これはこれで・・・

期待半分、不安半分のボンボン版、最終回レビューです。

前回のラストで、ザフト軍の二割が、ラクスたちに寝返った状況で、戦いがはじまりましたが、
ミーティアを装備したSフリーダム、∞ジャスティスの二機が、戦場を蹂躙し、しかも、不殺でMSの頭部だけを攻撃しているという描写がありますが、寝返ったザフト軍はともかく、オーブ軍は、容赦なく攻撃するような気が(汗) 頭部や腕を破壊されたMSを攻撃するな、という命令が下っていても、ラクス教団は、狂信者の集まりですし、おまけに、回収するにしても、戦闘と同時並行で、皆を回収するのは、難しいですから、どう考えても、その何割かは・・・(汗)

一番手っ取り早いのは、ラクスの乗るエターナルを撃墜するか、捕獲することです(Gジェネで、種デスでザフト軍が、自軍だったら、真っ先にそれをしたいところですが)。

しかし、それをやるには、ラクスの愛人キラと、キラの手下のアスランを倒さないと、失敗に終わってしまい、おびただしい被害を出してしまいますので、ディスティニーとレジェンドでsフリーダムと∞ジャスティスを撃つように指示を出します。

その指令を受けて、アスランたちを倒しに向かうシン。
アスランは、シンのやっていることは、第二、第三の自分を作り出すことであり、議長は、シンが大事なものを失って、その悲劇を繰り返したくはないから、力を求めるという感情を利用していると訴えていたのですが・・・、ラクスやキラにいいように操られて、しかも、Sフリーダムや∞ジャスティスで戦場に乱入してきて、丸く収まったはずの事態に、余計な混乱を与えていたのは、第二、第三のシンを作り出さないとでも? かつて、所属していたザフトに刃を向けるのはいいのでしょうか?

シンは、アスランのいうことも分からないでもないが、彼は、ずっといっしょにやってきた仲間を、レイや議長を信じ、そのために戦うことを選択したのでした。

そして、コミックス版のシンは、その結論を自分で出しており、アスランを倒すことに何の迷いもありません。

ミーティアを破壊して、アスランに戦いを挑むシン。アスランの助けに入ろうとするキラの前に、
レイのレジェンドが立ちふさがり、こう叫びます。
「オレはラウ・ル・クルーゼだ!!」と。

この時点では、ボンボン版では、レイがクルーゼと同じようなクローン人間だ、ということは明言されておらず、議長を頼むという遺言めいたやり取りもかかれてはいないのです。
その代わりに、「ディスティニープランの象徴」という言葉で、レイがシンを助ける理由が説明されていたりするのですが。
レイは、議長のために動いており、その議長が、シンをパイロットに選んで、その手助けのために、レイは傍らにいたのでしょうが、一緒に戦っているうちに、仲間として、認めるようになっており、ステラを連合に返した一件で、信用に値することを確信した、ということなのでしょう。
確かに、命が残り少ないレイが、「議長を頼む」といわないのは残念だと思いますが、だからといって、レイがシンを信用していないとか、認めてはいないのとは違うように思います。
何しろ、シンの戦士としての成長を一番、間近で見ていて、それを痛感させられているのは、彼ですから。もし、レイの残りの命が少なかったとしても、シンなら、きっと、自分の代わりに議長を守ってくれると確信しているのではないか?

前回、「おれたちは勝たなければならない、もし負ければ、世界はまた、混沌の闇に沈んでしまう」と言っていたのは、レイであり、シンもまた、そうさせまいと思って戦っていることをよく知っていて、思いは同じで、自分がいなくなっても大丈夫だと確信しているのだと、思います。

ちなみに、「俺はラウ・ル・クルーゼだ」という彼の言葉は、キラを生み出すために切り捨てられたラウやレイといったものたちを代弁するために、ラウの名を名乗っているのだと、解釈していますが。
同じ人間のクローンだし、幽閉されていたレイを助け出してくれたのは、クルーゼですから、親近感を普通よりも抱きやすいのは、勿論ですし、その彼が、自分たちを踏み台にして、作られた成功例にやられたときかされれば、そのショックも大きかったでしょうし。
そんなところへ、「君は君だ」と言われて、そう簡単に納得できないでしょうから、レイの心が崩壊しない為の措置だったのでは? という気がするのですが。
それに本当にラウの代わりにするのなら、傍らにおいておいた方が好都合ですしね。

一方、アスランはシンに向かって、「自分が何のために戦っているのか、わかっているのか?」
と問いかけますが、すでに、承知の上で戦っているシンには、アスランの台詞に、心を揺り動かされず、「戦争のない平和な世界を作るために」と言い返します。
アスランはそれを間違っていると一蹴するのですが、「じゃあ、あんたらの理想で、戦争を止められるのか」と、痛い部分をピンポイントで突かれます(笑)
戦争を止めるどころか、逆に混乱させてばっかりでしたしね・・・・・・。

「戦争のない世界以上に幸せな世なんて、あるはずはない」と叫び、光の翼を展開して、残像攻撃で、アスランを翻弄するシン。

シンに取ってみれば、家族を失い、そして、力をえたはずなのに、ステラを失った。そして、それはロゴスにもたらされたわけですから、その原因であるロゴスを倒した。
戦争さえなければ、自分は大事なものを失わずに済んだのだ、と彼が考えても、ある意味、当然なのです。

勿論、戦争が無くなれば、平和が来るのですが、それを治める人たちが、どういう風に世界を治めるか、とか、そうなったらそうなったで、色々と考えないといけないことはたくさんありますし、
武力を使わない分、頭を使わないといけませんから、別の大変さがあるわけですが、

でも、戦争に逆戻りさせるべきではないと、シンは、戦いの後にまっている問題に、彼の力が及ぶ限り、立ち向かっていくとは思いますけど。


シンとレイが、キラとアスラン相手に戦っていることで、戦いの流れが変わりだしたのを、見逃さず、各個撃破を支持する議長。ラクス一味の最大の剣である、二体の核搭載MSとそのパイロットは、Dプランの象徴である2人のパイロットが食い止めている間に、ラクス一味のバックボーンのひとつであるオーブに攻撃目標を定めます。
ラクス一味に力を貸して、世界の混乱をより大きくしようとしたり、人には力を持つなと叫んで置きながら、自分らは、フリーダムやアカツキを隠し持っていたり、自国の同盟軍との軍事行動を、国家の代表を名乗って、邪魔したり、コミックスで見る限りでも、国際社会での問題行動が、多々目立つわけですし、ボンボン版では、オーブ戦のどさくさにまぎれて、そのあと、カガリが意思表明をした後に、ジブリールがレクイエムを撃ったので、ボンボンを見る限りでは、ロゴス討伐軍との調停を行った形跡が無かったりするので、どうも、レクイエムの件で、うやむやになり、ロゴスを片付けたところで、Dプランを発表したということは、反対派と一緒に、片付けようとしたんじゃないか、という気がしますが・・・。

再び、シンVSアスランで、本気で戦おうとしないアスランに、どうしてだ、と問いただすシン。
昔の自分(母親を無くし、ニコルを無くしたときの)に似ているから、今のシンの気持ち、闇雲に力を求めようとするはわかるが、そのサキには、何もない、過去にとらわれるな、と、訴えるアスラン。

シン「何を今更!!」

・・・・まったくもって、その通りで、その理屈を言うのなら、ミネルバにいた頃に説得しとけよという気がします。
脱走して、強力なMS手に入れて、それで、ザフト軍を一蹴して言ったところで、説得力など、欠片もありませんが、物語として、話の大筋に従いながら、中身を納得のいくものにしようとする努力は、強く感じますね・・・・。

俺はもう選んだ、ならば、その道を進むしかない。あんたが正しいというなら、俺に勝って見せろと己の信じた道を行こうとするシン。

シンは、自分で自分の道を選んで、そして、その中で力の限りを尽くすので、この言葉に説得力があるのであって、自分の弱さを克服するどころか、「それでいいんだよ」とあっさりと肯定してくれれば、考えもせずに飛びつくアスランが、「それは違う」と言い切れない理由は、たとえ間違っていようとも、自分の頭で考え、己の足で進もうとするものと、正しいように見える答えを提示されて、よく確かめもせずに、それに飛びついてしまうものとの違いを物語っているような気がします。

パルマフィオキーナで、∞ジャスティスを追い詰め、月面に叩き落して、後一歩のところまで、追い詰めるディスティニー。ちなみに、地面に叩き落されたジャスティスと違い、宇宙空間から、アスランを見下ろしています。

「これで、終わる 戦争も、俺の戦いも、全てが!!」

アロンダイトを振り下ろすディスティニー。しかし、アスランは、ジャスティスのリフターを分離させ、そっちにシンの気がいっている間に、一気にシンの懐へ飛び込み、ディスティニーの両腕、右足を、足のビームブレイドで叩き落して、月面に叩き落します。


シンは「やっぱり、すごいや」といいますが、

余裕か増している間に追い詰められて、いざとなったら、不意打ちっていういつものパターンと大差が無いような。

しかも、アニメ版の最終回で、メサイヤに乗り込んだキラが、レイには目もくれずに脱出したように、アスランもまた、シンには目もくれずに戦いの中へ戻っていったことを考えると、一応、話の筋にはあわせたけど、キラやアスランを、正しいとは描いておらず、そのあたりに本音が見えるような気もします。
先月も、レクイエムの時には、駆けつけませんでしたしね。

結局、レイの方も、キラに撃破され、それをきっかけに戦況は一変。ミネルバは沈められ、メサイアは陥落。

議長の量子コンピューターは、CHECK MATEで、議長の負けを宣告するのですが、それに対して、「まあいい、これもお前が定めた、私の運命だというのか」と自嘲気味に呟きます。
あくまで想像ですが、この量子コンピューターには、ラウの擬似人格が入力されているのかも知れませんね。

そして、その議長のもとにはレイが駆けつけ、「ごめんなさい」と力及ばずに、こうなったことを詫びるのですが、それに対して、議長は「もういいんだ」と許す言葉を口にして、爆炎の中で2人は、最期の時を迎え、戦いのほうも終わりを告げるのでした・・・。
ちなみに、議長は撃たれずに、タリアもミネルバから脱出したようです。

一方、シンの方は、アスランに破れ、結局、自分のやってきたことは無駄だったと、悔やむのですが、そんな彼の前に、彼の前にステラの幻影が現れ、「シンにあえて、よかった。だから、前を見て、明日を」と笑顔でいい、それに、力を得たシンは、

「俺はまだ生きている」「生きている限り、明日はやってくるさ」

と再び立ち上がり、ディスティニーのコクピットから降りて、おそらくはメサイヤに向かって歩き出したところで、終わるのですが、個人的には、もう2~3ヶ月続けてもよかったんじゃないか、せめて、アスランに勝つか、相打ちにしてくれてもいいのではないか、と思わずにはいられませんが、シンが再び立ち上がって、コレからを生きようとする姿が描かれ、アークエンジェルマンセーで終わらなかったことだけでも、よしとするべきかもしれません。

ついでにいうなら、レイが、「議長を頼む」というシーンをやらなかったのは、このシーンを書くためではないか、という気はします。
いうまでも無く、シンは、家族の死で、力を欲し、ステラの死で、戦いのない世界を目指したわけで、ここで、残りの命が少ないレイが、議長を頼むと言えば、レイが望むと望まざるとに関わらず、シンは、それによって、己の生き方を決定してしまうわけで、その死に縛られてしまう可能性だってあるわけです。彼が目指す、戦いが無く、ステラやレイのような存在を生み出さない平和な世界を作るにしても、それは、誰かの操り人形としてではなく、彼自身の意思で、やるべきことでしょう。最後のときが近づいている彼が、ここで、シンの前に現れて、何かをいったら、それは遺言になってしまう可能性が大きい。
レイからしても、自分が認めた相手を、自分の死で縛りたくはない、。自分の死を乗り越えて、もっと強くなって、多くの物を守れるはずだと。「自分にとらわれずに、前を向いて、進め」、そう思ったからこそ、レイは、議長の処に現れたのではないか、と思います。

ともあれ、これで、ボンボン版の物語は幕を閉じるわけですが、半年以上感想を続けてきただけの甲斐はあった物語でしたし、アニメ版よりも、気持ちよくそのラストを受け入れられた最後だたのは確かです。

もし、続編があったとしたら、また、高山先生に描いて欲しいものですが・・・・・。
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by kwanp | 2005-12-15 14:47 | コミックス
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