彼女が死神を目指した理由

死神学者ゼルロットを父親に持つということで、ミルキィも同類に見られているわけだが、

タクティクスオウガカオスルートのヴァイスというところか?

いや、あれは、最強クラスのヤンデレカチュアと天然デニムの間で振り回された挙句、神父の息子ということで、その実態が、(特にカチュアが)ばれていないか、明るみに出ないか、あるいは、ヴァイスをいけにえに、他の子供は、安全圏に避難したかで、この二人に振り回されていたから、ころあいを見て、逃げ出したようにしか見えないよなあ、今だったら。

まあ、仲間になるロウルートでは、再び、とっつかまったわけだが(汗

うちの娘が馬車にはねられた、うちの娘が呪われた、といういいがかりというか、父親に対する畏れを、娘にぶつけることで、その恐怖を晴らそうとしているのか、何か起こるごとに、その責任をなすりつけられるミルキィ。

死神を生み出そうとして、いろいろと妖しげなことをやっているから、何か起こるたびに、その原因が、セルロット博士の研究が死神を作り出そうとしているせいじゃないか、と思いたくなるのでしょうが、それと同時に、自分たちの生活の不満を、彼らにぶつけることで、他に、たとえば、自分たちにも原因があるかもしれないことに目をつぶって、それを、妖しげな実験をしているゼルロット博士にはぶつけないで、その娘のミルキィにぶつけて、スケープゴートにしたてあげる。

この場合は、ゼルロット博士の研究が研究なので、皆から村八分にされても不思議じゃないかのように書かれていますが、別に博士の研究に限らずに、出るくいは打たれるという奴で、その集団において、突出して、違うことをしたり、あるいは、みなが目をつぶっているのに、一人だけ、正しいことを行おうとすることにも、同じような心理が働くわけですからね。

こういう場合、たとえ、その正しいことをしようとしている人間が、みなと仲良くしようとしていても、皆にとって、都合がいい要素がなくなった途端、手のひらを返して、その人物を攻撃したり、たいした理由もないか、理由になっていない理由で排除するので、あまり、信用できる行動ではなかったりするのですよね。

もっとも、金が無いから、パン泥棒、無賃乗車するミルキィも、「~~だから」という理屈を掲げている時点で、相手のことは言えないわけですが。

ミルキィは、クラスの皆が、家族や過程に関して、語っていることを耳にして、

一日一回は、必ず、誰かにぶたれて帰ってくる。

ドアをあけて待っているのは、ひたすら続く長い廊下と、どこかから、におってくる焦げ臭い匂い。

ご飯は、誰かがどっかから買ってきた野菜とか芋とかを自分で焼いたり、塩かけたり。

家に帰ったら、ただいまって、いうこととか、ただいまって言われたら、お帰りって言うことなんて、最近知った。

と、他の家庭と、自分の家との差に驚くわけですが、野菜や芋だけでも、用意されてるだけ、まだ、マシだったんじゃないのか、と思えてしまうのですが・・・。というか、母親や父親がいても、ミルキィがうらやましがるような境遇が必ずしも、そろっているとは限らないのですけどね。

ミルキィには母親はいないのですが、ミルキィ曰く、父親が殺したのでは? という疑惑があり、昔、「実験は失敗した」とか、「最後の最後まで、使えない女」とか、不謹慎なセリフを言ってたのだそうで。

魔方陣を描いて、アトモスツールを移植して、魔法を注ぎ込むという、改造人間じみた琴をやって、ミルキィの母親の中に眠っている死神を目覚めさせるのだそうです。

死神が目覚めるには特定の血筋の人間か、あるいは特定の条件を満たしたり、能力を持ち合わせている人間が、必要ということなのでしょうか?

すくなくとも、魔法の力というか素質を持っているか、魔法に関して、何らかの資質を持っているということで、ミルキィの母親の場合は、それに関する資質がなかったか、低かったかで、アトモスツールを埋め込むことで、代用しようとしたということでしょうが、やってることは十分いショッカーのそれです。


どこかから、身寄りのない子供で、条件に合いそうな子供を拾ってきては、「ゼルロット博士に捨てられたら、お終いだ」というような刷り込みをして、死神の器になるように育ててきたということもありえそうですが。
博士の見かけは若そうに見えますが、アルトやミルキィの年齢から察するに、見かけ以上に年をとっているか、あるいは、死神の魂が操っているか、年齢上以上に年をとっているということも考えられますが。

まあ、人を改造人間に改造するのは、必ずしも、ショッカーのような、悪の秘密結社だから、ということではなく、下手をすれば、私たちが暮らしている社会そのものが、一部の立場の弱い人間に、平和を守るためと称して、行っていることも、ありえないわけではないですが。

ゼルロット博士がこういうことをしている理由として考えられるのは、前回も言いましたが、

マッドサイエンティストに良くある、「作り上げてみたから」的な理由だけで、たいした理由はないというはた迷惑極まりない理由。

死神を研究しているうちに、その力に魅入られるか何かして、その力を手に入れるためか、あるいは、思想的にかぶれてしまった。

死神の封印、ふつう、アレだけの破壊を行えば、その元凶がもていた武器なんて、封印するでしょう。それを解いたのが、博士で、その思想に共鳴したか、あるいは操られるかして、死神復活を手伝っている。

死神が暴れた当時から、死神の思想に共鳴している人間は、多かれ少なかれ、いてただろうから、そういう人間なら、そういう集団なりが、死神学者や、それを支援する集団へとカムフラージュをして、長い年月を生き延びていて、ゼルロット博士は、その人物やら、集団の流れをくんだ人間だった?


どこかの国やら、八戦聖がらみじゃない領主を依頼人か、パトロンにつけて、死神を兵器として、生み出そうとすることに手を貸していたか(どう考えても、常人には制御不能だと思うのだが、自分たちで作り出せば、いうことを聞くだろうとか、思い上がったことを考えていたとか)?

特に、ことアルごとに言っていますが、この作品の世界観は、多くの人が、大事なものを守るために、血を流すことを極端に嫌っているような節がある世界ですから、毒をもって、毒を制すとかいって、死神の力を制御して、死神の力で、自分たちの平和のために戦わせる、なんて、トチ狂ったことを、平気で実行させるような人間は、出てきそうですし、命をコントロールすることで、死を乗り越えようとか、考える人間がいても(王侯貴族というのは、普通、不老不死とかに興味を持ちやすいわけだし)おかしくはないし、あるいは、どこかから、ゼルロット博士のやることに目をつぶることで、村自体が、何かしらの利益を受けていたから、彼の研究で、何かあっても、その怒りを彼にぶつけることが出来なかったのでは、
といったところでしょうか?

なにしろ、今回語られているミルキィの過去は5年以上前だが、ウォーゼルもメンバーに含まれているであろう八戦聖が、英雄と呼ばれた戦いは10年以上前のようだし。
つまり、その戦いから、誰かが、死神を軍事利用に考えるくらいのことを思いついたか、あるいは、この研究の陰に、八戦聖の中で、死神を利用して、何かをたくらんでいる人物が黒幕として、いる可能性もある。

ひょっとしたら、黒い球体も、その死神を生み出す研究が今も引き継がれていて、その研究成果だったのかもしれないが。見方を変えれば、ミルキィの死神になりたいと思わせることすら、そういう連中の思惑通りに踊っているといえるわけだが。

シャフォーは、憂い山に暮らしていて、俗世とは関係ない暮らしをしていたが、ウォーゼルは領主、スキは王女としての地位を得ており(それ相応の責任もあるが)、しかも、ウォーゼルは、大金と思しきお金を、アルト達にぽんと与えることをしていたりする。
本人たちが、その気になれば、こういう研究を行えるくらいの財力は、持てる立場には慣れるのかもしれないが。

後、ゼルロット博士の研究を軍事利用なり、不老不死なりを求めたとして、前者であれば、アルトの父親やアルトを付けねらう動機が出てくるのである。壮剣カーヴィナルは、死神に対抗できる数少ない力であるわけで、そいつが生み出された死神に有効、もしくは弱点である可能性は高い。

アルト達を消すには、十分な動機である。

八戦聖の一部が力を貸している可能性は高いが(容疑者として、可能性が高いのは、グロゼオとザイナーハだろうなあ、普通に考えると)、おそらくは、ゼルロット博士の研究を後押ししている連中が、軍事的な力を得て、急成長している勢力と、一目でわかるような連中とは考えにくい。

この作品の世界観からすると、戦って、血を流すのを常とするような人々には、強い恐れを抱くか、迫害するか、というような考え方が強いわけですから、公の国や、地域が表立って、軍事力強化のために、そういうことをやっていたら警戒するだろうし、最悪、八戦聖が動く(黒幕が、この中にいたとしても、済ました顔で、そいつらと対立するくらいのコトハするだろう)。

しかし、世の中には、こういう言葉がある。

木を隠すには森の中と。

研究に使っていた、アトモスツールは、作中の描写からすると、どうやら、世界中に当たり前のように出回っているものではないらしく、カッツのように持っている人間すらすくない、と思わせるところがある。

ひょっとしたら、八戦聖が英雄と呼ばれた戦いにおいて、こういうアトモスツールが、人々に忌避され、省みられなるような事件が、起きたことも考慮に入れておいたほうがいいのかもしれないが。

さらに言うなら、カッツは、そういうアトモスツールを親がもっていたか、それを持っていた人間と縁が深い人間なのかもしれないが。
彼は、アトモスツールを喧嘩の道具に使っていて、アルトもそうだが、彼らは、人々の理解を超えた技術や道具をあからさまに使って、人々から恐れられているという点が同じではあるのだ。

さらには、アルトを追いかけて、カッツも村を離れた。

偶然と呼ぶには、無理がある。

後、なにかというと、アルトとカッツが喧嘩するのを周りが引きとめたというのだが、アルトがいじめられていたという割には、このあたりに違和感を感じるのだが?

ましてや、カッツの言ってたように、嫌われ者同士の喧嘩は、普通は見てみぬ振りをするものではないだろうか?

狩りを見られてから、という話だから、アルトの剣の威力を知っていたから、止めた(このあたり、ゼルロット博士の研究に対する村の人たちの反応と同じものがあるが)とも考えられるが、アルトがいた村の人々は、その剣が何であるかを知っていたのかもしれない。

あそこでも、迫害しつつも、アルトの一家を排除できない理由なり、圧力なりがそこに存在していた、ということも考えられる。ゼルロット博士を支援する組織(それがあれば、の話だけど)と同じか、あるいは、それと敵対、思想的な対立をする組織なのかもしれないが。

グロゼオとザイナーハにもたらされた情報には、「カーヴィナルを持った少年」というように、カーヴィナルに関して、ある程度詳しい人間が、アルト達を監視している節があるようだし。

結論から言えば、ゼルロット博士の死神研究に力をかしているのはサンサディアである可能性が高い。死神研究に関するデータは豊富ではあるし、ついでに言えば、そういう類の文献が多いということは、アトモスツールの使い方にも、詳しいでしょうし、文献やら、研究を行えるということは、それ相応の財力もアルと考えても差し障りはないと思いますし。

ついでにいえば、死神学者なんて言葉があるわけですが、そういう連中が、サンサディアと無縁であるとは思えないし、ゼルロット博士でなくても、似たようなことを考えて、何しでかすかわからない人は、死神を研究していれば、何人かは出てくるはずですから、そういう連中を野放しにしておくのは、いろいろな意味で危険です。
ついでに言えば、そいつらが何か事件を起こして、死神研究や、死神に関する書物や闇に葬られる危険性すらあって、死神が現れたときに、対応が出来なくなる危険性も高い。
サンサディアに死神に関する文献が豊富にあるのであれば、どうしても、そこに関わるのは避けられませんから、死神学者のネットワークなり、そういう連中を纏め上げる集団ありは、必要です。
だとすれば、そういう連中がゼルロット博士のようなことを長年放置しておくようなことは、普通なら、ありえないとまではいかなくても、いつまでも、あんなことは出来ない。にも関わらず、それが出来ているということは、サンサディアに死神を生み出そうとしている考えに、賛同する勢力が存在し、ゼルロット博士の研究を後押ししていると考えもありでしょう。

ありがちなところでは、勇者を再臨させるということですが、勇者に死神を倒させて、その後押しをすることで、サンサディアが力(権力、財力など)を得れるようにする。サンサディアの勢力争い、普通なら、死神を生み出し、軍事利用する派なんでしょうけど、、前述したように、世界は間違っているみたいな思想にかぶれて、世界を滅ぼして、自分たちが、新しい世界を生み出すか、死神に、すべて滅ぼしてもらうのが正しいとかいう考えに凝り固まったのが、暗躍しているか、秘密結社化しちゃってたりとかね。そして、それを阻止しようとする一派との争いとか。

壮剣と死神の鎌はセットで、命を操る力を手にすることが出来るから、この二つを引き合わせて、手に入れることで、不老不死を手に入れようとか思い込んでいるとかね。

ともあれ、父親の死神研究に、散々、振り回されて、育ったミルキィは、母親の墓にやってきて、世間一般の母親像に関して、母の墓に語る。母親が、小さかった自分を抱きしめてくれた思い出くらいしか、母親らしいことをしてくれたためしがない、ということで、母親の墓に向かって、「怠慢だよ」と語りかけます。

いや、母親がいても、必ずしも、母親らしいことをしてくれるとは限らないのだけど。

ミルキィのような状況からすれば、無理からぬ部分はありますが、「○○だったら、そういういいことがありそうだ」と隣の芝生は青いというようなことを、うらやましがる傾向は、強いですからねえ、彼女。
それに、食事の様子を見る限り、その食材の調理方法とかを調べようというような考えには至らないわけですし。
父親が、ああですし、周りの人は、何かあると、その責任をミルキィになすりつけてきて、八つ当たりするわけですから、他人に興味を持て、というのは、酷な話かもしれませんが。
好奇心がないというより、何かを知ろうというような動機付けが生み出せるような状況ではないとはいえ、過去を理由にして、死神以外の何かを知るというようなことには目をつぶり、最低限の投資で、最大限の利益をあげようとして、短絡的な行動に走っており、何かしらの理由のせいにして、自分では、それを切り開くなりして、どうにかする努力を行わないわけですから、己の過去を、理由にして、好き勝手やっているだけで、父親と大差がないと思うのですが。

父親が、今度はミルキィを実験台にして、死神を目覚めさせようとしているわけで、それに対し、なんで、自分が死なないといけない、という怒りや、力を求める心が、死神を目覚めさせたのか、ミルキィは死神の力に目覚めて、父親に、その力をぶつけて、亡き者にしたようですが・・・・?

辛い過去があったにせよ、結局のところ、ミルキィも、パン泥棒をしたり、無賃乗車をしたり、彼女を迫害した村人たちと、大差のない姿になっていますからねえ。しかし、ゼルロット博士の最後の、不敵な笑みは、死神が生み出せたか、あるいは、別の目的があるからか?
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by kwanp | 2008-07-17 22:50 | コミックス
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