あくまで・・・・・・

少女漫画「っぽい」のですよね、今回のラストは。
別に少年漫画だからというわけではありませんし、少年漫画の中でも少女漫画の手法を使っている作品というのも、あります。
ただ、「ハヤテ」の場合は、執事という要素が、有名無実になったり、ハーレム状態で、あっちのヒロインやこっちのヒロインの間を行ったりきたりしているわけで(この時点で、執事失格と見られているのかもしれませんが)すし、桂妹に関しては、何度も言ってるように、ひどいことをしておきながら、謝りもせずに、しかもさっさと忘却のかなたにながして、力を借りたりしているわけですし。
おまけに、自分は親に売られた、つまり、他者の都合で売り飛ばされたにもかかわらず、自分は、目先の欲望のために、人の心の弱い部分を、徹底的に攻め立てて、平然としているわけで(こうまでする人間に育てた親に、子供を捨てた理由があると考えてしまう時点で、ハヤテなどよりも、桂妹のほうが、よっぽど、お人よしだと思うが)、しかも、ソレが誰かのためではなく、自分自身の欲望のためのみ(まあ、これ自体は他人に話していないわけですが)。おまけに、その行動を省みもしないわ、そうなるに至った葛藤も描かないのに、自分は可哀想、自分は不幸だというアピールだけはしっかりやっている(「んでもって」さんでは、キラ扱いされていましたが、こいつの場合は、アスランが関の山でしょう)。
つまり、自分の都合次第で、さっきまで優しくしていた相手を、平気で踏みつけれるところが存在するわけだし(ビリヤードの回では、お嬢を借金返済に利用しないと言ってたことを、マラソン大会では、お嬢の運動嫌いをなおすついでに賞金を得ようとしていたし、大会での行動は、借金を確実に得るというスタンスが強かった)、自分を取り巻く、状況を言い訳に使って、それで、免罪を得ようとするところもある奴だったりする。

今週の話では、桂妹がハヤテのことを意識しているということだが、どういうわけだか、疾風の本性を知る数少ない人間のはずなのに、境遇が同じであることばっかりを強調している。数週間前の話では、「ゆがんだ性格」と言ってたにもかかわらずである。
気になるというのなら、ハヤテのゆがんだ性格を踏まえた上で、それでも、気になるという真情にすれば、そっちのほうが、ハヤテを意識することの説得力が増すと思うのだが、一部のファンサイトで、ハヤテの本性を指摘されだしたことや、七巻あたりから、お色気に走ったことで、「ハヤテ許さん」といわれたことも意識しているのか、そっちの方はスルーで、境遇が同じことを強調する。
異性相手に好き勝手やっておいて、しかも、謝りもしないで、必要なときに力を貸してもらっておいて、なんとも思っていない。
どう考えても、都合のいい相手、都合のいい道具扱いでしかないのだ。しかも、それをされている女の子は、美人だわ、優秀だわ、と何拍子もそろっているが、対する相手は、冴えない、貧相な男(常人離れした体躯や、バイトで培った技術や知識はありますが、彼が身を置いている世界では、前提能力ですらないでしょう)。
しかも西沢姉に至っては、大借金もちであることを知りながらも、高いハードル(大金持ちのお嬢さんに囲われている)にもめげずに、相手を追いかけているわけで、場合によっては、疾風の本性を知りつつも好きでいる可能性すら、考えられますし。

特に西沢は、ハヤテを好きという一点を除けば、普通の女子高生なわけで、普通の女の子が困難にもめげずに、好きな男を追いかけるという点や、西沢が絡むと、桂妹は、ペースを崩されるという一点は、ぱっと見、少女漫画的とも取れなくもない。とくに桂妹のようなキャラは、少年漫画だと、美点をいくつも兼ね備えていて、非の打ち所がないわけだが、少女向けだと、この手のキャラは、決して、それだけではなく、もうちょっと、人間くさく、描かれていたりするので、それに近くなって入ることは確かです。
そういう意味では、表面上は、少女漫画っぽく見えなくもないが、西沢の恋愛対象が、大借金もちで、そのときの自分の都合で、相手への態度がコロコロ変わるわけです。
でまあ、結局は、この作品はどちらの視点がより近いかを考えれば、ハヤテのほうだし、そういったハヤテの行動のみをクローズアップして、描いて、それで、誰が喜ぶかといえば、男性読者だし、このマンガは、その主だった読者のために、萌えやお色気に特化しているわけです(インタビューで控えめというのは、あくまで自己申告であり、自分の感覚と実際にどうしているように見えるかは別、せいぜい、少年誌だから、その規制に従っている程度の意味でしょう)。
その姿勢自体が、すでに少女漫画を書く姿勢ではない(別に男向けだからという意味ではない)という理由も、そのあたりにあるのですが。

実際、女の子を養えないと、付き合う資格は無いという言葉をあのマンガで使っていること自体。男の目線でモノを書いているわけですし。

大体、ハヤテはああいってはいますが、養っていた相手に、大きな借金作られて、売り飛ばされてたのが、そもそもの発端でしょう。

親と好きな女の子を養うのは微妙に違いますし、親の性格もあるので、断言は出来ませんが、養てる相手に裏切られている時点で、そのやり方はどこかに問題があったのでは? と思われても仕方が無いでしょう。
好きな女の子と一緒になったとして、同じようなことが起きないとは、これまでの展開から見て、そう思えないので。

そういや、あの場には、美希もいたのに、突っ込まれませんでしたね、あの発言に?

まあ、確かに、最近は、結婚したら、専業主婦になりたいなんて、女性も少なくはないそうですが、でも、ハヤテのやり方だと、目先の金銭を得るために、人の恨みを買うことも少なくは無いと思いますし、ましてや、お嬢の執事でいる、しかも財産問題が片付かない限りは、三千院親族や、その他諸々の人間から狙われてもおかしくは無いわけですが、そこそこ、強いわけですから、からめ手をとる人間も出てくる。
しかし、どうもハヤテは、そこまで考えが及ぶ人間ではないのは、外泊の時などに、報告をごまかして、連絡先がわからなくなり、マリアさんが、白皇学院に出向く羽目になったあの一件で明らかですし、そもそも、その旨を告げて、西沢の意思を確認していない時点で、自分のポリシーにしか、考えが及んでいないのは、明らかでしょう。

世の中には、一緒に苦労してでも、好きな人と一緒にいたいとか、駄目ンズウォーカーな、ぱっと見にはいい女(いっときますが、半端な駄目加減ではなく、筋金は言っていないと駄目な場合が多いですが)もいるわけで。

相手の意思を確認せずに、そういうことを女の子と付き合わない理由にして、距離をとっているのは、どう見ても、相手にまで考えが及んでいないのは、確かでしょう。
特にハヤテの場合、彼を狙っている相手の中は、ちょっと関わりあった相手でも、攻撃材料にしかねない連中もいると思いますし。

第一、男の意地と誇りは貫いてこそ、でしょう。
ハヤテの場合は、借金返済のために利用しないということを、マリアさんに公言しておきながら、マラソン大会では、それをやっていたではありませんか。何があっても、己の決めたことを守り通す、もちろん、ソレで行きにくくなるなり、諸々のデメリットも或るわけですが、それでも、ソレを大事に守らざるを得ない。ところが、ハヤテは、あれこれと理由をつけて、逆に楽な方向へ、楽な方向へ走り、正当化する。その時点で、真逆なんです。
あれでは、ハヤテが口にした約束事をきっちり守れるような男ではないと言外に言ってるようなものですし、都合によって、どうとでもなるようなものは、約束事でもなんでもありますまい?
あれで、言外に、約束事は守らないと公言しているのも大差ないわけです。

曲げるなら、曲げるなりの葛藤は書いてこその物語でしょう。書かないのであれば、いっそ、台詞皆無で絵だけのほうがマシです。

だから、作中で、ハヤテが口にした約束事も、完全に信用してはいません。

私の場合は、そういう意味では、マリアさんの誕生日に、その約束が守れるかどうか、現時点では疑問なんですよね。それに、マリアさんが、ヒロインならともかく、そうでなければ、05年の12月24日は通過点に過ぎないわけです。成長が無ければ、この約束すら、破ってもおかしくは無いでしょう。だから、これを書くのには、どうあってもハヤテの成長は避けられないわけですが、桂妹相手のことでも、ソレを触れないでいるあたり、現状に流されて、ソレを書かないまま、話を進めるのでは? という疑念も捨てきれないわけで。
個人的には、06年2月14日がXDAYというほうが、可能性が高そうですし。いやだって、あの日は確実に、お嬢の料理を食わされるわけで、好きな男のためにおいしいチョコをつくろうとか、お嬢のためなら、未知の物体Xになりかねないチョコレートを命がけで食すとか、二人の成長具合が、わかりやすく表現できるじゃないですか(笑)

もっとも、それまで連載が続いていれば、の話ですが。

しかも、ハヤテの内面の葛藤とかを書かないでいるわけですから、どうとでも取れるわけでして、好き勝手やりまくってて、自分の都合で、女の子への態度をコロコロ変えて、女の子にはやたら好かれて、しかも、ひどいことをしても、何があっても、文句をいわずに、助けてくれる。そういう奴を主人公にして、少女漫画? というには、虫が良すぎるんじゃないかと思うのですよね。どう考えても、男のほうに都合のいい要素でしょう、これは。単に、4~50代のナイスミドルな執事を出せば、それで受けるってモノでもないですけどね(目線が違うと思うのだ)。
ハヤテの内面をしっかりと書いているのなら、まだしも。大体、桂妹の描き方自体、男の喜びそうな、才媛キャラの描き方ですし(美点と欠点の描き方のバランスとかね)。
だから、今の時点では、どこまで行っても、表面上は少女漫画っぽいになると思うのですよね。

大体、パロディネタでも、少女漫画ネタが使われているのは主に、男が知ってる少女漫画であって、男性読者にも知名度が高いたぐいの作品が殆どな訳ですし。

男性読者が見て、ぱっと納得できるたぐいの描き方にとどめても、おかしくは無いでしょうしね。

それに、ハヤテの場合は、基本的な姿勢からして、少女漫画や、執事として、足りない部分があるようですが・・・・・・。

おそらくは、まだ萌えやお色気に走っていない序盤のころに、女性ファンが少なかったのは、そういった目線が、自分たちのほうを向いていないというのを直感的に感じ取られていたのかもしれませんね。
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by kwanp | 2006-08-17 08:43 | コミックス
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