来るべき別れ?

アルトやミルキィに八つ当たりされたヤック族は、仲間のところに戻って、パピル族が人間と手を組んだ(本当は、極ごく一部とは知らないのだが)事を知らせます。

パピル族の長老は、アルト達のことを理解しかねるという態度を取るわけですが、アルトはサンサディアに行くため、ミルキィは死神になるためですが、後者は、周りが死神扱いするなら、本当になってやろうじゃないか、という開き直りというか、世間への反発。死神になること、それ以外、何も無いから、死神になりたいだけの話ですから。

そんな理由で、遺跡に踏み入られて、しかも、敵対する部族との間に、感情的に気に食わないから、と波風立てられるのですから、そりゃ、巻き込まれた方としては、たまったものではありませんよね。

まあ、立ち入り禁止になるまでは、おそらくは、何人かの人間が、踏み入ったこともあるでしょうけど、接触する人間は、考古学者か、墓泥棒ですから、どちらも、ベクトルは違えど、欲で遺跡に踏み入っている人種ですから。中には、遺跡群や出くわした葉っぱ人間に敬意を持って接した人もいるでしょうけど、おそらくは、少数派だったと思いますしね。
ましてや、パピル族より、人の文明の方が進んでいるわけですし、進んだ文明の方が攻撃的である場合が殆どなのは、実際の歴史でも、証明されていますからね(葉っぱ人間の存在は、隠されていると見ていいわけですが、やはり、風のアトモスツールがらみの理由なのでしょうか?)。

話を戻しますが、葉っぱ人間が、人間に接触したことがあったとして、その印象をよくする可能性は、低いと見たほうがいいでしょう。おまけに、あの外見ですから、なおさらでしょう。

長老はリリフに、なぜ、アルト達に接触したかを問いただすわけですが、事情を説明して、手を貸してもらいたいとのことですが、あれじゃあ、自分たちのことをよく思ってもらいたいという自己正当化にしか見えません。
エルの兄は、考古学者の端くれですから、自分たちの暮らし方とか、自分たちを取り巻く事情を説明しても、耳を傾けてくれたのでしょうけど、ミルキィは墓泥棒というか、ヤック族に価値観が近いので、リリフの説明に耳を貸してくれませんでしたしね。ミルキィはもっともらしいことを行っていましたが、早い話が、長老たちの態度にむかついた、ただ働きがいや、ということにつきますし。

パピル族は、戦いを嫌って、ヤック族に追い立てられていたわけですが、リリフは、仲間が死んでいくのがいやだとかいうわけですが、ヤック族も、アルトとミルキィがやったことを、人間全体がやったと思い込んでいるように、リリフも、エルの兄の態度を、人間全体の態度と思っている節があったので、相手に力を借りるための交渉の術を間違えていたというか、自分の尺度だけで、話をする連中ばっかりだったというのも、不幸の原因だったのでしょうけど。

まあ、パピル族がヤック族を嫌う理由というのも、パピル族は、水と土、太陽の光があれば、あとは何もいらないと主張していたわけですが、ヤック族は、食べることを覚えたといいますが、
そのために土地や水を必要としたということは、まあ、動物の肉も必要としたのかもしれませんが、植物とか、農耕文化とかいってるから、作物を育てる(おそらくはノウハウのいくらかはカイルン遺跡から、入手したのでは?)ということは形は違えど、同じ植物を食べるわけですし、ヤック族で食料難に陥った場合、パピル族を襲って、上をしのいでいた可能性も考慮しておいた方がいいのではないでしょうか?

色々と考えてみたのですが、単に食べることを覚えただけでなく、それによって、共食いに近いことをやってのけるようになった。それも、自分たちの腹を満たすために。アルトが、周囲から迫害を受けたのも、彼ら一家の狩猟スタイルが、周囲から浮いていたのですが、多分、理由としては同じで、アルトのように、壮剣のような強力な装備はもっていないと思うのですが、アルトのような人間が、群れをなして、閑静な住宅街の近くに生息し出したら、そりゃあ、関わりあいたくないのは当然でしょうね・・・・・・・。平和に暮らしている一般人のあつまりと、アルトやミルキィのような人間の集団が、戦ったら、大抵は、後者の方が勝つに決まっていますし、前者は、戦うための本能を持っていないとすれば(植物の中には、獲物を捕獲するための能力を持ったものもあるのですが、それはおいておいて)、どれだけ数がいても、戦う力を持った人間の方が強いに決まっています。アルトやミルキィが迫害というか、いじめを受けていたのは、あくまで、単体、もしくは、少数だったからで。
彼らの考え方はともかく、ヤック族に恐れをなして、隅っこに追い立てられるのは、彼らの平和主義だけが理由ではなさそうです。
まあ、パピル族からすればすれば、戦うということは、元は近い部族だっただけに、戦っているうちに、自分たちもヤック族みたいになってしまうという恐れを抱いていて、それに対する説得力は、強かったのでしょう。
ヤック族に立ち向かっていったパピル族も、そういう意味から、ヤック族に立ち向かおうという考え方を持っていることで、仲間たちから、ヤック族と同じような目で見られて、考えを理解されずに、単身、或は少数で、ヤック族に戦いを挑まざるを得なかったのでしょうし。
要するに、ヤック族とパピル族、そして、彼らの住んでいるところに踏み入る人間の問題は、人種差別であって、それをある意味、分かりやすく描いたから、ああいうビジュアルになったこともあるのでしょうね。
だから、部外者がパピル族に戦えというのは、ある意味では、無責任な押し付けとしかいいようが無いのですよね。

リリフの考え方は、時代劇とか、ファンタジーとかで、ならず者に支配された村を抜け出して、外の世界で腕に覚えのある人間に助けを求めるという村人のそれなわけだよなあ、形が変則的過ぎるけど。

そういえば、人間をバリバリと食っていましたよね、死神って。

死神&勇者=ヤック族 パピル族=人間をあらわしているのかもしれませんが。

一方、エルは、アルト達に身の上話をしているわけですが、エルの兄は、妹をほったらかして、研究三昧の学者馬鹿だったようです。エルは、つまらなかったとか行っていますが、そりゃ、そうでしょうね、家庭に仕事を持ち込んで、しかも、それで、家族は自分のこと、ほったらかしなんだから。
おまけにピクニックにかこつけて、遺跡調査、いくら、すばらしいこととはいえ、それを一方的にわかれというのも、無理な相談ですし。それを理解するのには、それを理解するだけの知識や技術といった下地が必要になりますからね。
結局、エルは先に返って、兄貴は帰ってこないまま。エルは博士のお世話になって、学者になって、兄が夢中になっていたものを理解したわけで、兄を探すとともに、兄が夢中になっていて、彼が見たであろうものを、自分も見たい、興奮したいということで、カイルン遺跡にやってきたわけですし。

唯一の生き残りじゃあなかったのですね。しかし、自分が途中で飽きたために、さっさと帰ってしまって、その後で、兄が行方不明。罪悪感とか、トラウマになるのは、無理からぬことですよね。

つーことは、あの格好は趣味か、考古学者に伝わる伝統的スタイルか? その話を聞いて、気合を入れるミルキィ。
一方、アルトは、死神になりたいミルキィ、兄と同じものや、その先を見ようとするミルキィと違って、自分はどういう思いで、戦えばいいのか、と悩みます。

まあ、先週の話で、狩り云々とか言ってたのは、そういうことをして、暮らしていた家に生まれたから、それを行っていたというようなニュアンスで、ミルキィの滅んでしまえという発言を聞き流していたわけですし、度々、それを匂わせる発言をしておりましたしね。
ミルキィと一緒にいるのは、自分がミルキィを刺したくは無い、嫌なことはしたくないという、以前にも説明した、アルトの行動原理からですし。
サンサディアにいる母親に、父親の死を説明しにいくのは、父親の死を知らせて、母親と、かつて住んでいた土地を離れて、狩を止めて、静かに暮らしたいということを相談するため(そういう家に生まれたから、狩をやっていて、いじめられたり辛い思いを嫌というほどしてきたから、そういう思いをしないで済む様な、暮らしをしたいと思っているのだと、私は踏んでいる)ですから、父親が死んで悲しいのは、ウソではないでしょうけど、その後も、一人で、母親の帰りを待ちながら、狩をする気にはなれないから(そうやって、暮らしていくほどの理由が無いから)、サンサディアに向かったのでしょうしね。

ヤック族の待ち受けるカイルン遺跡で、その数の多さに、アルト達は怖いと思うわけですが、ミルキィの咆哮で気合を入れて、気分を切り替えて、戦闘開始というところで、以下次号となるわけですが、

パピル族とヤック族の民族紛争を考えると、この二つの部族は、前述したように、世界の縮図であり、アルト達は、立場的には、ある意味、ヤック族に近いわけですが、サンサディアに行くための近道のため、言ってみれば、自らの欲望のために、ヤック族と戦うわけです。
おそらくは、パピル族は、リリフの説得で、自分の大事なもの、家族とか仲間を守るために、立ち上がると思うのですが(さすがに、ミルキィのあの身勝手極まりないセリフで立ち上がるというか、心動かされるのは、どうかと思うし)、アルトはそういうような思いはなく、ミルキィと一緒にいるのも、ミルキィが死神になって、自分が彼女を刺し貫くようなことをしたくは無い、嫌な思いをしたくは無いからに他なりません。

あくまで、自分のためでしかないのです。ミルキィの場合も、父親や、周りの人間を見返すためという利己的なものや、道中で嫌な扱いをされたことへの仕返しみたいな思いがあるわけで、命の輪廻を形成するであろう、死神と、その対になるであろう勇者の使命とはかけ離れていると思いますし、この推測を別にしても、二人の言動は自分勝手なことには変わりない。
まして、ミルキィは、パピル族の事情を鑑みずに、彼らの態度が気に食わない、という理由だけで、滅んでしまえなどという暴言を言ってのけたりもしている。
パピル族の思想は、世界の考え方を投影したものであり、その考え方によって、アルトは人々から、いじめられたり迫害されたりしていた。それでも、狩を身につけるほどの理由は、彼にはなく、強くなるというのも、おそらくは、迫害やいじめを受けないための自己防衛に過ぎない。
ヤック族との戦いで、生きるために力をふるい、人を傷つけることをなんとも思わない彼らの姿と、自分とミルキィは大差が無いことに気がつき(少数か、群れをなしているか程度の違いでしかない)、自分が力を持っていて、その力に対する責任に関して、考えるようになり、そして、ミルキィが今の態度を改めないで、死神になることに拘り続けるのであれば、今の状態は、お互いに依存しあっている危うい関係であることを考えると、アルトが今の自分の状況に気がついて、そこから、考え、変わろうとして、それをミルキィが受け入れられないという可能性が高いので、その変化は、今の二人にとって、亀裂になる遅かれ、早かれ、二人の決裂は避けられない。

この変化を促進させるのが、ザイナーハというのは、容易に思い浮かんでしまいますよね・・・・・・。

場合によっては、二人旅は、一時、解消することになりかねないこともありうるだろう。
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by kwanp | 2008-09-25 22:27 | コミックス
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