伊澄の場合・・・

タマ以外の子猫は見たことがないのは、考えてみれば、無理もないことなんですよね。
何しろ、強力な力を持っているわけですが、いつぞやの地下鉄の一件のように、動物がびびってしまうということはありますし、うかつに近づかないほうがいいと、彼女を避けてもおかしくはないですし。変になれなれしく近づく動物は、それだけで、怪しいと見られても、不思議ではないでしょうし、あの使用人たちなら。第一、あの使用人たちも、鷺ノ宮の場合、人間ではない可能性がありますし(人外の生き物が、人の姿をとっているだけとかね)。
まあ、アレだけ、強力な力を持っている一族のようですから、屋敷に結界の一つや二つはっていてもおかしくはないでしょうけどね。強力な霊能者一族ですから、結界も厳重に張られていると思いますし、子猫あたりは、その強力な力に耐え切れない可能性もありますし。
家人が認めたもの以外は通さないような仕掛けになっていてもおかしくはないんじゃないかと。
子猫に限らず、動物は可能な限り、縁がないか、あるいは、彼女の手に触れる動物は、周りの人間によって、術とかで調整されたものということも考えられるでしょうし。

考えてみれば、彼女、結構、おとなしい顔で、きついことを平気で言いますし、しかも助けを求めにきた相手にまで、そういう態度を本人が気がつかなかったとはいえ、とっているわけですよね。
まあ、ねずみが、自分の力にびびっても平気なみたいですが、子猫が、自分のちからにびびると、へこむようですが。まあこのあたりは、普通の人間でも、動物の種類によって、態度を変える人がいますけど。それに加えて、使用人たちの過保護ぶりもありますから、伊澄に良くないと判断されたものは、徹底して、遠ざけられている可能性も考えられますし。使用人たちの過保護ガ一因で、彼女、妙に潔癖症みたいになってるとも取れる部分がありますし・・・。

彼女自身は、かなり強力な力を持っているようですし、作中でも、何かしらの依頼を受けていることがしばしばですが、修行をしている場面はないのですよね・・・・・。
少なくとも、術の修行と、精神修養はつんでいると思いますが(力を制御しないといけませんから)、それも、たいして、彼女には効果がないのかもしれませんし。
というのも、お嬢の暗闇嫌いに、伊澄もかかわりがあるみたいで、おそらくは、アレが原因で、自分の力に対して、嫌悪感とまでは行かなくても、それを完全に受け入れることが出来なくなったんじゃないかと。
彼女にとっては、一番の友達で、失いたくはない相手ですし、ハヤテを身請けしたのも、お嬢がいらないのであれば、ということでしたから。
自分の力が理由で、その相手を結果的に怖い目にあわせる(たとえ、自分お力を怖がらなかったとしても)ことになれば、それで、自分の力を誇らしげに思える人は、そういないでしょうし。

おまけに強力な力を持っていますから、その力に助けてもらおうとする人は後をたたないわけですから、場合によっては、自分に助けてもらいたいんじゃなくて、強力な力を頼りにしているだけ、と思って、依頼人を前にしても、平気で、きついことをさらりと言えるようになるのもそのあたりに関係しているのかもしれませんし。
まあ、伊澄にしてみれば、当たり前のように持っているし、そのために嫌な思いをした力なわけですが、助けをこう方にすれば、ほかに何とかできる方法がないし、わらにもすがる思いなのですから、切実な思いを抱えているというズレがあるわけです。
まあ、普通は、家族なり、鷺ノ宮の関係者が、それを教えると思うのですが、ああいう世界は、激しく、才能というか、実力主義の世界みたいですから、下手をすると、伊澄に意見できる、しようとする人間はいないということだってありえますし。あるいは、いるでしょうけど、根本的な原因が、お嬢を怖がらせたということなので、自分から、それに対して、何らかの結論をつける、折り合いをつけるということをしないといけない問題だから、あえて、今は口を出さないということなのかもしれませんが・・・・。
初登場のときの執事軍団の過保護やら、動物の件に関しても、彼女を必要以上に大事にしてくれているわけですから(多分、このあたりの周りの反応が、ワタルや、土地神相手に言った言葉のような、反応をする一因だと思いますが)、大事にされることが当たり前ですが、伊澄からしてみれば、自分だからじゃなくて、強力な力を持っているから、ということもあるわけで、彼女が、ヒーローというのに、憧れを持つのもそれが一因かもしれません。
なにしろ、ヒーローというのは、「~~だから助ける」「~~だから、助けない」というようなことは普通しませんし、目の前で、危険な目に会っている人間は、たとえ、誰であろうとも、ほうって桶にというタイプが大多数ですから・・・・・。ヒーローだったら、強力な力をもっている存在ではなく、自分そのものを、大事にしてくれる、受け止めてくれると思っているのかもしれませんが・・・。ワタルの場合も、伊澄の正体は知らないわけですから、それですきといっても、彼女にとっては、使用人や、自分の力に近づいてくる人間のソレと大差がないように見えるのかもしれませんが。
こいつは推測ですが、おそらく、伊澄の場合、今は、彼女の力は、かなり抑えられていると思うのですよ。というのも、彼女が四六時中、着物でいるのは、スカートがスース―するからということですが、逆にいえば、それは彼女にしてみれば、落ち着かないということですし、そういうときに、なにかしらのオカルトがらみの事件に巻き込まれて、完全に力を発揮できないということだって、ありうるわけです。
まあ、旧校舎の一件から、白皇が彼女の素性を知っているということは確かでしょうし、それゆえに、着物を着て登校することも認められているのだと思いますが。
おそらくはお嬢の不登校も、彼女の飛び級する頭脳と三千院家の力もあって、ある程度は多めに見られているのだと思いますが・・・・。
話が横にそれましたが、まあ早い話が、わずかな変調や、精神のコンディションでも、力は大きく左右されやすいわけで、昔のお嬢の一件が伊澄の心に、影を落としていることからも、それが、力に影響を及ぼさないわけはないでしょうし、精神修養をしていたとしても、ソレを身に付けることと、それで、学んだこととを理解して、その教えに従って、行動することは違うわけですし。彼女の場合、おそらく、そういう家に生まれて、強い力を手にして、回りの教えられるとおりに、悪霊とかを退治している、つまり、極端な言い方をしてしまえば、タマタマ、その家に生まれただけで、一番の友人にも、ずっと、ウソをついていかなければいけない(しかも、ソレが理由で怖い思いをさせているわけですし)わけですから、それがつらくないはずがない。
つまり、ソレが理由か、あるいは一因かはともかく、力の威力が、落ちている可能性はあるわけです。
しかも、自分で何とか結論や折り合いをつけないといけないわけですから、周りの人間にはどうしようもないし、それを何とかしないことにははじまらないのではないか。

ちなみに、伊澄に限らず、この漫画、子供たちのやることを、真正面からしかる大人というのはいないわけですし、クラウスがもマリアさんも、おりを見て、たしなめることはしますが、真正面から、怒ることは、余りありません(何か、進言したとしても、それが気に入らなければ、クビをちらつかせるわけですから、よほどの覚悟がない限りいえませんし)。野々原は厳しくしつけているように見えますが、あれだって、一歩間違えれば、男らしく育たない、思い通りにならないから、折檻するということになりかねないわけですし(ソレがいけないというのではなく、彼が本心から、坊ちゃんのことを考えて、心を鬼にして、厳しくしつけているという描写が、もっと必要ですし)。
この漫画、昨日もいったように、お嬢様には、大きなペットとか、お金を湯水のように使うとか、一般人とはかけ離れた金銭感覚とかいう風な、ステレオタイプなお金持ち像はかいておりますが、三千院はもとより、鷺ノ宮、橘家と、問題を抱えていそうなキャラの家というのは、一緒に暮らしている面子に、しっかりしたというか、正面きって相手を怒る大人がいない場合が多い。サキは成人式すぎていますけど、へっぽこメイドですから、、ある意味、問題外ですし(苦笑)、クラウスは仕事で屋敷を空けていることが多い。桂家の場合も、桂妹は、養父母に距離をとっている感がありますし。
メインの登場人物は、技術や知識はともかくとして、色々な意味で、導き手がいないわけなんですよね。ハヤテが学習能力がなくて、みっともない行動を取りつづけているわけですが、それゆえに長期連載を続ける余地があるかといえば、多分、そうなるには、条件は不十分でしょう。
なにしろ、そうするには、周りの人間は、ハヤテの実態には気がついていないわけですし、ハヤテは、ある時期から、まったくといっていいほど、痛い目を見ておりませんし(そのくせ、好き勝手をやってばかりで、いい目を見ている)。
痛い目を見ながらも、毎回毎回、懲りずにバカなことを繰り返して、それを、変に隠しもしないからこそ、その行動に怒りながらも、「しょうがないな」といいつつ、なんだかんだいいつつ、周りの人間は、世話を焼いてしまうわけですし。
毎回、懲りずに繰り返すといった以外の要素は満たしていないわけですし、なにより、何をやっても、その行動は大目に見られるわけで(この手の主人公がいる作品というのは、大概、ネタ扱いされて、主人公以外に人気が集まりやすいわけですけど)、そのまんま、最後まで突きすすっむこともありえるかもしれませんが、あれだけ、パロディねたとかを豊富に繰り広げている人間が描いていると、気がついているだろうと考えてしまいますから。
まあ、知識があるのと、それを活用するのとは、また別な話なので、完全に、気がついていないとは、断言できないのですが・・・・・。
だから、一周年を過ぎたあたりからのハヤテの行動は、当面、成長への布石とみることにして、評価を保留にしているわけですが、ハヤテが成長して、真正面から、しかる人間(年齢とかは関係なしに)に成長する、生きていくためには、周りの人間の機嫌とかをとることに終始していた男が、たとえ、相手に嫌われても、相手を正そうとするまでに成長するとしたら、それは確かに、新米執事の成長物語としては、悪くはないものだと思いますから。
多分、伊澄が求めているヒーローというのも、そういった側面があると思いますから。能力的に言えば、彼女もそれくらいの力はあるとは思いますが、心のほうが、そういう風にはなれないので、自分には、なれないと思い込んでいるみたいですし。
まあ、彼女が身を置いている世界で、ヘタに、その生き方をするのは、ある意味、破滅に近くなるということもありますが・・・。

仮にワタル×伊澄をやるのなら、何らかの形で、正体知ってからが勝負だと思いますし、その場合、分は悪くないと思いますからね、彼は。

ただ、ハヤテにしても、ワタルにしても、そこに至るまでが時間がかかりそうなので、そこがネックであるのも確かなんですが・・・。
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by kwanp | 2006-06-16 11:21 | コミックス
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