結局のところ・・・・

さて、アニメsolaも、最終回を迎えたわけですが、茉莉と依人の二人。本当は、一緒に消えることを選んだのですが、蒼乃のためというよりかは、
彼女の存在が重いから、という気が・・・・。

依人は、自分が人間ではなく、姉が作り出した人形だということがわかって、驚いているわけだし、茉莉はといえば、蒼乃を夜禍にしたことがトラウマになっているのでは、と思いますからね。

何しろ、元の依人は、既にいないわけですが、そもそも、蒼乃は夜禍へのいけにえとして差し出されても、茉莉はその命を奪わずに、一緒に暮らしていたように、その力を、自分の欲望を満たすために使ってはいなかったと思いますからね。そして、参院で、よそで暮らそうという話になっていて、依人は、茉莉を元に戻す方法を見つけたかのようなことを言っていた。

ところが、どういう経緯か、依人が死んで、蒼乃も後を追った。

いけにえに差し出された時点で、彼女がいた集落では、社会的に死んだことにされていたけど、彼女は、生きていた。
依人の話では、ほかの村人たちもそのことに気がついていたようで、災害に遭って、死んだと思わせる描写があったものの、私は、ひょっとしたら、村人たちが、依人を殺したか、あるいは、蒼乃が依人の死に何らかの形で関わっている、と思っていたりします。

何しろ、茉莉が元に戻ったら、場合によっては、二人がくっつく可能性もありますし、だからといって、蒼乃を粗略に扱うとは思えないけど、重要度は違ってくる(どう考えても、そうなったら、茉莉の方が重要度が高いですし)。
まあ、普通の姉弟なら、それはいつか通る話だと思います。ただ、作中での依人への態度を見ると、弟への出来合いが強いので、それが出来なかった、とか思っていたのですが、いけにえとして差し出されたことを考えると、いけにえとして差し出した蒼乃ガ生きている、つまり、夜禍の怒りが自分たちに向くかもしれない。しかし、直接は向かうのは怖い・・・、という考え方で、依人が槍玉に上がった可能性があるか、下手すれば、それが蒼乃にまで及びかけたところで、茉莉が駆けつけて、とりあえず、蒼乃に被害が及ぶことはなかったが、依人は・・・、という可能性のほうが強そうだし。

茉莉が、心まで化け物になっていなかったがゆえに、悲劇は起きたという可能性も考えられる。

いずれにせよ、彼女は、死んだ人間を夜禍として、再生させる方法を知っていたわけで、それを実行した。
何しろ、一人で生きてきたところに、自分を怖がらずに、一緒にいてくれる人間が現れて、どこか遠くで、一緒に暮らそうとまで言ってくれたわけで。
その誘惑に抗って、彼ら姉弟の死を受け入れて、その後、また一人で生きるのも、また、可能ならの話であるが、自害するという選択肢もあったと思うが、実際に、蒼乃を夜禍にしている。

結局、依人は助からなかったか、あるいは、助かったけど、再会がかなわなかったか、蒼乃一人が助かったわけで。

蒼乃は、社会的に死んだのに、自分が生きていたために、依人が死んだという自責の念をもっている上に、それがいつまでも続くわけで、依人に似せた人形を作り出して、心の支えにするようになってしまうのは、無理もないことだと思いますしね。

茉莉の方も、どうも、蒼乃を支えきれなかったか、彼女から逃げた節がありますしね。
蒼乃を夜禍にしたのは、寂しいのがいやだったというのもあるのでしょうが、考えなしに彼女を助けてしまったのではないかと思えますし。何しろ、彼女が悪いわけではなかったにしろ、彼女尾t関わったがために、蒼乃と依人の二人を追い詰めてしまったわけで、蒼乃が生きて、そばにいることというのは、そのことと四六時中、突きつけられるわけですから。
そんな状況で、お互いがお互いを思いやれるなら、すばらしいことですが、茉莉は多分、さびしいのがいやだという思いが強くて、蒼乃を夜禍にして、それを支えきれなかったし、蒼乃は依人を失った自責の念にさいなまれ、お互いにそれを、永い時間の背負っていかないといけなくなった。

依人を失い、長い時間を生きなければいけなかったうえに、長い時間を共有できるのは、結果的にはいえ、自分を追い詰め、さらには、自責の念にさいなまれたのと、依人の後を追いかけたのに、頼みもしないのに、現世に引き戻したわけですから、ショックで、どうにかなってしまっても無理はないでしょうし。
これで、依人の死を受け入れて、生きていけというのは、かなり無茶な注文な訳で。
茉莉も、蒼乃に出会ったことで人の心を教わったとか言ってたわけですから、多分、これを一人で、長い時間、蒼乃が立ち直るまで、どう支えればいいのか、というのは、それまで、人にロクに接していなかったので、わからなかったと思いますし。
多分、人にあまり関わらずに生きてきたのは、このあたりの経験がトラウマになってのものだろうと思いますけどね・・・・。

茉莉はどっちかというと、蒼乃を解放するというよりも、自分が依人と一緒に逝くという考えの方が強かったのではないか、そんな気ががしますし。
何しろ、ロクに説得もしないで、それを行おうとしていたわけですし、蒼乃がナットクしないまま、彼女を人間に戻すことを行った後、力を失った彼女が、依人の死を受け入れるとは限らなくて、依人に似た人間をさらってきて、依人に仕立てて、姉弟の振りをして暮らすということをする可能性だってあるわけですし。

まあ、そんなことをしていたら、13話では収まりきらないということはともかくとして。

たしかに、依人が死んでもういない、ということを受け入れる必要はあるのかもしれませんが、彼女らは普通の人間ではなく、時間だけは、否応なしにたっぷりとある。だからこそ、どんなに時間がかかっても、それを受け入れるように説得する選択だってあるはずで。
そういう過程を一気に省いて、蒼乃を元に戻すために、茉莉が自分の命をささげて、蒼乃を人に戻すというのは、蒼乃のためというよりは、自分のためというニュアンスが、どこか、強いように思えますし・・・・。

依人に関しても、好き勝手に生きてきて、自分が人間じゃないと知ったら、「俺は姉さんの人形じゃない」ですからねえ・・・。
まあ、自分が人間じゃないとか知らされて、パニックになりもするでしょうけど、茉莉がそのあたりをフォローして、本当に、自分が、いますぐ無に還ることが蒼乃を助けることになるのか、ということを考えさせたうえで、結論を出したか、ということには、疑問が残るわけで。
依人のパニックに漬け込んで、自分に都合のいいように、事態を持っていこうとしたようにも見えてしまうのですが・・・・。
かつての依人の死を受け入れるまで、彼女を支える選択肢だって、彼にはあったと思いますし、蒼乃が夜禍になった時の状況も似たようなところがあると思いますし・・・。

蒼乃も、自分のやっていることを、心のどこかでわかっていたと思いますし、だからこそ、不安になって、茉莉を遠ざけようとしていたと思えますし。

蒼乃を解放するというのは、多分、茉莉が依人を連れて、逝ってしまう、ある意味、蒼乃が依人に似せた人形を作ったように、終わりのない永い生を生きることに幕を閉じて、蒼乃を一人残していくことへの、いいわけのような気がしますし。

結果として、蒼乃は人間に戻り、残りの人生を生きていくことになったわけですが、まあ、そういう立ち上がって、歩いていくタイミングというのは、自分で選べるものではないにしても、この蒼乃達の姿を見ていると、過去の傷が理由とはいえ、後一歩で、ひょっとしたら、大事なものが手にはいるかもしれないというところで、自分の背負っている十字架で手一杯で、周りを見ることが出来なかったから、大事なものが手に入らなかった、という印象を受けるわけで・・・。

記憶を失っても、蒼乃や依人と関わったことを大事に抱えていた石月姉妹とか、相手のことを受け止めれた者たちが、最終的に、大事なものを手に入れたという気がしますし、自分を置いて還っていった依人と茉莉を許したか、受け入れて、自分を大事に思っている人たちのところに戻ってきたのではないかと・・。
個人的には、辻堂と繭子の二人には、途中退場したことを考えると、この定義には、当てはまらないような気がしますし・・・。
辻堂が生きている間はともかくとして、その後、繭子はどうするのか、ということを考えると、彼女らの物語は一区切りついただけですし。だから、この二人は、最後まで見届けずに去っていったのかな、という気がしますから。
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by kwanp | 2007-06-30 19:19 | アニメ
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