家が経営する不動産会社には、何の不都合もないからなあ。

華房の家で、会長がその気になったら、それを止められそうなのって、(ひょっとしたら、いるかもしれない)逆フェロモン体質の妹くらいしか思い当たらないですしね・・・・・・。

何度か、特に出番もなくて、何をしたわけでもないキャラをボスキャラに仕立て上げる意味合いで、会長のキャラを作ったのではないか、と指摘したが、さすがに、何もしない、何も大した掘り下げもしないまま、ボスキャラとして立ちはだかせる、のは、盛り上がりに欠けますからねえ。

ボスキャラとして、立ちはだかる存在に昇華させるために、一年かけて、偽ウサちゃんマン騒動を描いてきたのかな?
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by kwanp | 2015-10-12 22:46 | コミックス
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