その目の見てきたものは

気が付くと、ミルキィは、倒れていたわけですが、死神が呼応したとはいえ、一時的に、その力を呼び出しただけだったようです。
アニメとかでも、無我夢中で、その力を偶然発動させたけど、その力は完全に、そいつがモノにしたわけではない、そういう状況だったのでしょう。

しかも、倒れていたのは、ミルキィが作った母親の墓がある場所。おそらくは、ミルキィが、ただひとつ、心許せる場所。周りの人たちも、親でさえも、自分にとって、心を許せる相手ではなかった。まあ、ある程度は、父親の研究というか、父親の得体の知れない人格のせいではあるのだろうけど、ミルキィ自身も、その状況に甘んじていたというところはあったのではないか、とは思いますが。
まあ、何かにつけて、ゼルロット博士の子供ということで、自分痛いし、鬱憤晴らしとばかりに辛く当たってくるような相手に従えない、従いたくはないという気持ちはどこかにあるのでしょうけど。

死神を生み出すという己の欲望のために、自分から、母親やら、自分が得るはずだった幸せを奪った父親、そして、その父親を気味悪がるくせに、その怒りや畏れを、自分にぶつけたり、自分を避けたりする周りの人間。

500年間のうちに、どういうイメージをもたれているかは知らないので、なんともいえないが、下手をすれば、イメージが膨らみまくって、世界を完全に滅ぼしたとか、そういう風に話が膨らみまくっている可能性はありそうだし(汗

そんなものを本気で生み出そうとしていて、しかも、かなり本気だとわかっているうえに、周りで何かしら、生き物が死んでしまう。
普通は怖がるでしょうしね、そんな相手(汗

怖がる方も怖がる方で、その恐怖や怒りを本人にぶつけないで(ヘタしたら殺されると思い込んでいそうだし)、ぶつけても、仕返しが怖くなさそうなミルキィにぶつけて、己の恐怖心を紛らわせているわけだしなあ。

どちらもミルキィにとっては、味方ではなかったということは確かだろうし。

クラスメイトから聞いた、他の家庭の幸せそうな話を聞いて、自分にはそれがない、ということを知ったわけですが、自分がこういう目にあわないといけないと思っていたところに、自分に辛い思いをさせる連中が、自分よりもいい思いをしているわけですから、それがうらやましかったり、悔しいと思うわけですからね。

しかも、その元凶である父親も、自分のやりたいことをやって、好き勝手している挙句、自分意こういう思いをさせている。

なんで、自分が、こういう目にあわないといけない、なんで、自分も幸せになる権利はあるはずなのに、それがない。
挙句の果てに、父親の実験台にされて、母親のように殺され、捨てられるわけですからねえ。

しかし、考えてみると、それは形や規模は違えど、世界や人は間違っていると思うことになりはしないか?

それも、死神も一方的な見方や考えで、あれだけの大破壊や大虐殺を行ったわけだが、ミルキィのそれだって、苦難を伴うが、村から逃げるとか、その気になれば、考えるなり、他にも目を向ければ、何か、見えるものがあったかもしれないのだし。
過去のミルキィの言動を見ていると、これまた、考えない、他のものを見ようともしないで、あるがままを受け入れて、生きていたわけですから。もちろん、父親のやってることに、恐れや怒りを抱く村人に対する態度は、そう簡単には変えられないが、それでも、学校の先生などは、「あなたはあなた」とかいって、理解しようという態度は見られたわけだし。まあ、その後で、ムーアが殺されたことで、この先生が、何か、憶測めいたことを言って、ミルキィに疑いがかけられたのだが、これに関しては、どっちもどっちという気はするが。
ミルキィの場合、前述したように、考えない、見ようとしないという態度が目に付くわけで、いくら、心を開いても、もう片方が、それでは、心が通じるわけはないのですからね。つまり、ミルキィ自身も、その誤解を解く努力をしなかったわけですし、うらやんでいた他の子供の過程の状況も、皆が皆、そういう家庭があるわけじゃあないし、幸せそうに見えても、ということもありますし。家庭ごとの個人差はあるわけだし、そういう幸せな状況を築き、維持する努力は必要ではあるし、いきなり、どかんと手に入ったり、天から降ってきたりはしない。そういうことを考えずに、今が辛いから、それを覆してくれるようなものが欲しいと思う感情は、無理もないのかもしれないが、それに流されるのは危険ですしね。
周りの人、すべてが無理でも、一人や二人でも、味方を作ることは、その気になれば、出来たのかもしれませんが(あくまで、その気になれば、であるし、これだって、平坦なことではない)。

自由になったとミルキィはいうのだが、状況はともかく、死神になるという選択をしたことは、多分、心までは自由になっていないどころか、それに囚われているわけですから。

そもそも、自分をこういう状況に追い込んだ連中が、死神として、自分を見るのに、それに応じているのって、全然、自由じゃないだろう。
むしろ、死神にならないで、それを乗り越えて、どこかで幸せになろうといきることが、父親のやろうとしていたことや、村人偏見から、自由でいるということの一つのあり方なのじゃないか、と思うけど。

なにしろ、死神が目覚めるきっかけになったあの実験の前に、ミルキィは、他の子供たちには、当然のように、温かい家庭で幸せそうにしている(ように見えた)のに、自分には、それがない。
覚えているのは、母親に抱かれている光景くらいなモノで、それで、哀しい気持ちになっているところに、父親が珍しく話し掛けてきたのである。あわよくば、父親が心変わりして、と、ひょっとしたら、自分にも、という期待を抱いても、不思議ではない。
しかも、それはあっさりと裏切られて、母親と同じように殺されかけてしまったわけだし。

しかし、ミルキィの状況を考えると、彼女にとっては、あの場所以外に生きる場所はないわけだし、しかも、父親の保護下で生きているわけだから、それ以外の幸せとは何かを良し悪しは別にして、彼女は知らなかったわけで。

自由になりたい、幸せになりたいというより、自分を見てもらいたいということで、そうなることで、自分も、彼らがもっているであろう幸せを手にしたいということなのだろうなあ。あの状況では、そうやっていきることが一番、よさそうな選択肢に見えたということではあるのだろうけど。
まあ、そうなったとしても、多分、ミルキィには手に入らないと思うが。
流されつつも、ミルキィには、そういう連中の言いなりにはならない、意に添わないことには従わないという感情がどこかにはあるし(ただ、その感情の発露はネガティブな方向に走ってはいるが)。
そういう人間は、どこかで、従いきれなくなってしまって、排除されてしまうか、あるいは、自分で飛び出してしまうことになりやすい。

死神になるのも、目に付く選択肢がそれで、それ以外のものは、考えようともしなかった、考える材料になりそうなものを見てこなかった、聞いていなかったからで、浮かびようがない、といえばそれまでですが、そういう風にわざと育てられた可能性も高そうですけど。

死神学者が、サンサディアと縁が深いというか、彼らが、サンサディアとかで、組織めいたものを作っているのではないか? というい推測は以前、書きましたが、死神などという、過去に大破壊を行ったものに関する情報を、集めれる限り、集めたいとか、それを研究して・・・、というような考えに至るのは、一つの方向としては、あるのではないか、と思います。
まあ、最初は、ひょっとしたら、同じ研究をやっているもの同士のネットワークだったのかもしれませんが。
その中で、死神を生み出そうとしている一派が出てきても、不思議ではない。考えられる理由としては、この世界が間違っていると思い込んで、死神によって、破壊を行い、新しい世界をつくろうとか、正しい形に戻そうとかするといったところでしょうが、おそらくは死神を生み出そうとするのも、過程の一つでしかなく、死神を生み出そうとすると同時に、それを倒せる勇者をも、生み出そうとしているのではないでしょうか?

いくら、死神を生み出そうと研究しても、それが死神を生み出すことに対する歯止めになるとは限らないし、一番手っ取り早いのは、壮剣カーヴィナルを持った勇者なのは、確かですからね。そのこと自体が記録に残っていたとすれば、誰だって、そう思うのでしょうし。

ひょっとしたら、八戦聖すら、そういう意図のもと、育成された、勇者候補の者たちだったのかもしれませんが。

長い年月を生きているのではないか、と思わせる、八戦聖の面子に入っているだろう、ウォーゼルの「まさか、この時代にあらわれたか、ようやく、ヒマしないで、すみそうだ」「人生をかけて探していたのが、・・・」みたいな発言もあったが、これは、ヒマ云々は領主としての仕事をさしているのだろうし、この時代云々は、自分の代に見つかるとはという、驚きもあるのだろうし(永いこと見つからなかったシロモノが、自分の代で見つかるというような想定は、まず、ぴんとこないだろうし)。

あと、サンサディアの代々、行ってきたことの一つだと思われるのが、壮剣カーヴィナルの発見。あの大破壊の後、死神を倒した勇者が、死神と同じような目で見られるのは明らかで、姿を消した可能性は高いですから、サンサディアが壮剣カーヴィナルを持っていない(持っていたら、それを象徴として扱ったであろう可能性は高い)でしょうし。

死神を生み出さない傍らで、勇者候補生(ひょっとしたら、勇者アルシスも、八戦聖の中で、カーヴィナルに選ばれるであろう可能性が高い)を育成したり、カーヴィナルを探索する者たちを、各地に放っていた可能性は高いでしょう。

私は、アルトの母親が、勇者アルシスではないか、そうでなくても、サンサディアの息がかかった人間ではないかとすら考えているわけですが。なにそろ、死神に関する情報を多く抱えたサンサディアに働きに行ってる彼女ですが、グロゼオ、ザイナーハが、カーヴィナルを持つ少年という情報や、アルトの父親の死に関する詳細を、彼らのネットワークから得ていたことからして、死神に関する情報を一手に抱えるサンサディアが、そういうたぐいの情報を得られない(まあ、衰退していたら、話は別だけど)というのは、考えにくい。
カーヴィナルに関しても、なんらかの情報は持ち合わせていたと考えるのが妥当でしょうし。
アルトの母親が、アルシスではない、もしくは、サンサディアにかかわりのあるものではないにしても、その素性を知って、彼女を何かの仕事で雇い入れているというのは、偶然とは考えにくいでしょう。
しかも、場合によっては、サンサディア自体が、アルトの父親暗殺に関わっている可能性だってあるでしょうし。一番の理由は、母親のいるところに、アルトを呼び寄せることでしょうけど、それで父親を殺すということは、彼が、その障害になる可能性が高いとにらんだからでしょう。
アルトの父親が、カーヴィナルの所有者で、死神を生み出して、世界を破壊させるのであれば、あるいは、彼を暗殺する理由は、目的の達成のために邪魔者を排除したということでしょうが、アルトの父親が、カーヴィナルの前の所有者と断言できるような材料は、作中にもあまりないわけですしね(アルトは自分が使えるとは言ってたが、父親が使えるとは言ってなかった)。そもそも、カッツがアルトに興味を持ったときには、既に、それを使っていて、しかも、そのときには、父親は存命だったのですし(目が見えなくなってから、譲ったのかもしれないが)。
つまり、アルトを暗殺するのであればともかく、父親を暗殺するメリットはあまりない。まあ、偶然、命を拾っただけかもしれませんが。
まあ、アルトの母親がサンサディアに行くのは、まあ、割のいい働き口が会ったからかもしれませんが、それにしたって、アルトの父親は、目が見えないわけですから、仮にアルトを呼び寄せようとしても、目の見えない人間を連れてのたびは大変なものですし、サンサディアが、それを援助したとしても、ついて、アルトに、彼らに協力するように言ったところで、アルトの父親は、反対するでしょうし。勇者を生み出すということにどこまで気が付くかはともかくとして、サンサディアの望んでいるカーヴィナルの役割は勇者の剣だと思いますが、アルトやアルトの父親は、狩りに使ったりしているわけですが、父親の方は、壮剣の使い方について、何か知っている可能性もありそうですし。勇者を生み出すということがサンサディアの目的であるのなら、この部分で、アルトの父親と意見が合わないで、彼が勇者を生み出す障害になるのでは、と判断されたからか?
まあ、アルトの母親だけでなく、父親も、勇者を生み出すプロジェクトに関わっていて、そこから、脱走したので、協力的ではないからかもしれないが。

これと同じで、ミルキィの境遇自体も、ゼルロット博士や、その背後にいるかもしれないものたちによって、意図的に生み出されたものかもしれないが。

でまあ、ミルキィは、最初は、父親や周りの人たちを見返すためのものであった死神が、どんどん大きくなっていった(殺してやりたい人間が多かった)とかいってるわけですが、ミルキィのそれまでの言動から考えると、ミルキィの方にも、十分に原因はあるような気がするけど。
なにしろ、腹が減ったらパン泥棒、無賃乗車なわけfだし、それを手にするためのほかの手段を、はじめから、スポイルしているようなところもありそうですからねえ。ひょっとしたら、手を差し伸べてくれていた人もいたかもしれないけど、多分、彼女のものの見方ゆえに、それに気が付かなかった可能性もあったでしょうし。


世間の風の冷たさに、疲れていた頃に、第一話の船上で震えていたところに、アルトの親切を受けたことが嬉しかったみたいに言ってるわけですが、まあ、アルトの場合は、事なかれ主義だし、自分だけあったかい思いをするのが後ろめたかったということもあるのだと思いますが。

しかも、その後で、ミルキィの夢も希望も背負って、その結果、自分は、釈放されたわけですしね(お金を分けてくれた上で)。しかも自分が追い求めている死神への手がかりにもなるわけで、

手を差し伸べてくれたというより、クラスメートの温かい家庭をうらやんだりしたときのように、自分にとって、都合のいい状況をもたらしてくれる相手だから、大事なのでは、という疑惑も捨てきれないのですが(汗

ただ、子供だったから、というより、ミルキィのようなタイプは、いくつになろうが、こういう姿勢でいる限り、同じことを繰り返し、水面に映った月に手を伸ばすようなまねをしてしまうので、年齢の問題ではないのだと思いますけどね。

アルトと知り合ったところで、回想は終わり、空王シャフォーらしき人物は、もう一度みたいか、と問い掛け、一人で生きていくなら、いやでも見ることになるというわけですが、ミルキィは今の姿勢を改めない限りは、そりゃ、何度でも、同じことを繰り返すから、誰でも、予測はつきますよね。

しかし、二人で支えあっていくのなら、あるいは、と二人で手を取り合って、先に進むことを示唆するわけですが、

やり口が不安を煽る占い師や、新興宗教の勧誘や教義にちかいものがありませんか、これ?

相手の不安をあおって、そこに付け込んで、自分の考えに賛同させるあたりがどうも、異論を認めないで、立場の弱い相手に向かって、自分の意見にただ従え、と威圧的に迫り、それ以外の選択肢を認めない、教えようともしない人種のそれに見えてしまうのだが。

ミルキィの性格からすれば、手っ取り早く得をする方を選ぶのは確実なわけだから、嫌な過去と、自分に有利な状況をもたらしてくれたことを天秤にかければ、どちらをえらぶか、というのは、明白ですし。

アルトだって、己の壮剣で、ミルキィに似た死神を刺し貫いたわけですからねえ。

自分の言うことに賛成させるために、情報を共感させる力を使って、かなり強引なやり口をとっているように見えてしまう。まあ、こういう幻影を使って、情報を共有、共感させる力があるからこそ、逆に、こういう強引な手段で、賛同させるのかもしれないが。
なにしろ、こうも真に迫った映像を見せられたら、言葉を費やすよりも、説得力はあるわけだからなあ。しかし、空王シャフォーの場合は、その反面、相手の心情を汲み取ろうとか、自分の考えを、自分の言葉を費やして、相手を説得するという部分では、この有利な能力に頼り切って、逆に退化している部分もあるのではないか、とさえ、思えてしまうが。

しかも、この時点でのミルキィに、アルトと一緒に進みなさい、は、一歩間違えれば、アルトへの依存を促してしまう危険性もあるのだから、慎重にやらないといけないと思うのだが。
こうも矢継ぎ早に、悲惨な過去を見せ付けて、アルトと一緒にいる方がいいと思わせるようなやり方では、逆にアルトに対する依存を強めてしまうようにしか見えないし。

むしろ、そうやって、死神になる方向へ誘導しているようにも見えてしまうのだが。アルトへの依存が、最後まで問題にならなければ良いが、依存が強い分、逆に、反動が出たとき、裏切られたとか、アルトがなくなってしまったときなどは、喪失したショックで、ミルキィが、世界に価値なしと先走ってしまう危険性だってあるわけだし。

アルトに見せた過去の記憶あたりなら、まだ、アルトの煮え切らない心に決意を迫るべく、過去の悲惨な記憶を見せたあたりでも、まだ、納得できるのだが、ただ、過去を見せて、一緒に行け、では、試練になっていないのではないか、と思えてしまうし。

空王シャフォーの能力からすれば、勇者を生み出そうとする計画があるのであれば、しるのは造作もなさそうですし。今回の話で、むしろシャフォーは、何かたくらんでいるかのように見えてしまった気が・・・。

まあ、八戦聖の言葉をそのまま信じるようなら、それはなんら、今までと変わりない。アルトもミルキィも父親の生き方に、考え無しに流されていたわけですしね。
八戦聖はいくつかの考えに分かれているみたいなので、そういういくつモノ意見を見聞きし、そこから、自分の五感で受けとめ、自分はどうするのか、と結論を出す過程を書いていく、ということか?

もうあんな日々は嫌だ、と思ったところで、アルトと再会するミルキィ。再び、二人とも、手を取り合うことはできるのでしょうか?

もっとも、シャフォーの見せた映像が強烈過ぎたために、それを味わうことへの拒否反応が強く出てしまいかねないのですけど、さて?
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by kwanp | 2008-07-24 10:06 | コミックス
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