後三十分になりました。
昨日はアレがあったので、景気付けもあって、紹介し切れてない本を一気に紹介したのですが、あまり、やるものじゃないですね、こういうのは(苦笑) ともあれ、来年は自分にとっても、他人にとっても、いい年でありますように。 それでは、皆さん、よいお年を!! ■
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by kwanp
| 2004-12-31 23:32
というわけで、最後のひとつですが、角川ビーンズ文庫 霜島ケイさんの「那智&銀狼」シリーズ。これは96年から98年に、講談社から出ていた同名シリーズの再販なのですが、
これが、よくある表紙とイラストだけ変えたような、単なる再販ではなく、書下ろしと、新キャラが登場します。 その前に登場する面子は、有名な実力派というか、体育会系霊能力者の息子なのだが、獅子はわが子を千尋の谷へ突き落とす、のたとえのごとく、父親から感動されて、修行中の霊能力者の水無月那智。と、その那智に取り付いている日本狼の精霊、銀狼。 更に那智の幼馴染で東大卒のエリート刑事のはずが、霊能デカを自称する変な刑事の尾方と、那智と尾方を同性愛にしたがる腐女子で、押しかけ助手の大崎香奈と、基本的にこのメンバーと、ゲストという組み合わせで、話が形成されるわけですが、ビーンズ文庫版では、もう一人、強力な飛び入りキャラが現れるのです。 その名は黒木剛(くろき つよし)、那智の父親の右腕と呼ばれた男にして、卓越した霊力の使い手、三年前、とあることが原因で、破門され、その復讐の手始めとして、水無月の家にのろいをかけて、精神的に、父親の弟子たちを追い詰める、 と、表面上だけなら、よくある復讐モノなんですが・・・、 この黒木ってひと、字は、はじめてみた人は、何の疑いもなく宇宙人の交信メモみたいに思ってしまうほど、下手だし(笑) 学校のマラソン大会では、道に迷って、後一歩で遭難しかけるわ、文化祭でトンカチを振るうと、自分の腕を叩いて、全治一ヶ月と、女だったら、無敵のどじっ娘なんじゃないかというくらい、へなちょこで、破門された理由も、悪霊に同情して、恨みの相手を呪詛して、つるっぱげにしたというものだったりする。 そして呪いの方はというと、ヘビを出すはずが、字が下手なのでキノコになってしまい、しかも次から次へと生えて来るという、これだけなら復讐といえなくもないのだが、 呪った方が呪った方なら、呪われた方も呪われた方だったのだ(違う意味で) なんと、那智の母親は、このキノコをすべて、料理してしまったのだ。ちなみに、味はエリンギ風で、バターいためにするとおいしいのだそうだ。 それはさておき、毎日、呪いのキノコが食卓に並ぶ日々に、弟子たちの精神が参ってしまい、更には、那智の父は、イギリスの霊能力者サミットに出かけて不在。 というわけで、那智にお鉢が回ってきたわけである。ところが、水無月も除霊に関わったことのある、とある不動産会社に、黒いおはぎのつぶれたような化け物を従えて、黒木が現れ、人々に危害を加えていることを知らされ、黒木と対決することになる那智。 ところが調べていくうちに、とんでもないことがわかる、その不動産会社はいわゆる、地上げ屋で、それに関わる仕事で、とある老人を死なせていたのであるが、それをもみ消して、その土地を買収しており、しかも、 前述の化け物の正体は豹の姿を与えられた子犬だったのだ。 飼い主を殺された子犬の復讐に手を貸していたわけですが、どうやら黒木剛、絵心もなかったようである・・・・・・・。 その子犬は、飼い主がひき逃げされた現場にずっと陣取って、引き取ろうとする人や、披見所に連れて行こうとする人が出てきても、飼い主が帰ってくるのを待ち続けた結果、亡くなってしまったわけですが、 「飼ってやればよかった、無理やりにでもつれて帰ればよかった」 という雨の中、黒木さんで口に出る黒木の嘆きだけが、あたりにこだまする。 結局、黒木が破門されたのには理由があった。それは彼が優しすぎたということだ。優しすぎるから、目の前の霊たちの訴えに耳を貸してしまい、手を貸さずにはいられなくなる。それがゆえに、取り返しのつかないことにならないうちに、那智の父親は彼を破門したのである。 破門されたぐらいでは彼のこの性分は、収まらないようで、子泣き岩(死んだ子供が、岩に取り付いたもの)を拾って、その除霊方法を探す間、水無月の家に預けておいたり、挙句の果てに、成仏できない女子高生に体を貸して、彼女が好きだった相手、つまり、那智とデートしたりと、最新刊では、いつにもまして、体を張っているのだ。彼のどの過ぎたお人よしぶりは、ある意味、「ブレイド」の立花さんを超えているといっても過言ではないだろう。彼には睦月のような弟子はいないが、彼一人で十分、おつりが来るというものだ。 しかも、この話、おちというか、裏話まであり、これを書いた霜島ケイさんは、ホラーを書いたら、ギャグになるという人で、業界では、ギャグ作家として認識されている。ところが、黒木さん初登場の「風とともに祓え」が出たころに、10年ほど続いている「封殺鬼」シリーズ・最新刊では、主役の片割れが死ぬかも知れないという悲劇を予感させる展開がアッかれており、ギャグが全くない重い展開だったのだ。 つまり、「封殺鬼」の最新刊の反動がでて、黒木さんのようなキャラが出てくる話を書いたのではないだろうか、と私は見ている(笑) ということは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、 今書かれているであろう、最新刊も、相当に重いってことですか、黒木さんの話のはじけっぷりから察すると(汗) 続きを読むのが、ちょっと怖いです、霜島センセ・・・・・。 ともかく、講談社版のエピソードは、後ひとつ残っているので、もう一冊は確実に出るのは、間違いないので、今度は、黒木さん、なにやら化してくれるかと思うと、楽しいやら、その反動で、他の作品がどうなってるか、こわいやらで、期待半分、恐怖半分で、非常に気になるところです・・・・・・。 ■
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by kwanp
| 2004-12-31 22:22
| ライトノベル
というわけで、今年のお気に入りコミックスライトノベルトップ10(順序と順位は関係ありません) ラスト2です。
今度は花とゆめコミックスの「親指からロマンス」 これはマッサージをしている少女と、タラシの男の恋愛モノなんですが、そもそものきっかけは、主人公の東宮千愛(とうぐう ちあき)が森泉陽介の体が目当てだったりします。 ・・・・言い方が端的すぎましたね。要するに、マッサージの達人である千愛が、こりにコリまくってる陽介に、マッサージさせてくれ、と申し出たことから、「俺を本気にさせたらな」という条件の勝負になったのですが、 実は陽介、この勝負に別の目的があったのです。 というのも、千愛の双子の姉の明佳は、男をとっかえ引っかえして、もてあそぶ性悪女で、しかも、陽介の弟がこれに引っかかって、もてあそばれた挙句、ぼろ雑巾のように捨てられたわけで、その復讐のためにこんな勝負を申し込むのですが、当然、双子であることを知らない、陽介は、話とは違う千愛の態度に戸惑いながらも惹かれます。 でまあ、それを陽介のことを知った明佳は、千愛の振りして近づきますが、たらしの陽介には、一目で見破られ、眼中にな扱いを受け、その腹いせに千愛を人質にとって、陽介をいたぶろうと、取り巻きの男たちをつれてきますが、 千愛のマッサージ技術に、全員返り討ちにあいます。しかも、そのときの決め台詞が、 つぼ押しって、人を気持ちよくするだけじゃないのよ、同じつぼでも強く押すと急所になるの、長年やっていれば、女でも大きなダメージを与えられるつぼにね と、どすが利いてます。ただの気弱ヒロインかと思っていたら、とんでもない切り札を持っていました(笑) 好きな男のピンチに、颯爽と得意技でもって、窮地を脱する。 正直に言います、萌えました、このときの台詞と表情で(笑) でもよい子も悪い子も、よほどの場合じゃないときには、真似してはいけません ともあれ、お互いの誤解が解けて、二人ともカップルとなったわけですが、やることはしっかりやってます。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・といってもマッサージですけどね(笑) 他にも、好きな女の子にひまわりを一輪挿しして、「俺はお前の太陽だからな」とか、真顔で言えたり、ギャルげーをやりこんでいるらしい、マッサージのプリンスこと、マッサージ研の珍獣にして、千愛と明佳の兄でもある東宮武(とうぐうたけし) ちなみに、東宮兄妹は、マッサージに関しては天才的な沙腕を持っているので、こっているツボがイメージとして現れるツボーズという存在が見えるのですが、武の師匠になると、ナビ機能までついているようです。 まあ、その武の好きな相手で、千愛の友人、ぱっと見は小学生っぽい(らしい)相沢優奈。 武のことは憎からず思っているが、テレゆえか、こぶしで突っ込みを入れるなど、ハードな愛情表現が目立ってますが、傍から見れば、良い相方です(笑) 最初は、この武と優奈の組み合わせでラブコメだったんですが、この二人、ラブラブバカップルなので、山あり谷ありのラブコメよりも、コメディにしかならないような気がしますし、「M(マゾ)とN(ナルシスト)の肖像」のように、コメディ向きのカップルでも、状況設定が、それっぽかったら、それでも何とかなったんですが、そっちのハードルも高くないですからねえ(笑) 更に、マッサージ研の会計係で、見かけだけなら、容姿端麗、頭脳明晰と何拍子もそろってるクールビューティですが、堂々と、早弁をしたり、意外と人見知りが激しかったりと、制服やユニフォームに関しては、譲れないこだわりを持っていたりと、見ていて飽きない先輩、阿部夏江と、マッサージ部の部長で、夏江に、いろいろな意味でかわいがられている、まあ実際にかわいい性格なのだが、一応部長の春海千歳(実は良いとこのぼっちゃんらしい)。 まあ、この面子を交えて、はれて恋人同士になった千愛と陽介は付き合いだすのですが、マッサージを介しての恋なので、色気というのが全くありません。それをじれったく思ったのか、優奈などが入れ知恵というか、恋の手ほどきをしますが、この優奈も優奈で、好きな相手からもらいたいプレゼントが、本人お手製による、東宮武人形なので、まともなアドバイスに名りゃしません(笑) しかも、千愛は、それを真に受けて行動して、っと、良くも悪くもお笑いのコンボが炸裂します(笑) そして、武の師匠で、マッサージ界随一の使い手を交えた、夏合宿を経験して、やってきた、裏マッサージ大会の招待状、勝てば、莫大な賞金、負ければ罰ゲームが待っているという、大会に、3 ON 3で挑むことになり、マッサージ研からは、千愛、武、部長の三人が選抜され、出場し、ハシでたくさんの豆粒をつまむ速さを競ったり、肩の凝り具合や足の張り具合で、目的の職業の人間を当てる種目など、トーナメントを余裕で勝ち抜きます。 さらに、少年誌ほど引っ張りませんでしたが、裏のマッサージ大会にて、千愛たちと激戦を繰り広げた、山茶花高校。コンセプトは怖い学校でして、 最初に登場したのが、髪を緑に染めていて、見た目が怖いために、いつもサングラスをしているが、実は性格的には、非常に間抜けでお人よし。しかも、低音ボイスを聞かせて、相手を足腰多々無くしてしまう、とんでもない特技の持ち主、三姫周(みひめ あまね)。 三姫の一年後輩で、関西人、見た目が男っぽいので、初対面の人間は、ほとんど、女だと気がつかないという(たぶん関西弁のせいもある)、自分の学校ですら迷う方向音痴、黒松。ちなみに、三姫も全く気がついてなかったらしい(笑) そして、部長で、解消したコリが悪魔のイメージを伴って実体化するという悪魔のイリュージョンというマッサージ技を使う男、桜ノ宮恵太(さくらのみや けいた)。ちなみに山茶花の部長は、美しさ、強さ、怖さを身に付けていないとなれないようで、山茶花高校の美の基準は毒々しさなのですが、ヘリコニアのうつぼ蔓のような美を持っているのだとか。強さに関しても、部活中、私語をしているものには鉄建制裁という容赦のなさ、怖さはいうまでもなく、悪魔のイリュージョンと、余裕で、部長の条件を満たしているようです、桜ノ宮は。 まず、部長と桜ノ宮がぶつかりますが、怖いものが苦手な部長は、あっさり敗退、 さらに、桜ノ宮を、武が秘儀・薔薇の舞で、下しますが、不意をついた低音ボイスで、武を行動不能にして、周の勝ち、しかし、武も、おとなしく負けたままではいません、ギャルゲーをやりこんで、知り尽くした男、東宮武、妹に、袖をつかんで上目遣いで、周を見るというしぐさで、周を動揺させて、あっさり撃退(笑) 黒松の感覚を遮断する無音の前に苦戦を強いられますが、陽介のエールで、あっさりと調子を取り戻して、勝利を収めて、優勝しますが、改めて、字にしてみると、お馬鹿な戦いですよね、これって(笑) 大会が終わった後も、千愛の激写騒動やら、山茶花が千愛たちの学校にマッサージの助っ人として、出張してくるとか、いろいろあるのですが、それはまた別の機会に紹介するとしましょう。 ■
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by kwanp
| 2004-12-31 20:26
| コミックス
「水と器」 新書館 ウイングス 山田睦月 作
霊力はからっきしだが、人の世話をやくのは向いている、生臭坊主と、人形を作る技術は一流だが、心が欠けているために、妖かしに魅入られやすい人形ばかり作ってしまう、人形師を書いた時代物。 名うての人形師の養子だった彼は、生臭坊主と知り合い、彼に頼まれて人形を作って、それを供養していくうちに、少しずつ、人形師として、人として大切な何かをみにつけていくのであるが、そんな時、生臭坊主が、長年追っていた鬼が、見つかり、彼は姿を消す。 その前夜、坊主が人形師の家にやってきて、作ってほしい人形があると、頼みに来るのであるが、本人もわからないまま、人形師はそれを断り、坊主は、いつもと違って、拍子抜けするほど、あっさりと引き下がって、旅に出てしまう。 そして、作中のところどころで語られる、坊主の過去。坊主の過去は、零落した家柄の武士であり、坊主が追っていた鬼は、彼の実の兄だったのである・・・・・。 そして、彼は、兄と決着をつけるために、全てに幕を引く覚悟で、兄と対峙するが・・・ といった感じの話で、空っぽの器に、少しずつ液体が満たされていって、それがいっぱいになっていくような過程で、物語は進行していく。ふつうなら、坊主も人形師も、主役ではなく、惨めなまま、終わっていく敵役になりそうなキャラクターだと思うが、それを主役として、登場させ、かけていたつきが、まん丸になるかのごとく、ゆっくりと、成長していく、という過程は、派手さはないが、静かに、それでいて、何もかも、受け止めて、昇華するような懐の大きさのようなものを感じる。 最初から完璧な人間など、どこにもおらず、間違ったり、回り道をしながら、自分の足で、手で、大事なものを見つけて、人は成長していくのだ、ということを、人形師の人形の果たす役割の変化とともに、しっかりと書かれた作品で、坊主の、兄や過去を決着をつけるくだりと、その後のシーンは、この作者の作品を知るものなら、時代物の体裁はとっているが、この作者らしいと、納得せずにはいられない終わり方である・・・。 ■
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by kwanp
| 2004-12-31 16:55
| コミックス
タイトルがアレですが、武装錬金ではありません。途中からとはいえ、毎週レビューしてますから、今年のお気に入り、リストアップするのは、あえて、しませんでした。来年の今ごろだったら、一年を総括する意味合いもこめて、別枠でやるかもしれませんが。
それはさておき、今回は「機動戦士ガンダムシード アストレイ」 王道ではない、という意味合いを込めて、名前をつけられたMSとそのパイロット、そして、それに関わるもの達の物語。 「SEED」本編の主人公、キラ・ヤマトが行きがかり上、ストライクガンダムに乗って、ザフトと戦った少し後、人々が非難したプラント・ヘリオポリスに、ジャンク屋のロウ・ギュールが乗り込んでいって、見つけたMSアストレイ。更に、傭兵部隊サーペントテールのムラクモガイが、それを始末するために、ヘリオポリスに乗り込みますが、依頼主の裏切りで、ガイも追われる身となり、二体残っていたアストレイのうち、局地戦用の装備を研究するための機体、p03、通称ブルーフレームを操り、赤いP02、レッドフレームに乗ったロウの協力もあって、追っ手を撃退します。 そして、借りを受けたら返すものだ、というロウの言葉によって、青いアストレイは、ガイの手に渡ります。 さらに、彼らがヘリオポリスに来る少し前に、プラントを脱出した金色の機体p01と、3対のアストレイは、王道ではない、それぞれの道を行くことになります。 このアストレイの物語は、いくつかの媒体で語られていますが、今回は、少年エースで連載されていた戸田氏の「ASTRAY R」についてレビューします。 基本的なストーリーはときた版「ASTRAY」と同じですが、ときた版はアストレイのストーリーをストーリーの大筋を語っているのですが、戸田氏のは、ロウのジャンク屋としての生き様に重点を置いて書いているのではないかと思います。 それがよく語られているのが、二巻収録の「大切なもの」で、新兵器の実験で、恋人を無くした女性を、情報屋のケナフ・ルキーニがたきつけて、ロウに対してちょっかいを出すわけですが、その女性が、亡くなった恋人の乗っていた、実験用のザフトの量産機ジンと、それに収められていたデータを破壊しようとして、爆弾を爆発させるのですが、ロウはそこに飛び込んでいって、彼女とデータを無事回収するのですが、彼女を止めようとしたのももちろん、データを守るために。もちろん、ロウは、死んだ男とは面識はない。しかし、一人の男が、己が守るべきもののために、命をかけて、作り上げたデータ、その生き様を認めるがゆえに、データを無に帰して、その生き様を無駄死ににさせないために。 彼には、モノには使命がある、そしてそれは人を幸せにするためのものだ、その信念に基いて、行動している。しかし、それと同時に他人が信じているものも、真正面から受け止めて、それが誰かを幸せにするものであれば、自分の考えとは異なるものでも、何の先入観も持たずに、素直に認め、受け入れようとする。紹介した、「大切なもの」と後に、新しいロウ達の宇宙船となる「リ・ホーム」の頭脳中枢となる、GGユニットを手に入れた「エヴィデンス01」では、その彼の姿勢がよく現れており、私個人としては、この二つのエピソードを、「R」の中で上位にしたいと思っている。もちろん、他のエピソードも、十分、面白いので私が上位にカウントしなかったからといって、つまらないわけではない。この二つのエピソードに限らず、アストレイに出てくるキャラクターたちは、自分の大切な何かはもちろん、持っているが、それを信じながらも、唯一絶対のものとはせずに、他人も同じように自分の大切なものを持っていて、可能な限り、それを尊重して、時には、その道を進む手助けをしようとしたりもする。 しsて、その信念がラスボスだと思われていたロンド・ミナ・サハクの心すら変えていき、民のために、自分は宇宙ステーションに一人残り、連合やザフトに対するおとりとして、彼らを欺き続け、真のオーブ復活の時期に備えて雌伏の時間をすごさせることすら、決意させるのだ。 「R」のクライマックスで、ザフト11番目の機体リジェネイトガンダムとの戦いなどは、まさにそれを象徴するもので、バックパックが本体で、ガンダムボディを壊されても、パーツを変えれば、何度でも復活するリジェネイトに対抗するために、これまで知り合り、認め合ってきたものたちが、集結し、リジェネイトに大破された、ロウのレッドフレームを、パワードレッドに、バージョンアップし、リジェネイトとそのパイロットを撃退し、大規模破壊兵器ジェネシスαによる大量殺戮を回避させる。 その後、このジェネシスαを推進機関代わりにして、ロウたちは火星へと旅立つのだが、その出発間際のごたごたで、ジェネシスαにあったMSを改修したアストレイアウトフレームを、ロウから受け取ったのが、「D ASTRAY」の主人公、ジェスである。 結局、今年の初夏頃に連載が終了した戸田版アストレイは、「DESTINY」には、顔を出していないわけであるが、そのせいか、tv本編ほどではないにしても、まえほど、爽快なテンポを感じない気がするのだ。個人的に追うのであるが、戸田ASTRAYは、良くも悪くも、TV本編ほどではないにしても、作品的に問題があった部分を、彼自身のセンスで、よい意味で荒唐無稽に仕立て上げて、物語として楽しめる代物に昇華させていたのではないかという気がしてならない。 おそらくは、ときた版以上に、ロウの生き様がピックアップされていたのも、そのぼろを見えなくするための対策だったのかもしれない。だからといって、「R」が、駄目な作品なのかというと、そんなことはもちろん、なくて、目くらましをするにしても、それは、見ている人間を楽しませようとする趣旨に基くものであるから、そんな目くらましなら、大歓迎だと思う。 復活してくれるなら、なお大歓迎だが・・・・。 ■
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by kwanp
| 2004-12-31 16:09
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「プラネットラダー」 コミッククリムゾン刊 なるしまゆり 作
月光クロイツと同じ雑誌で、創刊時から連載されていた、人気漫画家なるしまゆりさんの作品で、これまた、月光クロイツと同じように、一巻丸ごとかきおろしという仕様で、5月ごろに、最終間が出て、完結している。 無数に存在するパラレルワールドの中で、人が存在する9つの世界。そして、その世界は、遠くないうちに衝突して、滅亡する。そして、それを回避できるのは、まなないの娘と呼ばれる少女に選ばれた、ひとつの世界だけ。 そんないいつたえをたよりに、あなないの娘と呼ばれる少女、カグヤを巡って、いくつもの世界をまたにかけ、そして生きている武器を操る、不老不死の者たちが争いあう。 かつては滅びを回避するために、皆が生き残れるために、手を取り合った者たちが、敵味方に分かれて、合い争う。その中でも、最大の力を持つ七界(ゲオ)とその皇帝クラは、穴内の娘を手に入れて、七界が生き残るために、六界と八界を、傘下におさめた地心火炎晶(ジオパイロゲート)の使い手、バンビに滅ぼさせ、あなないの娘を手にするのは、自分と七界だといわんばかりに、覇道を突き進む。 そんななかで、カグヤは、かつて滅亡した世界の王子で、現在は、かつての友の姿をしたロボットをはべらせた男、狂王子とよばれる男セーウと係わり合い、さらには、同じ歴史を何度も繰り返している賢者メシエと知り合い、一人でも多くの人間が生き残れる道を探そうとする。 が、そんなカグヤを、クラが見逃すはずはなく、彼女は、七界に連行され、クラと直接対決する羽目になる。 そして、皇帝クラとの対決の中で、カグヤは自分はあなないの娘ではなく、一人の無力な小娘にすぎず、あなないの娘というのも存在しないことを看破する。 それはカグヤの兄と、メシエが作り出した偽りの希望、滅び行く世界に希望を与え、絶望の世を照らす一条の光にしようとしたはかりごとに過ぎなかった。希望なしで、生きていけるほど、人は強くないからだ。 そして、クラはそれを更に利用して、世界を纏め上げ、滅亡を回避しようとして、どんな手段をも、選んで、実行してきたのである・・・・・・。 やり方は違えど、それはすべて、今日と同じ、しかし、少し違う明日を迎えるために、彼らは、滅びを回避しようと、己の道を歩く。 そして、その結果、全ての生きる武器の所有者が一同に会し、滅びを免れるかもしれない大博打に挑もうとするが・・・・・、 と、最終巻のあらすじをかいつまんで説明しましたが、これでも、全てを語っているとは思えないので、興味を持った人は、一回読んでみてください。その価値はある作品です。 滅亡にさらされながらも、それでも、明日を迎えるために生きる人たちの物語。この手の物語によくありがちな、なげやり感というのもは全くなく、最後の最後の最後の瞬間まで、生きることをあきらめずに、自分たちの生きる世界を守ろうとする姿は、人の強さとか、たくましさとか、やさしさを見た気がします。 結局、詳しくは語りませんが、万事、丸く収まる、とまではいきませんでしたが、それでも何とか生き延びて、今を生きている、というところで、物語は終わり、カグヤの兄、カガミの手紙で幕を閉じます。 自分の妹がいてくれたからこそ、自分はこうして、世界が衝突する未来を変えるために、その力を手にして、戦っていられると。偽りの希望として作られた伝説であったが、彼にとっては紛れもない事実だったのだと。 全てが終わった後、と全てが始まる前と二つのときを重ね合わせて、そこに希望がある、それを指し示したところで、全七巻、六年に及ぶ物語は、本当に終わりを告げます。 なるしま作品は、いくつかあって、完結している作品は少ないわけですが、どれだけ、過酷な状況に叩き落されても、なにかしらに希望を見出し、強く、優しく、傷ついた人間が、己の足で立ち上がり、道を行くのを、最後まで、温かく見守る、どんな状況でも、人には、人を思いやる優しさがあるのだと、そんなところがあるから、この人の作品は好きなのかもしれません。 ■
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by kwanp
| 2004-12-31 15:19
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「月光クロイツ」 クリムゾンコミックス刊 羽崎やすみ 作
話は、月臣源(つきおみ げん)が昔、自分の家で家政婦をやってた庚の電話を受けたことから始まる。変質者に付きまとわれている、雇い主のお嬢さんのボディーガードをしてくれ、と。 源は、人の姿のまま、狼人間の力を使う狼男の上位種、人狼(ひとおおかみ)で、小さいころ、満月の晩にビルの屋上を、ひとっとびしたところを庚に見られて、写真までとられてしまっていたので、それをネタにされ、しぶしぶ、久瀬光(くぜ ひかり)のボディーガードをすることになった源は、その騒動の結果、光も人狼(ひとおおかみ)だということを知り、なし崩し的に関わることになるのだが・・? ガンダムwのパロディマンガを書いていた羽崎やすみさんの狼男もので、「風のたてがみ」 という少女漫画で出てきた、人の姿のまま、狼の力を行使する人狼(ひとおおかみ)の設定を使った作品。 作中では、源と光のほかにも、人狼のクロード・ルビエや、人狼の力を狙う秘密結社狼団(ひみつけっしゃおおかみだん)や、その背後にいるルーカンパニー、そして、継母の万平美園(よろずだいらみその) そのだんなで、女癖の悪い、源の実の父親の月臣正(つきおみただし) 半分、血のつながった弟で、ブラコンの沙月、御園の秘書で、忠誠心は篤いが、思い込んだら、妙な方向へ突っ走りまくる狼男の川岸、庚の孫で、女装趣味の史野、といった顔ぶれで話は展開する。 そして、光は、満月の晩に、銀髪の姿に変身するタイプの人狼で、源の母親の形見のクロス(十字架)で、月の満ち欠けに関係なく変身できるようになるのだが、実はクロードも、同じタイプの人狼だったことが、判明して、事態は急展開を告げる。 しかし、3巻の最初に収録されている、このエピソードを書いたところで、03年春に、コミッククリムゾンは休刊となり、実質、8割がた、書き下ろしの第三巻は、それから一年ほど待たねばならなかった。しかも、最初は、03念年末に発売される予定であったが、それも延期になり、04年春にようやく発売されたのであった・・・・・。 書き下ろしの三巻では、狼人間の力を抑えきれなくなっていく、クロードを何とかしようとする過程を軸に、美園と、その親友だった、源の母親、小夜子の過去が語られる。 御園と、正は婚約者で、小夜子が、正とくっつく形になったのだが、御園は、正のことは、兄弟以上の感情は持っていなくて、むしろ、二人のことを応援していた形だったのだ。 しかし、一人取り残された形になった御園は、それを紛らわすために荒れてしまい、それを何とかしようとして、満月の晩に、ドライブについてきた小夜子は、事故で、しかも、御園を助ける形で亡くなってしまい、満月の晩だったこともあり、自分が助からなければ、小夜子は死なずに済んだのではないか? と思わずにはいられなかった御園は、人狼について調べ始める。事情を知っているものとしては、当然といえば当然の行動であった、その結果が、狼団という秘密結社に結びつかなければ(笑) 人狼とはいえ、ベースは人間なのだから、その力があって、目の前で友達が死にそうになっていれば、手を差し伸べるのは、当たり前だろう。それに、小夜子だけが助かっていたとしたら、今度は、小夜子が、残された人生を、後悔したままで生きていたような気がするのだ。 強い力があっても、大事な友達一人救えない力など、あっても邪魔なだけに過ぎない、そう思っても、おかしくはないだろう。 そんな意味合いの言葉を口にして、「だからもう気にしないでくれ」と源は、御園を説得し、 長年のわだかまりは幕を閉じ、御園はルーカンパニー、ひいては狼団を解散することを決意する。 だが、クロードの問題はまだ解決しておらず、月の狂気に駆られて、クロードは光に牙を向けてしまう。 10倍返しにされて、病院送りになったのはともかくとして 核戦争の脅威を特集した番組を見て、美園が勢いで注文してしまった核シェルターに、クロードを、暴れても大丈夫なように隔離しても、時間稼ぎにしかならない。 源は史野をつれて、クロードの故郷へ、光は庚の実家に手がかりを求めようとする。 事件がおきたのは、そんなときであった。ルーカンパニー解散に納得しきれない川岸は、こっそりと、人を狼男、狼女にする薬の試飲会を開くが、おりしも、満月でハイになりすぎた狼男達は、町へ出て暴れようとし、結果、クロードを引っ張り出さざるをえず、更には、応援&クロードを制止にきた光までもが、人狼のアイテムをいくつもつけていたために暴走してしまう。 やることなすこと、ド派手というか、大味な美園が用意したヘリで、駆けつけた源も、光を相手に戦わうことを迫られるが、 光とクロードは、狼の要素を強く受け継き、動体視力に長けた狼系で、源は制御に長けた巫女系の人狼。一長一短はあるものの、両者が戦うと、後者が振りにならざるを得ず、追い詰められていく、源。 だが奇跡は起こり、光の暴走を止め、クロードももとに戻って、故郷に帰り、全ては丸く収まっり、源は、しばらくの間、母親の形見のクロスを、史野に預けて、物語は終わる。 私個人は、獣人フェチではなく、羽崎さんのお馬鹿で濃い芸風が好きだったので、読んでいたのだが、どうも、この作品、獣人に変身しないという点が大きくマイナスに働いていたらしい。 動物の姿に変わる、もしくは、萌えな猫耳姿になるのが、この手の作品を愛好するものの、つぼみたいなのだが、人の姿のままなので、強い存在に変わるという願望は満たせず、一般的な狼男は雑魚扱い、という点がお気に召さないのだと思う。 しかし、人の姿のまま、狼の力を行使する、というのは、使いようによっては、正体を隠して、人間社会に溶け込むことを要求される獣人ものの物語として、成り立つ余地を十分満たしているので、そんなに悪い素材とも思えないのだが、世間はそうは思ってはくれないようだ。 ちなみに、羽崎さんは、コミッククリムゾンでは、「月光^」の前に、「奇跡でGO!」という魔女の孫に生まれた、双子の少年の話を書いており、この二人、祖母に、後継ぎになることを強要される話なのだが、もし、クリムゾンが休刊にならなかったら、今度は、吸血鬼ものか、忍者者か、霊能者物でも書いていたのか、非常に気になる。実現することはないのはわかっているのだが。 ちなみに、現在は、羽崎さん、まんがタイム系列の雑誌で、OLもののギャグ4コマを書いているので、機会があれば、紹介する予定だ。 ■
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by kwanp
| 2004-12-31 12:34
| コミックス
・・・・・・・・・・このタイトルでネタの趣旨がわかった人は、かたぎにはなれません(笑)
トリパロは、まんがタイムの新雑誌「MAX」の創刊号に載せられた、きらら執筆陣によるトリコロのパロディという趣旨で、作られた企画で、(以下敬称略)師走冬子、新条るる、ととねみぎ、藤島じゅん、愁☆一樹という顔ぶれでかかれたもので、まあ、今年の春から夏ごろまで、トリコロの作者の海藍氏の急病による休載で、きらら系列の雑誌の売上がおちていたので、その関心を取り戻すための一手だったのである。 別にそれ自体はかまわないが、たった8Pは少なすぎるだろうという気がする。 まあ、きらら系列の人気作家によるトリコロ作品というのは、興味をそそるものだし、作家賛同しでも、付き合いのある人たちは、知り合いの作家さんのキャラを巻末のあとがきに書く、とかHPに寄稿している人も少なくないし、書いてる人たちもパロディ作家出身の人たちも少なくないから、企画としては悪くない気がするのだが、小ぢんまりまとまっている印象が否めないのだ。 トリコロが人気漫画だし、売上減の中、へたなことやって、イメージダウンにつなげたくはないのだろうが、この手のコラボレーション企画は、「ボーボボ」と「DETHNOTE」のコラボレーションものと一緒で、やはり、一味も二味も、パロディする人間の持ち味を加味しなければいけない気がするのだ。 そして、こういう企画にこそ、もっと、新人とかを起用すればよかったのだと思う。こういうときに思わぬ起用が思わぬ結果を引き起こすのが、代役の面白いところなのだ。「セーラームーン(アニメ版)」で、三石琴乃さんが病気で倒れたときに、荒木香恵さんが代役を見事こなして、その後、ちびうさ役として、レギュラー入りしたりとか、偽黄門役をやった人が後に、黄門役を射止めたりとか、この手の企画には、何が起こるかわからない、混沌振りが欠かせないのだ。ところが、それをきららの人気作家で固めて、無難にまとめたから、可もなく不可もなくという結果に終わってしまったのだ。 ではどうすればよかったのか? 個人的には、丸々一冊、トリコロのパロディ本をやっちゃえばよかったのだ。それも、一部の人気作家だけじゃなしに、きららとか、まんがタイム系列の作家さnを無作為に選ぶとか、新人に書かせるとかで、トリコロのキャラを書けば、書き手のカラーを前面に出すのも認めるくらいの事をして。原作者であっても、いやそれだからこそ、気がつかない盲点というのは存在するもので、人気作家が、もとネタに忠実に書くだけよりも、新人や、変り種の作家さんの中には、こういう点を面白く突いてくる作家さんというのが、必ず存在するので、けっして、悪い考えではないと思うのだ。 それに、じつをいうと、この手のやり方に例がないわけではない。 それがお題に乗ってたもう片方の「GO! WEST」なのである。 これは漫画家の巣田祐里子さんが、今はなきア二パロコミックスに連載していたマンガで、 掲載雑誌の休刊により、打ち切りを余儀なくされた作品である。基本は「西遊記」を元ネタにして、百封の瑠璃に力を奪い取られ、13歳の子供になってしまった師匠、三蔵を元に戻すために、弟子の孫悟空、妖魔ハンターの海王、竜姫、性別不明の如意棒が、ものみの谷を目指す話で、それ加えて、悟空の親友アルファルファも、氷漬けにされて、連れ去られた姉を取り戻すために、新米妖魔ハンターの七生、運び屋コンビとパーティを組むことになり、二つの軸で物語が運ばれていき、やがて、それがひとつになるはずだっただけに、作者による簡潔編を見てみたいものだが、今となって、実現は難しいようだ。まあ、せめて、西遊記を紐解いて、ファンなりに想像力を働かせてみるほかないだろう。 現在は、愛蔵版全三巻に、それまでコミックス未収録だったものや、かきおろしもふくめて、完全収録されているので、手に入れるのは容易だ。 さて、実は90年夏に、ア二パロ作家総出で、一冊丸ごと、「GO! WEST」な別冊「AND NOW3」が発売されて、更には、そのなかで、MARIKOさんが書かれた「MISSCAST」という、星矢キャラが演じる「GO WEST」が連載化されたという冗談のような話がある(笑) まあ、パロディ雑誌だから出来たという声も聞こえてこようが、これくらいのことをやるパワーがないと、きらら系列も、生き残りは難しいような気がする。海藍氏の作品は確かに面白いが、その人気がいつまでも続くとは思えないし、そうなったときに彼以外に柱となる作家さんがいないと、後は休刊が待ってるのみである。今回の休載は、その言い練習台となれたはずなのだが、うまく活かせたかどうかは、後の時間が判断するほかないでしょうね。 ■
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by kwanp
| 2004-12-31 11:26
| コミックス
昨日、久しぶりに遠出をして、テイルズ、TH2と、いろいろと買ってきたわけですが、その際に、いつも、東映の特撮モノのビデオ(DVDにアラズ)を買いに言った際に、毎年一月から発売が開始されるライダーもののビデオを予約しとこうと思ったのだが、
DVDのセルスケジュールはあるものの、ビデオの発売予定がまったくない。 新婦情報と格闘すること10数分、一月はどうやらファイズの最終巻が発売されて、しかも、2月に予定はないとのこと。 不審に思って、東映ビデオのHPを覗いたら、2月はキューティーハニーのビデオのみ。 ブレイドのブの字もないのである(汗) 現在、問い合わせているところだが、下手をすれば、DVDオンリーという答えが返ってきそうで、ちょっと怖い。 一応、DVDプレイヤーはあるのだが、ビデオのほうは、DVdの半額で売っているから、いろいろと都合がいいのだ(笑) 売ってる店は限られてるので、遠出をせにゃいかんのが、難点だが(笑) ■
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by kwanp
| 2004-12-30 08:24
| 特撮
というわけで、今年のお気に入りの本第三弾
高殿円さんの「エヴァリオットの剣 我が王に告ぐ(角川ビーンズ文庫)」 この人はパルメニアという架空の国を舞台にした物語を書いていまして、私が知ってるだけでも、「遠征王シリーズ」「そのとき~は~した」シリーズと、500年くらいの時間の中でいくつかのエピソードを物語にしているのだが、この話は、その中で一番新しい時間軸の話で、 角川ルビー文庫でも、この話の一年前のエピソードが前後編で出ているのですが、いまだゲットできてませんので、これに関しては説明を割愛させていただきます。 ともあれ、物語は、パルメニアの大貴族フリャ家の令嬢アンアマリアの婚約が破棄されたことから始まります。婚約相手は、パルメニアの王様・アルフォンスだったのですが、 王様に恋人(男)が出来たことで、この婚約は無効にされてしまいました(笑) 念のため言っておきますと、アンナマリアは、正真正銘の女の子で、けっして、家のしきたりで、女の子の格好wさせられてる男の子、ではありません。 プライドの高い貴族のお嬢様が、それくらいで黙っているはずもなく、王宮に乗り込んで、 調べてみると、それは事実で、自分が割り込む隙もなくらい、二人はラブラブ。 しかし、それであきらめる滋養名、おとなしい性格ではない、アンナマリアは、シングレオ騎士団にあるといわれている炎の宝剣エヴァリオットの持つ、人の縁を切る力で、二人を引き裂いて、王様を自分のものにしようと、素性を偽り、騎士団に乗り込むのですが、同じころ、王の命を狙う、不満分子が暗躍を開始するわ、アルフォンスたちが煮え切らないのをチャンスと見たのか、王様に政略結婚を申し込んでくるサファロニア王シェファード(男)が現れるわ、とひと悶着起こるわけですが、恋する乙女の一念が、それをうまく収めたばかりか、吹っ切れたアンアマリアによって、というか、 彼女と彼女をバックアップする宮廷女性が行動力を発揮して、アルフォンスと、その恋人をなし崩し的にくっつける様は、アルフォンスの影武者にして、エヴァリオットの所有者キースをして、女は怖いといわせるほど(笑)の作品の見せ場のひとつ(笑) 普通なら、アンアマリアのようなキャラは、報われないまま終わったり、かわいそうな子供扱いして、そのまま話は終わりを迎えるのですが、こういう幸せになるために、パワフルに生きるタイプは、おとなしく、かわいそうな子供のままではいられないようで、そこがまた、この話を爽快にしている一因でもあります。 恋に破れた少女は、昔大事にしていた、熊のぬいぐるみを髣髴とさせる大男、ビクターとの鯉を見つけ、皆が皆、幸せになって、話は丸く収まります。 一生独身を宣告された、キース君を除いて(笑) というのも、このエヴァリオット、精励が宿った宝剣なのですが、この精励、幼女の姿をしてまして、しかも、所有者は、彼女に猛烈に愛されるために、一生結婚できないというジンクスがありまして、その成果、シングレオ騎士団の結婚率も、かなり低かったりするというジンクスのおまけつき(笑) つまり、 炎を操る力だけは、やたらめったら強力な幼女も精霊(不老不死)に、一生べったりなつかれて、それと添い遂げる運命(とーぜん、実物の女性と結婚なんて、できません(笑))を、齢14にして、決定されたのです(笑) 以前の「生き腐れか、ロリコンか」の「その気もないのに~」シリーズのときにも言いましたが、この設定を聞いたときには、それを喜んで受け入れそうな知り合いが、ざっと数名、即座に浮かんだのは言うまでもありませんでした。でも、そういうシチュエーションを喜ぶやつが、こういう境遇になることなんて、めったにないのですよね、実際(笑) どういうわけか、一時期、内容をよく見もせずに買ったのに、幼女がらみのこの手の設定のライトノベルを、今年前半、買うことが多かったのですよね(笑) 何気に男のファン受けしそうな作品が多いのですよね、ビーンズ文庫(笑) ■
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by kwanp
| 2004-12-29 12:59
| ライトノベル
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