つかみはオッケイ?

最近、ハヤテという作品は、執事としてのつかみは失敗していたのではないか、と考えていたりする。

というのも、マラソン大会、執事とらのあな編(得に西沢家の家に乱入してきた件)という風に、話の展開をはしょったがために評判が悪かった例がありますが、展開が速くても、西沢姉が、ハヤテと急接近するかもという願望や、お嬢の下を離れて、ひとり、試練に立ち向かうハヤテが、お嬢の大切さを強く思い知らされるといった展開がはしょられ、おざなりにしか語られなかったし、ましてや、人気キャラの西沢が、タマにキスされるという展開まであるわけですし、ただでさえ、お嬢は、いいところが少ないにしても、お金持ちというアドバンテージあって、しかも、好きな男をお金で囲っているわけで、そんな相手が恋敵の家に乗り込んで、そこをめちゃめちゃにするというのは、どう考えても、ヒロインというより、メロドラマの恋敵のほうが、よっぽど、近いだろうし・・・。好きな相手に会いたいという想いがあるからといって、免罪符になる行動でもないだろうし、読んでいる人間のほとんどは、お嬢のようなお金持ちではなく、一般市民ですから。
むしろ、ハヤテの帰りを、ハヤテに会いたいという想いを抑えて、待っていたほうが、よっぽどポイント高かったと思いますしね。
ところが展開を急ぐあまりに、さっさと合流させてしまうし、地下迷宮では、唐突に、伊澄に
ハヤテはお嬢のヒーロー」と言わせたりしたわけで、結局、話を急がせることw優先させた挙句に、読者が期待していそうな部分を確実に台無しにしているばかりか、怒りまで買ったわけだが、はたして、話をはしょっただけだろうか?
第一部は、各キャラの登場・紹介の部分もあり、書かねばならないエピソードが多くて、主要なキャラが出揃うまでに、半年以上かかったわけだし、連載開始の号では、一羽に収まり切らずに、一挙二話掲載ということもあって、畑センセの描くスピードは遅いというイメージが定着しているわけだが、そのしょっぱなを収録した、第一巻が、05年の2月中旬に出たわけですが、巻末のマンガで、没になったマリアさんの入浴シーンが紹介されたときに、「数少ない女性ファンがお色気シーンは控えてくれ」って言われているのに、というせりふがあったと思うが、よくよく考えると、これも妙な話だったりする。というのも、ハヤテは、一応、執事コメディであり、読み切りを見た人間もいただろうが、初期のころだったら、執事モノを見たい女性読者が、執事という文字に釣られて、見る可能性のほうが少なくないだろうし、むしろ、少女向け、女性向作品で、執事というのは、出てくることの方が多いと思う。ところがコミックス一巻のあとがきでは、「数少ない女性読者」という言葉が出ているように、実際には、女性読者が少なかったようで、私も、女性が管理人をやっているハヤテサイト、もしくは、ハヤテコンテンツを見たのは、なきに等しい。女性の知り合いに、薦めても、一回二回は読むけど、興味が持続しない場合が多かったりするし。
まあ、咲夜の書き方からして、男のファンはともかく、女性ファンから見れば、いい気はしないだろうし(出番が少なかったのに、たいした感情も抱いていないのに、ぬれた服で抱きついたりして、注目を浴びたわけだしね)、男から見て、悪くない話でも、桂妹の一件を取ってみても、女性から見て、いい気分はしない話というのは、話が進むに連れて、明らかになっていったわけだし。考えようによっては、執事モノではない、とみなされたとも、取れるのではなかろうか(汗)? 
執事コメディというからには、ある程度、そのジャンルに女性ファンがよってくるのは、当たり前だったりするのですが、いかんせん、クラウスは、中高年、ハヤテは借金を肩代わりされて、お屋敷につれてこられて、執事見習という仕事をやっているわけだが、その執事の仕事を紹介するエピソードが、やや、執事の仕事から脱線していたのは、ご愛嬌として(笑)、
5話までの時間をかけて、ハヤテがお嬢に人生を買われるまでを書いていたわけだが、2話の終わりで、怪我したハヤテを連れて行くのに、ヘリをすぐに呼び出したのはともかくとして、その大半が、莫大な借金を抱えた少年が、借金取りに終われる過程で、勘違いとすれ違いから、金持ちのお嬢さんを口説き落としたという話になっているわけで、あの時分、読み切り版を読んだ人間ならともかく、それを読んでいない人間のほうが、読者として、圧倒的に多かったはずなのである。
まあ、順を追って、話を書いていくというのは、当然の話だと思われるが、それにしても、何も知らない読者相手に、5週はかけすぎだろう。個人的には、時間をかけて語るという畑センセのやり方は支持するが、それと、これは別の話だ。
執事モノを見たい読者にとっては、執事のしの字も出ていないマンガで、1、2週、このマンガで言うと、3話までは付き合うくらいまでは、ある程度いるだろうが、第三話は、皆さんご存知のとおり、マリアさんの入浴のシーンや、ハヤテとお嬢の誤解で成り立つ関係が強調されたということが書かれていて、三週目、第四話にして、ようやく、執事キャラとして、クラウスが出てきたが、それとて、出番は、「ハヤテを追い出せ」という、執事らしくは見えるが、インパクトにかけるシーンであり(しかもほかの仕事を優先して、マリアさんに任せpっぱなしというのは、どちらかというと、仕事人間の父親というイメージを強く髣髴とさせるのではないか?)、その後、出てくるのは第六話であり、しかも、雇うかどうかのテストをするわけで、冷静に振り返ってみると、4週かけた後で、ようやく本題に入ったわけだ。
はっきり言わせてもらうと、この時分、畑センセは、一部の読者以外には、あまり知られていないし、サンデー読者の大部分は、立ち読み派だし、中でも、女性読者の大部分は、ガッシュやからくりサーカスといった人気作品や、ほかのひいきの作品を立ち読みで見てから、後でコミックスを買うという人が多いようだし(私の知り合いは、たいがい、このパターン)。
つまり、畑センセは、最初から不利な状況で、そこへ、何週もかけて、ようやく、じいさんの執事が出て、しかも、中学生くらいの女の子のベッドの下から出てくるのである。
男性読者や、一部の女性読者は笑って、ギャグだと済ませる人も少なくないだろうが、普通に考えれば、変態といわれてもおかしくはない言動だ。
執事コメディというジャンルに引かれた人の中には、「散々、待たせた挙句、こんなのかい!!」と怒る読者が出てきても、さほど、不思議ではないと思う。ギャグで流すにしては、あの年頃の親父が若い女の子のベッドにもぐりこむなんて、本当にいそう、と思わせる変態行為ではあるし。いや、仮にこれをやったとしても、単なる変態ではなく、お嬢を女としてみていないとか、要するに、単なる変態行為や助平根性でやっていることではないということを強調するせりふはあったほうがよかったと思うが、それなしで、「お嬢様が言うなら、それは猫だ」というのは、単に使用人として、雇い主の言うことにしたがっているだけに見られてしまったのかもしれない。
執事というのは、単に、主の言うことに「ハイハイ」いうだけでなく、主の間違ったことをすれば、毅然と反論したりして、主の間違いを正そうとするというイメージもあるわけだし、この時点で、屋敷には、お嬢、マリアさん、クラウスと基本的に三人が暮らしているということが説明されている。たいした根拠もないわけだが、この設定で、なんとなしに、クラウスも、お嬢と家族同然に暮らしているということを想像させるわけだが、実際には、こうであり単なる雇用関係以外のものを感じなかったというのも、ありえる話かもしれない・・・・。おまけに、執事をかけていないところに、この作品の執事は超人とか、言い出して、必殺技が使えないととか言い出すものの、それでも、必殺技を小手先のやり方で身に付けようとするわ、相変わらず、ほかの執事は出てこないわという展開が続いている。
一見すると、需要を満たしていそうで、満たしていなかったのだから、執事モノを求める読者にそっぽを向かれても、無理からぬ部分はあるし、執事喫茶があってもいいという超えに、数多くの賛同の声が出てきて、しかも、本当に執事喫茶が出来たということは、それを求める声が大きいわけで、そんな人たちが、いかにも、「何ちゃって執事」とわかる作品に見向きをするわけはないのであしるし、何週も待たされた挙句では、なおさらだろう・・・。
男性読者は、ある程度までは、辛抱強く付き合ってくれるとは思いますけどね。
序盤はある程度、執事ものというネームバリューに頼って、読者をひきつけないといけないのに、執事のしの字もでてこず、これでは、まあ、あの時分、叩かれたり、打ち切りスレで名前があがっても、そりゃ、おかしくはないだろう。6話以降から、執事の仕事はどんなものか、ということを書き始めたが、少し遅かっただろうし。
じゃあ、足早にはしょって書けばよかったのか、といわれるとそれも、無理な話だろう。そもそも、連載開始の号で、一挙2話掲載になったのも、話が一話分で収まり切らずに、2話にしてもらったわけだから、下手すれば、10週打ち切り(まあ、サンデーは、ある程度の期間は書かせてもらえるのだけどね)に近い状態になっただろうし。
だから、最初の1~2話はある程度時間がたち、そこそこ、登場人物が出揃った時点のエピソードをやって、いかにも執事というイメージを満足させて、その次のエピソードか、ある程度時間がたってから、「ハヤテがどうして、三千院家にきたか」という話を書いていけば、執事ものを求める読者の欲求を満たせれた、とは思うのだが。
何しろ、一億五千万円の借金を背負って、闇金業者に追いかけられているわけだし、そいつが、そんな状況から、どうやってお屋敷に着たか、そして、お嬢に気に入られたか、というのを、先にある程度、時間が経った時点の話を書いておけば、かえって、気になると思いますし、執事というねたでつかみはとっておけば、多少、描いて行くのに時間はかかっても、ついていこうという人も、もう少し、増えていたかもしれませんし。
少年向け作品の場合、順を追って、時間軸にそった話を書かないと、納得しないという読者も多いとは思いますし、少年誌では、あまり、なじみのない手法なので、ばくち的な要素が大きいとは思うが、執事キャラが主役、しかも少年誌という時点で、十分ばくちだと思いますから、いっそ、それくらい、思い切ったほうがよかったかもしれませんね・・・(笑) いや、話の描き順やスピードなど、あるいは、たいした意味を持たないのかもしれない。莫大な借金を親に押し付けられ、借金取りに追いかけられる。今のご時世なら、ある程度、リアルに感じる設定だろうし、執事とか、大金持ちのお嬢様に拾われ、執事として働くというのは、ある種、作り話の中でも、特に作り物めいた感があるわけだが、一ヶ月近い時間をかけて、そのリアルっぽい世界から、作り物めいた世界へと移行していtったあげく、でてきた執事(この時点でハヤテはまだ執事ではないし、あくまで、執事見習、それもなり立てである)が、じいさん、それも、美形のナイスミドルならともかく、やってることは変態行為というのだから、確かに、女性ファンを獲得するのは難しいかも・・・。

結局、話の進むスピードが遅くて、読者の求めるものは描かないという傾向は、形を変えて、初期からあったわけですし、一周年を越えて以降は、それが顕著になっただけみたいですね。
話を早くすすめろ、というよりかは、「長々と話を書いても、結局、こっちの見たいものを魅せてくれないなら、さっさと話をすすめて書け」というニュアンスのほうが近かったのか、と気が付いたのは、えらく最近なのですが、序盤の執事描写を引き合いに出しましたが、必殺技も、散々引っ張った割には、あっさりと、火事場の馬鹿力っぽく身に付けましたし、なおかつ、話が進むに連れて、畑センセが、ネットでの評判を目にしていて、それを意識した話作りというスタイルが顕著になってきているのでしょうけど、そのスタイルに反して、読者の見たいものを満足させていないから、そのギャップで、評判が悪くなるのかもしれませんね・・・。

ついでにいうと、執事モノに必要なのは、公私の区別というやつだと思うし、執事は、主のことを理解している存在とはいえ、主に雇われている身で、職業。ある意味、主に忠誠をもって仕えても当たり前という職業であるわけで、雇用するがわ、される側であり、職業と、プライベートの線引きがある、というか、これが執事ものにかぎらず、制服モノで恋愛物をやる上での醍醐味のひとつともいえるのだが。
主のほうは、それがゆえに、自分に、実直に仕えているのは、職務ゆえではないか、という疑心暗鬼に捉えられ、執事、もしくは、使用人のほうは、己の感情をプロゆえに、職務倫理で抑えないといけない。そして、それがゆえに、恋する感情はさらに高まるという効果も併用していたりもするのだが。おまけに、当人たちが両思いであっても、ほかの使用人や、主の家族が、それを認めなかったりするし、屋敷の中での実力者であるなら、なおのこと。
そのあたりのことを、序盤は、クラウスや、彼が仕掛けてくる腕試しがそれっぽく魅せていたのであり、しかも、恋心と恩義というすれ違いが、職務とプライベートの線引きの代用を行っていたわけだし、お嬢がハヤテのために何かをやればやるほど、ハヤテがそれをますます恩義に感じて、職務に励むというすれ違いをちゃんと描き続けていれば、あるいは、もうちょっと、執事ものを装えていたのかもしれないが、伊澄の告白以降、恋愛面はともかく、職務という部分は、白皇学園転入まではともかく、必殺技の習得もおざなりだったし、挙句の果てが、五大行事に賞金を絡ませたために、そっちに目がくらんでしまって、化けの皮がはがれてしまうし。
しかも、そのペナルティをしっかり描けば、まだよかったものを、それすらも適当にお茶を濁して、さっさと合流させたり、人にひどいことをしておいて、謝りもせずに、「どうでもいいから、力貸せ」であるとかいうし(しかも貸してしまうし)、大体、執事の名誉は主の名誉と作中でも言っているが、その主の数少ない友人にひどいことをしておいて、しかも、言いように利用するのは、どう考えても、主の名誉にはならんだろうし、逆に、数少ない友人でさえ、そんな風に扱うという風評が立ちかねないのだ、ハヤテがそんな行動を繰り返していたら。
おまけに、このマンガでは、ハヤテ以外の執事を出さない目立たせないというやり方が目立っている。つまり、執事を見たければ、ハヤテに注目するか、それ以外の執事の出番を根気よく待つしかないが、それとて、期待にこたえる描写が出来るか怪しいものであるし、ハヤテが一流の執事に成長するには、時間がかかるし、しかもそれでも満足させる執事振りを発揮するかわからない。
ハヤテは、確かにブレイクしたが、同時に久米田氏の弟子という側面もクローズアップされているし、久米田氏は筋金入りの後ろ向きさの作風で話を書いているし、ハヤテも読み切り版や、初期の作風では、その影響がちらほらとかいま見えている。
おまけに新人ということで、畑健二郎の作品がどういうパターンをもっているかの保障がない、自然に、久米田氏の作品のパターンを参考材料にせざるを得ないが、成長する新米執事の話という湯素から考えると、いささか、厳しいうえに長時間の辛抱を要求する。
しかも、アニメや特撮のように、半年、一年ではなく、いつまで続くかわからないものをである。一方、男性読者には、伊澄だの桂妹だので、萌えを提供している。
このアンバランスさは話が進むに連れて、顕著になっていくわけで、おそらくは今後も、この傾向は続いていくと思うし、まあ、そういう意味では、開き直ったと思える最近の展開も、ひとつの手ではあるのですが、それでいて、執事モノという看板だけは手放さないんだから(しかも、たちの悪いことに、完全に違うものとは言い切れない内容)、性質が悪い。
大体、最近の展開を考えると、虫のいい状況が続いているわけで、それこそ、ハヤテの立場を脅かすキャラが出た方が、いいと思いますけどね。
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by kwanp | 2006-04-20 12:07 | コミックス
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