って、一歩間違えれば

今週のクレヨンしんちゃん、EDのデスペラートはアクション仮面。まあ、ネネちゃんのうさぎも、飲みにくるわけだから、アクション仮面が出ても驚くことはないか(汗
まあ、昔は30分3本だったのが、今は26分で、2本+ED代わりのショートコントっぽい話という構成になっているわけで、金曜五時半からの25分だったのが、今の日曜朝7時半30分に変ったスーパー戦隊の逆パターンというようなものともいえるわけだが。一時期、スーパー戦隊は、変に、今風の複雑な方向に話をもっていっていたりしていたわけで、日曜日に時間が変ったことで、時間が増えたことでそれがやりやすくなったところもあるのかもしれないが。まあ、金曜日でも、ジェットマンのような作品があるにはあったが。
デスペラートでアクション仮面が飲みながら、戦いについて悩んでいるところへ(16年も戦っていれば、戦いに関して、むなしいとか考えたくなるときはあるわな)、おやじさんこと、マスターヨダ(永井一郎さん)がアドバイスの言葉を口にするわけですが、分からない人でも名前と声優さんで想像がつくかもしれないですが、一歩間違えたら、別の作品になっちゃうよ、な光景なので、おやじさんが、

「君が戦ってくれるおかげで、わしゃ、こうやって焼き鳥屋をやっていられるんだ、感謝しているよ」とか、アクション仮面を慰めたり、

「未来を読むのは難しい 弱気になってはいかん、ウソや偽りで不信を広めるのも奴らの武器

自らの心を鍛える、不信や恐れ、執着を捨てよ 感覚を研ぎ澄ます 迅速かつ果敢に行動を起こせ、まだまだやるべきことはいっぱいある、やるかやらぬかじゃ、やってみるはない」とアドバイスを口にするのですが、

アクション仮面に言いたいことを言ってるとかいって、突っ込まれるものの、こういうセリフを、ヒーロー相手にすらすら言えるのは、これでヒーロー相手に納得させられれば、十分に技でしょうね、このセリフ。このオヤジさん自体、前は、高級レストランのシェフで、他の飲食店を見下していたのが、焼き鳥屋で焼き鳥を食べてから、考えが変って、焼き鳥屋を開くようになったのだそうで、そういう経験からも、相通じるものはあったのだと思いますが。

ただ、ツッコミを入れられたということから考えると、ヒーローって言うのは、もっともらしく聞こえる相手の言ってることに惑わされないで、相手の本音を見破るスキルというのも結構、必要とされるので、アクション仮面にこう突っ込みを入れられたということは、どこかで、引っかかるものがあったということなのかな?

いってることは、十分、的を得ていると思いますが(ヨーダのセリフをパロっているのだろうけど)、もっともらしいことを言っていても、それが相手のためを思ってのセリフじゃなくて、自分をよく見せようとか、りっぱに見せようとする虚栄心から来るものだというのは、聞いている側には、あっさりと見破られることって、結構ありますからねえ・・・・。

今回の場合は、いってることは的を得ていたわけですが、クレヨンしんちゃん、カンタムロボでも、「殺しあうだけのパワーアップはたくさんだ」とか、ロボットアニメの現状を皮肉っていたり(まあ、よくアニメで言われるリアルというのは、ロボットアニメの場合、殺しあうためのリアルであるわけですしね。

このショートパートでは、アクション仮面がアクション仮面のまま、酒を飲んで、愚痴を言っているわけで、昨今流行のヒーローだって人間だ、とかいう考え方をあらわしているともいえるわけですし、マスターヨダの言動は、それに対して、一部のファンやら、スタッフが、ヒーロー者に対する自分の考えを、さも、不変の真理のようにといているけど、実は対して、よく考えられもしていなくて、ヒーローをいびつな形にゆがめているだけの一個人や一部の考え方に過ぎず(もっと、具体的に言うと、一部の男性のオタクや、考え方的に呼応しやすい一部の女性のオタク)、その声がでかいから、それに引きずられてしまって、ジャンルや作品を変な方向に導かれてしまって、逆に作品を低迷させることを皮肉っているのかもしれませんが。

私の場合は、真っ先に連想するのが平成ライダーだったり、ネット上で取り上げられ、話題にはなるけど、彼らの理屈からすると、面白い作品なのに、不当な打ち切りを喰らった作品になるわけですが、彼らが持ち上げるのに、都合のいい要素があるから、持ち上げているだけで、たいていの場合、打ち切られても当然の問題点は、その作品に潜んでいたり、あからさまに横たわっているけど、、そういう部分には、都合のいいうちは目をそむけている事が多いのですよね。

まあ、このアクション仮面のやり取りの場合は、そういう例もあるのかもしれないけど、脚本がムトウユージ氏なので、一部の熱烈なクレヨンしんちゃんファンが自分を批判するのを皮肉っているのかもしれませんが。

ムトウ氏は、熱烈なクレヨンしんちゃんファンからは評判が悪い人なのですが、「三分ぽっきり」とか「歌うケツだけ爆弾」とか、結構、ヒロイズムに関して、考えさせられる話を劇場版では書いているわけで、ここ数年顕著になっている、ヒーロー的な人物に対する嫌悪感の風潮を考えると、そういう風潮で嫌われているということのほうがおおきいのではないかと思えてしまうのですけどねえ。
というのも、三分ぽっきりでは、どこにでもいそうな普通の家族である野原家が、ヒーローになって、怪獣と戦うことになるのですが、ひろしとみさえは、その力に溺れてしまい、家事や仕事をやらなくなってしまうという、もっともらしく、理由をつけて、ヒーローの力に溺れて好き勝手をする大人の構図そのままでしたが、戦いに終わりが近付いて、怪獣が手ごわくなったら、気後れしてしまい、理由をつけて、戦うのを避けるようになったりする姿も、ある意味、そのまんまなのですが、そのままで終わらせずに、しんちゃんが、「オラはひまわりのお兄ちゃんだから」という風に強力な怪獣に立ち向かっていく姿に、目を覚まして、家族で力を合わせて戦う姿が描かれるわけですし、「ケツだけ爆弾」では、野原家の愛犬であるシロに爆弾が引っ付いてしまい、世界を取るか、シロをとるかの選択肢を迫られるなか、シロも世界も救ってしまうという内容で、彼らにシロの引渡しを迫り、シロを宇宙の彼方に放り投げて、シロごと爆発させようとしている組織国際宇宙監視センター、略してウンツィは、人々の安全を守る組織である。
だが、彼らは悪ではないが、彼らは大部分の人の安全と平和を守るものであり、それを盾に、しんちゃんにシロの引渡しを迫っているわけで、大部分の人々のために、一部の人たちを差別したり、迫害したりする社会の構図そのままでもあるわけで、しかも、作中では、長官である時雨院が、それらの理屈を口実にして、自らのスケジュールを優先することをしていることが描かれているわけで、前述の構図が、一部の人間の都合で作られるという構図も表してさえいるわけで(対照的に、そういう人間の指示に従う者たちの中には、個人個人は、善良だったり、優秀だったりする人間も少なくはなかったり状況もかかれているわけだが)。それを相手に、大部分の都合で切り捨てられるものを守り通すだけでなく、世界も守って見せたというのは、結果的とはいえ、ヒロイズムに通じるものがあるのではないかと思えるものがあるのだが(ちなみに、以前、ハヤテが、劇場版クレヨンしんちゃんの作品に、一部のエピソードが似ていると言ったが、あくまで似ているのは、表面上のストーリーだけで、こういったヒロイズムまで、忠実に受け継いでいるとは、これまでのハヤテのストーリーを考えると、受け継がれているとは思えない)、三分ぽっきりでは、ヒーローに変身する力を、野原家が手に入れるということで描かれていたものが、ケツだけ爆弾では、そういったオブラートには包まれていないで、どこにでもいる普通の家族が、どこにでもいる家族のまま、大事な家族と世界を、二択の中からどちらかを守るのではなく、両方とも守ってしまうわけで、そういったストーリーがおっきなおともだちのカンに触ったのではないか、とさえ、勘ぐりたくなるのではあるが。なにしろ、アニメや漫画などで好まれるリアルというのは、どこにでもいるような人間だからこそ、何も成し遂げられなかったり、間違いを犯してしまうという方向に走る理由に使われることが多いわけで、ここで語られているムトウ氏が手がけた作品の方向性とは、ある意味、相容れないものである場合が多いわけだし。
ムトウ氏の監督したクレヨンしんちゃんの映画は、他にも踊れ!アミーゴ! などもあり、コンニャクローンというクローン人間に街の人間が取って代わられていく中で、自分の大事な人間が、本物かどうか信じ切れない中、事件を解決していくというものであるが、極限の状況の中で、己を頼りにして、自らを騙そうとするもの、信じていいものを見極めるという、この映画の内容と、今回のアクション仮面のEDパートは、マスターヨダの言葉に耳を傾けながらも、それを言いたいことを言ってるだけと指摘するあたり、これまた、そっくりというか、合い通じるものがあったり、仮面ライダー電王+しん王では、電王本編よりも、電王をよく捉えていて、それを表現できていたこともあり、こういうヒロイズムをかけるからこそ、今のご時世というかおっきなおともだちに批判されやすい人なのかなと勘ぐりたくもなるのだが。
ちなみに、商業的にも好成績を残していた(毎年、利益が上がっていたのだそうで)ムトウ氏が降板し、初期の劇場版を手がけていた、熱烈なファンにも評判が悪くはない本郷みつる氏に監督を交替した今年の金矛の勇者は、商業的にがた落ちだったのでそうで。
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by kwanp | 2008-11-01 00:00 | アニメ
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