まだか、まだかと待ち続けて、9ヶ月

いよいよ、佐渡川氏の新連載がスタートしたわけですが、ジャンルは、ヒロイックファンタジーということですが、冒頭では、主役の鎌を持った少女と、剣を持った少年について語られて、
少女は人並みはずれて、夢は大きく、欲も深い。しかし、学ぶことを忘れた。

少年は、夢も無く、欲も無く、今日も自分の可能性を夜に捨てる。

そして、ともに、こう締めくくられる、故に路頭に迷う、と。

まあ、前作、無敵看板娘N(ナパーム)では、無敵看板娘でもしばしば取り上げられていた、ヒーロー要素をさらに強くしたものの、どうも登場人物たちのドタバタを面白いと思っていた読者には不評だったようですからねえ。まあ、ある程度完成されていた話のバランスで、無印の登場人物は、何人かが退場し、さらには、新しい登場人物をいれて、ヒーロー要素のバランスのみをさらにおおきくしたが故に、物語としての面白さを損なったのでは、と思える部分があるので、ヒロイックファンタジーという形でヒーローを語ろうとしているのかな、と思えてしまう。

無敵看板娘もそうだが、ヒーロー要素を持った作品というのは、ヒーロー要素には見向きもされなくて、別の要素、たとえば、萌えに注目が集まる傾向が強いわけで、結局、それに答えるにしても、答えないにしても、不本意な形で話を終わらせてしまう形になることが多いわけで、ストレートにヒーローを語るには、やりにくい時代ですが、その風潮に何から何まで従う義務は無いわけだし、注目されなくても、脚光を浴びなくても、語り継いでいかなければいけないことって、ヒーロー性以外にもありますからね。

ヒロイックファンタジーなら、あるいは、ヒーローを語るために模索した結果なのかもしれませんね。

月下の中、目的地に向かう船の甲板で、剣を携えた少年が震えている。
彼の手にあるのは、家族と一緒に写っている写真ですが、写真がある程度には、この世界、文明レベルが発達しているのか、それとも、冒頭で、今後の展開みたいな物が書かれていたけど、魔法の力で映し出したものなのか?
それに関しては、話が進むにつれて、明らかになると思いますが、どうやら、彼の父親は殺されている模様。

そんな彼に、船長は、甲板の解放時間は終わったことを告げるわけですが、少年は、運賃しかないらしく、部屋には泊まれないのだとか。
船長は、何とかしてあげたいものの、部屋を都合して上げられるような余裕はないと困るわけですが、少年は、その気持ちに感謝して、星を見ていたいから、と答える。
ならば、せめて、と船長は厚手の毛布を貸すが、同じように、甲板で震えている少女に、少年は、一枚しか残っていないそれを譲る。

「震えた女の子をそのままにしておくなんて、冷たいですよ、夜の風よりもずっと」と答えながら。

この少年の行動原理に関しては、冒頭のナレーションにもあったわけですが、これに関して語るのは、後にしておきましょう。

でまあ、アルトと名乗って、甲板お別の場所に移るようですが、少女は、礼のつもりか、投げキッスをして、アルトはそれに顔を紅くするといった具合で、夜はふけていkます。

翌日、港町リブリに着いたアルト。彼の目的は、目の見えない父親の代わりに出稼ぎに行った父親を探すことのようですが、サンサディアという地名しか、手がかりはないようで。

途方にくれていると、すりに路銀を取られてしまうという羽目に。生き馬の目を抜く町の厳しさにショックを受けていると、甲板でであった少女が物陰から、様子をうかがっているのが目に入り、声をかけると、彼女がパンを盗むための片棒を担がされかけます。

もちろん、アルトは断り、止めようとするわけですが、少女は、こうでもしないと生きていけないみたいな理由を口にして、己の行為を正当化します。

冒頭に、彼女は学ぶということを忘れたと書かれていたのですが、自分の欲望や夢を実現させるために、手順を踏むという大切なことを、彼女はおざなりにしているということなのでしょうね。
そして、それを手っ取り早く、かなえるために手段を選ばない(まあ、選べなかったという状況もあったのかもしれませんが・・・)。

なんというか、無敵看板娘Nでのカンナを彷彿とさせるキャラですが・・・?

少女はパンを盗んで、走り去っていく。呆然とするアルトだが、警官らしき人間に声をかけられ、共犯の容疑をかけられてしまいます。

っていうか、居合わせたのなら、追えよ警官・・・・・・、という気もしますが まあ、もう片方が、追いかけているということも考えられますし、本当に、共犯らしい人間が現場に残っているのなら、そっちまで、取り逃がすことはないですからね。

しかし、一文無しということで、疑いをかけられる可能性は高いのはともかくとして、どうやら、アルトには、彼の持っている剣を見られるのが、一番まずいみたいで、その場から逃げ出します。

町外れまで、逃げ延びた彼は、剣を覆い隠していた布を取って、竜の頭部をモチーフにつくりの剣を、まじまじと見つめるのですが、母親に合って、何を言えばいいのだと、と、悩んでいる様子。

どうやら、彼の父親の形見である剣は、あまり、好ましいものではないみたいですが?

一方、港町の領主であるウォーゼルは、地下牢を壊して、倉庫にでもしないか、と言い出します。彼がいうには、もう何年もカラのままということで、じいやらしき人が、治安がいいとかいっていますが、旅行者が財布を掏り取られたりしているわけで、ひょっとして、治安がいいのではなく、警察とか、治安を守る人たちが、頼りないのでは、という疑惑もあるのですが(汗

この領主も、こういうことを言い出すのは、効率的に物事を進めたがる人種のようですが、その場で必要が無いから、一切合財、捨てるの場合が多いですが、逆にいえば、効率的に物事を進めるなら、必要になることもあるわけで、すぐに手に入れれる、対応できるのであれば、ともかく、それに関して知識や経験を身につけている人間がいないことには、意味が無いのですけどね。

しかし、その話をしている矢先に、盗みでつかまった人間が出たので、その犯人がそこに入れられるということになり、話は流れてしまいます。どう考えても、彼女でしょうね・・。

一方、アルトの方も、形見の剣をふるい、森の中で動物を狩って、夕飯の食料を手に入れていたわけですが、どうも、かつて、すんでいた村では、狩をしている姿を見られたか、剣のことで、いじめられていたようですが、父親は、「みな、多かれ少なかれ、同じ事をしている、ただ、そのことに気が付いていないだけ」というようなことを言ってるわけですが、要するに、

パック売りの肉は食べるけど、その肉の元になった動物を殺すのは、残酷だ、ということでしょうか?

ただ、ひょっとすると、彼ら親子が動物を狩っていたのは、立ち入り禁止の山とか、信仰上、山にむやみやたらに入ってはいけない、というような場所で、動物を狩っていた可能性も、捨てきれないと思います。
つまり、父親は、そういう信仰をヨシとしていない人間、あるいは、そういう狩をすることを生業にしてきたか、生活の糧とすること生きてきて、何らかの理由で、アルトがすんでいた村に流れ着いた流れ者だったのかも?

そうでないといsたら、肉は食べるけど、それを狩る人間を差別するというメンタリティで、平和が長く続いたか、それを愛するのはいいが、それが変な風に嵩じて、武器である剣や、それをもっている人間を差別するという考えが、この作品の世界では、育っているのかもしれないが。

まあ、このあたりは、実際に似たようなタイプの考え方があるので、社会に対する意見とも取れるわけですが、だが、考えてみれば、武器を持ち、人々を守るものを、その結果を受け取っておきながら、それをさげすむという意味では、あるいは、ヒーローという存在を軽んじる人たちに対して、書き方を変えて、それを言っているとも取れる内容ですが・・・。
何しろ、前作では、ヒーロー性よりも、萌えとかを重視する考え方に、作品的にまずいところはあったのかもしれないが、それでも、一言いいたくなっても、おかしくはないよなあ・・・。

父親のことを思い出しながらも、父親を失ったことで、なかないと決めた彼は、そうなりそうな心を振り払っていると、ヒマシスカという動物が、小動物を襲っているところに出くわし、最初は、野生の一部始終に手を出すなという父親の教えを守ろうとするも、父親を無くしたことが頭をよぎり、結局、ヒマシスカから、小動物を守る行動に出て、ヒマシスカを倒して、小動物を守るわけですが、自分の欲望を優先して、世界を形成していく、命の営みに干渉したこともあって、アルトは、後味の悪い顔で、「感謝しないでよ」と小動物に語りかけるわけですが。

善行のベクトルに傾いているとはいえ、アルトは、かつて済んでいた村で、差別を受けていたこともあって、父親の教えと、村の人たちの考え方の板ばさみに会っていることも関係しているのか、そのどちらにも徹し切れなくて、その場の状況で、良いと思ったことか、あるいは、良い選択をしたと思われそうな行動をとっているのでは、と思えますしね。
生きていくために、時には、自身の良心をも封じるような選択をしてしまうという意味なのかもしれませんね、冒頭のナレーションは。

しかも、何か、女性らしきものの姿が、剣を振るったアルトの後ろに見えるなど、ただの武器でもないようですしね・・・・・・。

夜通し歩くつもりだったが、予定外の先頭で疲れた彼は、野宿を決め込むわけですが、彼が歩いていた森は、ウォーゼルの狩猟場で、一般の人は立ち入り禁止だったがために、少女も入れられている独房に、彼もぶち込まれることに・・・・。というところで、次回に続くわけですが、どうも、ウォーゼルや、アルトがいた村の人などは、作中で、ヒーロー軽視や、表面上の形は違うけど、それとタイプの似た考え方を象徴する人物として、書き出したのではないか、と思える部分がありますからねえ・・・・・。おまけに、前作では、そういう考え方に接する機会も、少なからずあった様に思えますが、そういう考えを、ヒーローの前に立ちふさがる存在として描くのには、ノウハウにことかかないからなあ、佐渡川氏は・・・。
おそらくは、アルトやこの少女が、ヒーローとして、成長していく過程が書かれると思いますが、じっくりと腰をすえて、書いて欲しいとおもうのですが、ファンタジーという形なら、多少は、こういう形式に関して、免疫があるだろうから、少しは何とかなるのでしょうかねえ?
[PR]
by kwanp | 2008-02-07 23:09 | コミックス
<< いいかげん・・・・・ しかしまあ・・・・・・ >>